秋田県にある乳頭温泉「鶴の湯」で、癒しの混浴露天風呂を体験しよう!
温泉好きなら、誰でも知っているのが秋田県の乳頭温泉・鶴の湯です。
田沢湖から北東に、車で約20分の山奥にあります。
夏と冬で、全く違う情景になるので、その両方を紹介します。
いずれも風情満点です。
「ここはどこ?時代はいつ?」
それが分からなくなる異次元の宿。
こんな秘湯が、日本には残されています。
小川の両脇に湯宿が並びます。
そして橋を渡って行きます。
ブナの原生林に囲まれた、山奥の一軒家で、江戸時代の建物がそのまま残っています。
宿の入口の両側には、本陣という、江戸時代の宿泊施設がそのまま並んでいます。
本陣は登録有形文化財で、秋田藩主二代目の佐竹義隆が利用しました。
江戸時代の湯治宿の映画セットのようです。電柱など人工物を一切排除して、昔のままに維持されています。
この甲斐あって、海外のドラマでも使われたこともあります。
混浴の露天風呂は、足下から自噴する白い濁り湯、温度も40〜41℃で適温です。
女性はバスタオルOKですが、入ってしまえば何も見えませんので、グループ女性客も多いです。
雨が降って少し靄がかかれば、一層風情が増します。
昼の時間は日帰り客が多いので、ぜひ宿泊をお勧めします。
可能なら平日に利用すれば、真価が分かりますよ。
雪に埋もれた佇まいが、何とも言えません。
この両脇の本陣の部屋は、未だに囲炉裏もあり、夕食の名物は山の芋の素朴な鍋です。
雪に埋もれた風景。
左右の建物を繋ぐ屋根付き橋と中央を流れる小川。
都会と、そして時代とも隔絶された空間と時間になります。
冬の混浴露天風呂は寒いと思われますが、さほどでもありません。
濁り湯の中は、暖かな白い加温コートを着ているようなものです。
しかるに頭は冷えてしまいますが、これが良いのです。
雪がちらちらと降る中、この大自然の露天風呂に身を任せる幸せ。
夏ほど人が多くないのも、さらに良いことです。
隠れたお勧めは内湯。
湯治風の湯船に新鮮な源泉が注がれます。
お湯の音だけが響く湯宿の中で、静かに瞑想が出来ます。
江戸時代も現代も、風呂の中では皆さん裸。
これはつまり、完全に同じ条件でお湯を楽しんでいることになります。
泉質
白湯:含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素泉(硫化水素型)
黒湯:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
中の湯:含重曹・食塩硫化水素泉
滝の湯:含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素泉
蒸発残留物=2530mg/ℓ、内湯8、露天2
一泊二食で8,790〜16,950円。
田沢湖からバスまたは車で。
乳頭温泉郷内は、無料の循環バスが巡っています(湯巡り帖あり)。
昔の湯宿その物を維持し、同じトーンで増設された宿。
そこには館主の哲学が生きています。
昔のままにするために、ある方法で外壁を統一・工夫したり、お値段も据え置き(江戸時代のままではありません)で頑張っておられて、本当に脱帽です。
源泉湧出の上に造られた混浴露天部や内風呂で、生まれたての温泉を肌で味わうことも出来ます。
実は、有名な鶴の湯を紹介して、また人が増えるのが、本当は悔しいのです。
しかし、日本の文化、秘湯巡りに目覚める方が増えれば良いと思います。
日本人ではなくても、この良さは誰でも分かるでしょう。
ここ鶴の湯は、江戸時代にワープ出来るたぐいまれな宿です。
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