呼吸が浅いと病気になりやすい?「ヨガの呼吸法」効果でストレスを解消し、メンタルを整えよう
呼吸に「法」が付くと、普段当たり前にしている呼吸が、特別になる感じがしませんか。
今回は、呼吸法について書きたいと思います。
解剖学的・生理学的な呼吸ではなく、ヨーガにおける呼吸法についてです。
私達は小さい時から、無意識に獲得してきた呼吸の仕方があります。
人によっては浅い呼吸、深い呼吸になっていたり、他にも右鼻だけで、左鼻だけで吸っているということもあるかもしれません。
口から吸っているということも。
ヨーガの呼吸法の一つに『片鼻呼吸』があります。
例えば、アヌローマ・ヴィローマという呼吸法では、左から4つ吸い、16止めて、8つ吐き、右から4つ吸って、16止めて、左から吐くのが1クールになります。
このような呼吸法を練習していると、左からは息の流れが分かるけれど、右からの息の通りが悪いことに気が付いたり、逆もあり、均等に呼吸が出来ていないことに気が付きます。
私にとってこの気付きは大きく、この呼吸の浅い深いが、長年積もり積もって疾病につながっているかもしれないと考えています。
昔のヨーガのレッスンでは、呼吸を止めることが良くありましたが、現在のヨーガの指導では「呼吸を止めないようにして下さい」と必ず声をかけます。
ヨーガの呼吸とアーサナ(ポーズ)は連動しています。
例えば、ねじりのポーズの時も、息を吸って背骨を伸ばしてから、吐いて背骨をねじっていくと、呼吸を意識しない時よりねじりが深まります。
両手を広げていくポーズなどは、吸い切ったときに両手を広げて、吐き切ったときに両手を閉じます。
初心者の方は呼吸が短いので、動作の途中で吸いきったり吐ききったりしてしまい、上手く出来ない方も多いのです。
呼吸に使う筋肉は、横隔膜のほか、肋間筋や、補助的に腹直筋や腹横筋などが使われているとされています。
要は、呼吸はインナーマッスルを動かすので、根本的な引き締めにも良いということになります。
最近、呼吸が上手く出来ませんという若い女性や、中々痩せにくいという男性も私のスタジオに通ってきています。
いずれも、バイオフィードバック機器で計測すると、呼吸が浅いのが分かります。
女性の方は自律神経に問題があり、男性は心疾患があるようで、呼吸も浅いのです。
これらの例からも、心身の不調は密接に呼吸と関連し合っているということだと思います。
このような方々には、まず呼吸が深く出来るように、仰向けになって腹式呼吸の実習を行います。
5分くらいゆっくり吐いて吸っての練習を行います。
中には、それだけで末端の手の温度が上がる方もいます。
呼吸が出来ていないと身体が冷えてしまうのですね。
さて、ヨーガの呼吸法は、プラーナヤーマと言います。
プラーナは微細なエネルギー、生命エネルギーのことで、アーヤーマはコントロールするという意味があります。
ハタヨガの経典の「ハタヨガプラディピカー」においては、体の中に気道(ナーディ)という通り道があります。7万2000本という説もありますし、他の経典では違う説も唱えられています。
気道(ナーディ)の中で重要なものは3つあり、一つはスシュムナーといって、身体の中心を通っているもの、その周りをイダーとピンガラーというナーディがクロスして流れていると言われています。
私たち人間の中には、プラーナ気、サマーナ気、アパーナ気、ウダーナ気、ヴィヤーナ気という5つのプラーナがあります。
これらの気は、消化であったり排泄であったりと、それぞれの働きがあります。
ヨーガでの呼吸法は、腹式呼吸からカパーラバーティ、アヌローマヴィローマ他様々ありますが、最終的には、この目に見えないプラーナをコントロールして、心身に調和をもたらすことも目的としています。
アーサナ(ポーズ)を行うことで、身体の筋肉を強化したり、ストレッチをすることが出来ますが、同時に呼吸法によって内側を整え、浄化を促すことも目的としています。
私もヨーガの呼吸法に出会わなかったら、いつまでも浅い呼吸をして、ものすごく早口だったと思います。
しかし、様々な呼吸法を行うようになってから、自律神経は安定して、肌も整い、精神状態は何か起きても一呼吸して物事に取り組めるようになりました。
皆さんも、簡単な呼吸法からやってみませんか?
内側から身体も引き締まり、心も穏やかになることでしょう。
呼吸の恩恵は計り知れないものがあります。
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