初心者におすすめの船釣り魚は「メバル・カサゴ」!釣り方と楽しみ方のポイント
ある時、会社の釣り好き上司から「船釣りに行かないか」と誘われました。
陸からの釣りも船からの釣りも変わらないだろうと思い、やって見る事にしました。
なんと、初めての船釣りは「ヒラメ」です。あの高級魚です。
とにかく、言われるままにレインスーツやクーラーを買い込み、竿とリールは借り物で臨みましたが、3回とも連続してボウズ(釣れない事)。
私の船釣りデビューは三連敗で始まりました。
船釣りは船長が魚のいるところまで連れて行ってくれるので、簡単に釣れるだろうと思っていましたが、大間違いでした。
しかし、この三連敗の釣行で船釣りの大体の要領を覚え、それからは主に一人釣行を楽しんでいます。
その内に、馴染みの「落ち着ける」船宿が見つかります。
こうなると、もう週末は釣りの日になってしまいます。
船釣りはそれぞれに専門の釣りもので出船します(五目もありますが)。
ヒラメにマダイにイサキにフグに、諸々。季節ごとに旬の魚を狙えるのは船釣りの醍醐味です。
色々な釣りものが楽しめる「船釣り」ですが、私の性分なのか、アレもコレもと様々な魚を追っかけていると、それぞれに釣り方が異なりますから、道具ばかりがどんどん増えて、腕の方は一向に上達しません。
今や、釣り道具が一部屋の半分を占領しているような状態です。
楽しいのは楽しいからいいのですけれど、やはり、ある程度釣りの基本を覚えようとすれば、一つの釣りものをジックリやってみる方が上達は早いでしょう。
例えばマダイを狙うにしても釣り方が違う場合があります。
「コマセマダイ」と「ヒトツテンヤマダイ」です(これについてはいずれ書きたいと思います)。
同じマダイを狙うにしても全く違う釣り方です。
他にも「タイラバ」や「ブラーマダイ」などがありますが、あれこれ手を出していると、それぞれの釣りのポイントがなかなか身に付きません。
これから船釣りに挑戦しようとする方にお勧めなのは「メバル・カサゴ釣り」です。
東京湾では毎年2月に解禁となり、初夏位まで船が出ます。
何故メバルとカサゴがセットの釣りものになるのかといえば、メインはメバルですが、カサゴも釣れるからです。カサゴはあちこちで釣れるポピュラーな魚ですが。
ちなみに、神奈川県の金沢八景ではカサゴを専門に狙う船宿もあります。
「メバル・カサゴ釣り」は道具もライトで、仕掛けは一番下に錘を付ける「胴付仕掛け」です。
最初は船宿で売っている仕掛けを買いましょう。
餌は東京湾の場合、藻エビです。
藻エビは淡水の小型のエビですが、海水でも元気にピンピンと跳ねてメバルを誘ってくれます。
東京湾のメバル釣りを別名「エビメバル」と呼ぶのはそのためです。
相模湾では活きたシコイワシを餌にする釣りものがありますが、そちらは「イワシメバル」と呼びます。決してそのような名前のメバルがいる訳ではありません。
胴付仕掛けとは幹となるハリスに針が枝のように付いているものですが、メバル釣りの場合は通常3本(イワシメバルは2本)。大体、カサゴは底にいますから一番下の針に喰ってきます。
ですから、一番下の針にだけ、別の餌を付けることが多いのです。
サバの切り身や、ハゼの幼魚(ゴリンと呼んでます)など。
メバルは「春告魚」という艶のある漢字を当てられていますが(地域によってはニシンやアマゴ、ヤマメ、サワラを春告魚と書くようです)、「目張」とも書き、要はあの大きなお目々ですから、警戒心がとても強い魚です。
餌が不自然に動くと喰ってきません。
船長の中には、「竿を動かすな」と言う方もいます。
水中で自然にピンピンと動いている藻エビに反応して喰ってきます。
ですから、餌の藻エビが弱ったらすぐに付け替えるのがポイントです。
カサゴは、底の根(岩場など)の方で上から落ちてくる餌を狙っていますから、そこへ餌が落ちていけば、ほぼ喰ってきます。
カサゴのアタリはガッガガッといった少々品の無い感じですが、メバルはキュンキュンと小気味よく引き込んできます。
メバルもカサゴも、いわゆる「向こう合わせ」ですから、竿を煽らず、しばらく引き込ませておいて、リールを少しユックリ目に巻けば釣れます。
船釣りはその船宿に馴染んでしまえば、それほど敷居の高い釣りではありません。
予約が必要な所と、予約無しでもOKな所とありますが、最初は経験者と同行して、色々教わるのが手っ取り早いと思います。
しかし、糸の結び方、仕掛けの扱い等々、細かい事がありますので、それはまず「船釣り」の本を一冊買って、そこから色々と覚えることをお勧めします。数回行けば大体分かりますので、何冊も読む必要はありません。
最初はレインスーツ、ブーツ(長靴)、クーラーを自分で揃えて、竿やリールは自分の好みが分かるまで、船宿の貸し竿(事前に予約する必要がある船宿がありますからご注意)を使いましょう。
竿やリール(タックル)は好みが別れますので、それが分かるまでは貸し竿で十分です。
細かい道具は、針外しのプライヤーや魚を〆るためのナイフなどですが、もし同行する経験者がいたら、その方のものをとりあえず借りましょう。
「手返し」という言葉がありますが、要は釣りに必要な動作の事です。
餌付や仕掛けの投入、錘での底取りなど。いずれ慣れます。
まずは「メバル・カサゴ」釣りで、それらを覚えましょう。
基本はどの釣りも同じです。
ちなみに、最初に書いたヒラメ三連敗の後、意を決して、自分で探した船宿で四度目のヒラメに挑戦し、キロオーバーを二枚釣り上げる事ができました。
ぜひ、その感激を味わってみてくださいね。
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