船酔い対処法は「吐く」!体に負担を掛けない吐き方のコツ
「船酔い」。
沖釣り(船・ボート)を楽しもうとしている方々にとって、意外と大きな障壁になります。
それゆえに沖釣りを断念している方もいらっしゃいます。
もちろん「船酔い」などに負けず、果敢に船上で魚を釣り上げている方もいらっしゃいますが、意外と「船酔い」になる人は多いです。
ベテランの方々でも「酔い止め薬」は飲まれていますし、私も飲む飲まないは別にして、いざという時に備えて携帯しています。
実は海の男である船長も、船酔いはすることを、前のコラムで書きました。
これは人の平衡感覚が「目」と「耳(内耳の三半規管)」に委ねられている以上、避けることの出来ない生理現象なのです。
船の上では、そこにズレが生じてしまうのです(他の乗り物酔いも)。
もちろん、体質的なものもあり、私は幸いなことに、あまり船酔いしないようです。
しかし、一緒に釣りを楽しんでいる時、ふと気が付くと隣に座っている仲間の口数が減ってきて、顔が眠そうに無表情になることに気が付きます。
ボート釣りでもたまに目にする光景ですが、内湾の沖にアンカリング(イカリを降ろして船を泊める)したままで、波に揺れている「無人のボート」を見掛けることがあります。
船酔いした釣り人が、船長のボートで、一旦陸に戻られているのです。
少し楽になって、またボートに戻られても、遠目に見て顔色が悪いのが分かります。
竿を出していません。
また、酔われたみたいです。
せっかくの楽しい釣りで、と同情はするのですが、こればかりはどうしようもありません。
そこで「船酔い対策」をコラムにまとめたのですが、それで「船酔い」を完全に防ぐことは、正直難しいことです。
今回は、その続編の形で「船酔い」の最後の手段である「吐く」ことについて、その少しでも楽に行う方法をご紹介します。
これは周りの「船酔い釣り師」達の経験をまとめたようなものです。
「船酔い」に負けず、釣りを続行するための「最後の手段」は「吐く」ことなのです。
船酔いというのは面白くて、船の上でグッタリしていたのに、船から降りて陸に上がるとケロっと治ってしまいます。
まれに、しばらくグッタリとしている状態が続く人を見かけることがあります。
それは恐らく、気分が悪いのを我慢してしまって、体調まで崩してしまった方ではないかと思います。
遊びなのですから、我慢をする必要はありません。
「吐く」自分の姿を恥ずかしいと思っている方もいるかとは思いますが、街の中のことではなく、波に弄ばれる船の上のことですから、恥じる必要は全くありません。
一気にいって、スッキリとしましょう。
これは、吐きやすくするためです。
吐く物を胃に入れるというか、胃の中の物を出しやすくします。
「空振り」のオエッは非常に苦痛で、身体に負担をかけます。
酷い時にはみぞおちの辺りが痙攣したように痛くなり、頭痛が起こることもあります。
その「空振り」を防ぐために、水かポカリスエットを飲んで下さい。
私の釣り仲間である「船酔い釣り師」は、ポカリスエットの500mlボトルを一気に飲みます。
気持ちが悪くとも、水などの液体は体が受け付けますので、飲む事自体はそれほど苦しくないと思います。
また、水等を飲むことは、胃酸から食道や喉、口を守るためでもあります。
吐くと当然、胃酸が出てきますから、これを薄めて、食道等へのダメージを少なくします。
吐く時には自然にそのようになると思いますが、楽に吐くためには「出口」を大きくしておいた方が良いのです。
舌を出し、意識してそのようにすると、吐きやすくなります。
当然、口も大きく開けた方が楽です。
これも吐きやすくするためです。
もし、トイレまで我慢出来るなら、出来るだけ顔を下の方に向けて吐けば良いのです。
そこまでもたなければ、もう海に向かっていきましょう。
その時、くれぐれも海に落ちないように、船べりを両手でシッカリと掴んで下さい。
頭を海側に突き出して、なるべく顔を低い位置にしましょう。
これは、ヤカンから水を出すのと同じ理屈で、ヤカンを傾けて下に向けるようなものです。
ちなみに、前にも書きましたが、船の中に吐くのはご法度です。
何とかそれは耐えて下さい。
これは「心理的」なものでしょうね。
目を開いて吐く人はあまりいないでしょう。
自然と目を瞑ってしまうでしょうが、これも意識してやった方が楽ですよ。
何故かは良く分かりませんが、精神衛生上、その方が良いのでしょう。
以上で自然に吐けると思うのですが、どうしても上手く吐けない時は、もう喉に指を突っ込むしかありません。
ただ、釣りの最中の指は、餌などを触っていますから、雑菌の塊状態の可能性があります。
海水ポンプのある船なら、ホースから流れ出る海水で、指を流してからやって下さい。
そんな余裕ないかもしれませんが…。
突っ込む指に決まりはありませんが、人差し指と中指が良いでしょう。
躊躇せずに突っ込んで下さい。
一度吐ききって、それでもまだ苦しかったら、また水かポカリスエットでも飲んで、もう一度。
身体の負担は大きくなりますが、船酔いから楽になるためです。
ただし、循環器系の既往症をお持ちの方は、そこそこでお止めになった方が良いでしょう。
吐いた後は、必ず水等で口をゆすいで下さい。
水やポカリスエットで薄まっているとはいえ、胃酸は歯や口内を痛めます。
また、吐いた後は軽い脱水症状になっているとも考えられますので、水分はなるべく補給をしておきましょう。
少し楽になったからといって、釣りをすぐに再開すると、また酔ってしまう可能性があります。
少し休みましょう。
落ち着くための基本「深呼吸」で、気分と体の緊張を和らげて下さい。
気分を楽にするため、釣り座に座っていられるなら、遠くの水平線をボンヤリと眺めましょう。
本来は、一旦キャビンに入って、横になられることをお勧めします。
メントール系のキャンディが気分を良くさせてくれることもあるようですが、身体が何も受け付けない場合もあります。
とにかく横になることです。
キャビンのない小型の船やボートの場合は、出来るだけ楽な姿勢を取るようにとしか言えません。
ボートの場合は、一度陸に戻るという手もあります。
いかがでしたでしょうか。
これで、完全に船酔いから復活出来るという保証はありませんが、少しは楽になるかと思います。
そして、いずれは慣れると思います。
船酔いと上手く付き合って、海の沖釣りを楽しみましょう。
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