座った姿勢は腰への負担大!お腹で体を支える腰痛解消エクササイズ

執筆者: 太田律子 職業:ピラティスインストラクター/ゴルフピラティスインストラクター
はじめに

こんにちは。体幹トレーンニングのゴルフピラティス&ピラティスインストラクター太田です。

先日ご紹介させていただきました「座った時の美しい姿勢」第一弾骨盤周りに引き続き、お腹周辺について紹介します。

 

座っている時は、立っている時よりも腰の負担が大きい

せっかく骨盤周りが安定しても、お腹が使えていないと腰に負担がかかってしまいます。


映画館で映画を観たり、バスや車で長距離を移動したり、仕事で一日中デスクワーク等、長い間座っていると腰が痛くなった経験ありませんか?


これは、座った時の方が立っている時よりも腰への負担が大きいためです。

 

スウェーデンの整形外科医アルフ・ナッケムソン(Alf Nachemson)の研究によると、腰椎椎間板内の圧力を、立っているときを100とすると、その他の姿勢の圧力は以下のようになると結果が出ています。

 

  • 仰向けに寝る:      25
  • 横向きに寝る:      75
  • 真っ直ぐに立つ:     100
  • 立って中腰(前傾姿勢): 150
  • 座る:          140
  • 座って前傾:       185

 

これによると、座った場合は立っているときの1.4倍、さらに座って前傾している姿勢の場合は、1.85倍も負荷がかかっていることが分かります。


特に、座って前傾姿勢というのは、まさにデスクワークの姿勢そのものです。
つまり、私達の日常生活では、腰に負担のかかる姿勢を長く行っているということになります。

 

 

座った姿勢が腰に負担になる理由

この座った姿勢、どうして腰に負担がかかってしまうのでしょうか?

股関節が曲がり、お腹の力が緩んでしまい、上半身の重さや動きを支えるための負担が腹筋以外の背中や腰の筋肉、背骨と椎間板に全てかかってしまうからです。


さらにデスクワークとなると、前傾姿勢でPCに向かって一日中仕事をしているわけですから、背骨がどんどん曲がってしまいます。
また、椅子に浅く座り、背もたれに寄りかかって骨盤が後傾、腰椎が後湾した座り方の場合は、腰への負担がかなりかかってしまい、腰痛や椎間板ヘルニアを引き起こす可能性もあります。

 

座った姿勢はリラックス出来るので、お腹も緩みがちです。
しかし、そのリラックスした姿勢が腰には何よりも危険なのです。

お腹で体を支えるエクササイズ

そのために、リラックスしていてもお腹で体を支え、腰椎への負担を軽減出来るようにしていきましょう。

前回ご紹介した骨盤底筋の引き上げに加えて、お腹を背中の方に引き寄せる方法です。

 

1.

椅子の上に左右の膝を揃えて座ります。

骨盤を立て、骨盤底筋を引き上げながら、丹田の下の方をお腹の方に引き寄せます。

 

2.

腰骨の上から肋骨を上に引き上げて、背骨と背骨の間のスペースを広げながら、長い背骨を意識していきます。

 

3.

両肘を曲げて、両手を頭の後ろに置きます。

両手を上に上げると、お腹が抜けやすくなりますので注意して下さい。

肋骨を閉じて、さらに丹田を意識しましょう。

 

4.

首の後ろも引き伸ばし、背骨の上に頭を乗せて、目線は遠くを見ます。

 

5.

鼻から息を吸って、胸から背中全体に空気を入れます。

お腹は緩まないようにします。

背骨も縦に引き伸ばしていきましょう。

 

6.

口から息を吐きながら、おへそを背中の方に引き寄せていきます。

お腹をえぐって、薄いお腹を作っていきます。

 

7.

ゆっくり5回行います。

慣れてきたら、5カウントで吸って、10カウントで息を吐きます。

 

出来るだけ長く吐きながら、お腹を凹ませていきましょう。
吐く時に、背中が曲がらないように気を付けて下さい。

吐く時も、背骨はさらに縦に引き伸ばしながら、お腹だけ背中の方に引き寄せていきます。

 

おわりに

このエクササイズは、座った姿勢はもちろん、立ち姿勢でも可能です。
両手を頭の後ろにセットしないバージョンでも勿論OKです。

この姿勢であれば、どこでも出来ますね。


しっかりお腹を教育して、座った時に自然にお腹が上半身を支えられるようになるのを目指しましょう。

 
 コラムニスト情報
太田律子
性別:女性  |   職業:ピラティスインストラクター/ゴルフピラティスインストラクター

ゴルフピラティス専用スタジオ「Golcore(ゴルコア)」代表。
腰痛をきっかけにピラティスと出会い、インナーマッスルの大切さを学び、OLから指導者に転身。2010年11月に都内初のゴルフピラティス専用スタジオ「Golcore(ゴルコア)をオープンし、ゴルファーのためのカラダ作りや、アンチエイジング、腰痛、肩こり、姿勢改善等のサポートを行っています。

HP:ゴルフピラティススタジオ「Golcore(ゴルコア)」
http://golcore.com/
Blog:ゴルファーのためのカラダづくり『ゴルフピラティス』
http://blog.goo.ne.jp/moana787
All About 専門家プロファイル:
http://profile.ne.jp/pf/golfpilates-ritsuko-ohta/
資格:
ネバダ州立大学公認ピラティス(マット&マシン)&ゴルフピラティス指導者、JAPICA公認マットピラティス指導者。