ヨガとピラティス、どっちがいいの?両者の成り立ち(歴史)・目的(効果)・ポーズ(エクササイズ)の違いを解説

執筆者: 美宅玲子 職業:美姿勢インストラクター
はじめに

こんにちは、美姿勢インストラクターの 美宅玲子です。


ヨガピラティス

「両方聞いたことはあるし、何となくイメージは出来るけれど、どこがどう違うのか分からない」という話を良く伺います。


どこがどう違うのでしょうか。

ヨガとピラティスの違いを、成り立ち(歴史)、目的(効果)、ポーズ(エクササイズ)に分けてご紹介します。

 

それぞれの成り立ちと歴史
ヨガの歴史

ヨガは、紀元前のインドが発祥と言われ、当初は座っての瞑想が主でした。
それがチベット中国から日本へと伝わり、禅(座禅)になったとされています。

 


ヨガが伝承される中で、様々な流派が生まれました。

現在、日本で一般的になっている体を動かすヨガは、欧米に伝えられたヨガに、体を鍛えるエクササイズの要素が組み込まれた「パワーヨガ」の人気に火が付き、日本に逆輸入されたものが多いです。

 

ピラティスの歴史

ピラティスは、約100年前にドイツ人のピラーティーズ氏が編み出した身体調整法です。


ピラーティーズ氏は幼い頃病弱でしたが、独学でヨガを初め、様々な鍛練法を試み、健康で強靭な体を手に入れました。
その経験を本に、ピラティスが生み出され、第一次世界大戦では負傷兵のリハビリに用いられました。
ピラティスはリハビリに効果ががあっただけではなく、感染症にもかからない健康な体作りとして定評がありました。


ピラーティーズ氏がアメリカに渡って、ピラティススタジオをオープンしてからは、ダンサーなど、体を使うプロの間で評判となり、俳優も取り組んだことから人気になり、世界中に広まりました。

 

 

目的・効果について
ヨガの目的

ヨガの目的は、何事にも左右されることのない幸せ(三昧)の状態に至ることです。

 

 

現代の私達で言えば、移ろいやすく、イライラしたり、ストレスが溜まったりする心を穏やかにし、心身を健やかに保つことと言えるでしょう。


ヨガで呼吸を整えながらポーズに集中していくと、脳からはアルファ波が出て、自律神経やホルモンのバランスが整い、実際に精神は冷静で穏やかに、体もリラックスした状態になると言われています。


心と体の調和を図りながら、総合的に健康で幸せな状態を作っていくのがヨガと言えます。
ストレスが流れ、内側からにじみ出る健康があれば、その人本来の美しい体型に自然となっていきます。

 

ピラティスの目的

ピラティスの目的も、やはり心身の調和を図っていくことです。

 

その上でヨガと違って特徴的なのが、体・特に体幹部の筋肉のバランスを整え、体の動きを無駄なく使い効率を良くする神経のトレーニングをすること。

そしてケガや老化を予防し、パフォーマンスを上げることです。


中心軸がしっかりし、ウエストが締まるほか、余分な力の抜けた状態でありながら、滑らかで繊細な動きをコントロールすることが可能になります。


 

ポーズ・エクササイズ
ヨガのポーズ

ヨガのポーズは、アーサナ(座法)と言われ、一つ一つが瞑想をする「体位・形」です。

 

ポーズをキープしながら呼吸を整えて、瞑想を深め、心身の充実を図ります。
ハト、猿、ワシなど、動物の形を真似たものも多く、自然と一体になる心地良さを味わいます。

 

 

流派によっては、動き続ける時間が長く、動の瞑想とも言えるでしょう。
呼吸は、腹式・胸式・完全(腹・胸両方)呼吸法を使う流派があり、まちまちです。

 

ピラティスのエクササイズ

ピラティスのエクササイズは、ポーズを取ってキープするというよりかは、特定の筋肉や骨を意識して、繰り返し動かす筋肉の反復運動であることが多いです。


繰り返しながら、滑らかで正確に体を動かせるように、また、体を支える筋肉を付けるように訓練と試行錯誤をする過程がピラティスです。

 


呼吸は、常にお腹を引き締めて、胸式呼吸を行います。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

ピラティスは、ヨガの影響を受けて編み出されたものなので、両者の動きや目指すところは良く似ています。

ぜひ、実際にも違いを体験・体感されてみて下さいね。

 
 コラムニスト情報
美宅玲子
性別:女性  |   職業:美姿勢インストラクター

ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター。
東京学芸大学教育学部卒。中学から大学まで陸上競技(100mH、走幅跳)に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生であろう」という無理を重ね、うつ状態のため2年半後病休を取る。
2004年に趣味で通っていたスポーツクラブに転職し、ヨガ・ピラティスと興味ある分野を活かせる仕事のおかげで心の病と腰痛を克服する。ストレスの多い日常でも心身の調子を整えられる素晴らしさを伝えるため、2008年に独立しフリーインストラクターとなる。
現在、首都圏のスポーツクラブ、自治体、公共施設でのサークルや個人のレッスンを受け持つ一方、外ヨガイベント、健康コラボイベントの企画実施、雑誌監修、コラム連載、DVD発売も行う。日々更新するHP、ブログ、YouTubeのエクササイズ動画も好評である。
HP「インストラクター美宅玲子 Re pure BODY」 http://mitakureiko.com

 

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