民芸調の宿と自然一体型の洞窟温泉、大分県「福元屋」体験まとめ (1/2)

執筆者: izumi6688
はじめに

今回は、壁湯天然洞窟温泉 旅館 福元屋についてご紹介いたします。

私の温泉の好みをわがままに言うと、以下のように続きます。

 

  1. 温め(できれば40℃以下)
  2. 源泉掛け流し(できれば足下湧出で湧出量は多くあるべし)
  3. 強酸性は苦手(肌に厳しい)
  4. 成分濃度は高め(体へのインパクトがある)
  5. 露天風呂の湯船は川沿い
  6. 料金は良心的(洗面台、トイレは部屋になくとも良いがウォッシュレット)
  7. 宿は一軒宿で造りや佇まいは鄙びた簡素なもの
  8. 部屋数は15室以下
  9. 館主や仲居さんは会話が出来そうな方
  10. 料理は、贅沢は言わないがほんの少しは工夫して欲しい

 

福元屋はなんと、4を除いて他は合致しています。
人気があるのは、私好みなのではなく、多くの方に支持されているからではないかと思います。

 

宿の佇まい

 

宿への小道は、鬱蒼とした林になっています。

期待に胸が膨らみます。
この寂れた感じが、日本人にはたまりません。

 

 

玄関からすでに民芸調で、田舎の叔父さんの家に来た感じです。
都会では既に抹消されてしまった、古き良き日本です。

 

民芸調の部屋と眺め

館内も全てが民芸調、実は福元屋は2001年に改築されました。

その前はごく普通の温泉宿だったとのこと。


館主は一大決心をされ、今は徹底的な民芸調です。
少しアンバランスなところもあって、そこが良い味になっています。

 

 

部屋は小作りですが民芸調です。障子の窓が見えますでしょうか?

 

 

これぞ温泉宿、季節(6月)になればこの渓流でホタルが舞います。
団扇と冷酒でたたずめば完璧です。
実は右手の奥に、洞窟岩風呂があります。

 

洞窟岩風呂

 

渓流の右手の、彫り込まれた崖の奥から大量のお湯が湧き出しています。
隔てているのは、コンクリートの壁(通路)一枚です。

 

 

この自然、そのまま洞窟岩風呂が素晴らしいです。
完全透明のぬる湯が奥から湧き出しています。

 

とてもぬる湯ですので、当然長湯になります。
目を閉じれば川の瀬音と鳥の声。

確かに人間は自然の一部であると納得します。

 

 

コンクリート壁(通路)の川側に降りると、川に寄り添う位置に野天風呂があります。
ここからは、川を泳ぐ魚の群れがすぐ目の前に見えます。

 
 コラムニスト情報
izumi6688
性別:男性  |  

全国の秘湯を巡り、ブログ「秘湯感動紀行」で紹介しています。日本文化を考える上で温泉は一つの切り口と言えます。感動した秘湯について、何にどのように感動したかという感想を綴ってゆきます。個人的に波長の合う秘湯の紹介です。温泉が日本を代表する文化の一つで、これを日本自身が再発見し、また、グローバルにも評価されてよいと思います。
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