イタリア料理の歴史!古代ギリシャ・ローマから受け継がれている食文化 (1/2)
こんにちは。
パスタやスパゲッティなど、美味しい物がたくさんあるイタリア料理。
世界中で有名になったイタリア料理の歴史を振り返ってみましょう。
イタリア半島にあった古代ギリシャの都市国家ナポリ。
「ナポリを見て死ね」という言葉がありますが、ナポリとはネア・ポリス、つまり「新しい都市」というギリシャ語から来た地名で、まさに古代ギリシャ人の建設した都市です。
そして、やはり古代ギリシャの都市国家であったシチリア島は、バルカン半島のギリシャ本国に比べて、農作物が豊富で生活条件に恵まれていました。
そのため、食生活も大変豊かで、中でもアルキメデスが生まれたところとして知られているシチリアのシラクサは、非常に料理文化の発達したところでした。
良い料理人を求めるならば、シラクサへ行かなければならないとさえ言われていました。
かの有名な哲学者プラトンが、シラクサの王に招かれた時、豪華な宴会料理にびっくりし、余りに贅沢過ぎると非難の文章を残していることからも、当時におけるシラクサの料理文化の繁栄ぶりが伺えます。
フランス国王になるアンリ二世のところに嫁いだカタリーナ・ディ・メディチが、初めてイタリア料理をフランスに伝え、それからフランス料理が栄えるようになったという話があります。
しかし実際は、それ以前からイタリア料理の情報は、アルプスを越えて北の国々へもたらされていたのだそうです。
ルーツの一つとして、古代ローマ文明を取り上げてみると、初期の頃の古代ローマ人の食生活は質素なもので、料理らしい料理はなかったと言われています。
しかし、ギリシャの植民地を手中に収め、その進んだ料理文化を吸収していくうちに、ローマ人の料理文化も次第に豊富になり、発展していきました。
アウグストス(在位BC27年~AD14年)から始まる帝政期になると、美味探究のローマ人の姿がはっきり浮かび上がってきます。
その典型がアピキュウスです。
テイベリウス帝の頃、ガビウス・アピキュウスという大富豪がいました。
彼は全財産を食道楽で使い果たした後、自殺したと言われています。
この人の書き残した料理書が、DERE COQUINARIAというヨーロッパで最も古い料理書であり、料理史の中では必ず出てくる文献です。
この本の中に出てくるソースの材料をみると、古代ローマ人の味覚と私達の味覚は、相当違うように思われます。
例えば、野鳥の料理ですが、酢、はちみつ、オリーブ油、レーズン、ワイン、ハッカ、胡椒を混ぜ合わせて煮ると残されています。
ローマ人は、きのこが好きだったと言われていますが、そのきのこは、はちみつで味付けをしたそうです。
魚も好んで食べたようですが、スモモ、杏の磨り潰した物、りんごを磨り潰した物を入れて味付けをしたと言われています。
オレンジで味付けする魚料理がイタリア、スペインの南欧料理にあるのは、この古代ローマ人の名残のように思われます。
そして、古代ローマの料理文化は、中世の時代に入って二つのセンターに分裂しました。
一つは東ローマ帝国の首都コンスタンチノープル、もう一つは西欧各地に広がっていた修道院でした。
そして、イタリア料理はその二つのセンターから大きな影響を受けていました。
中世は、暗黒の時代であって文化的に大変遅れた時代のように思われています。
しかし、決してそうではなく、現在のイタリア料理文化のルーツには、中世から始まるメニュー、飲み物、食器類の影響がかなりあります。
東ローマ帝国、つまりビザンツ文明からの例を挙げると、11世紀に教会の革新に努めたベネチアの修道士ペトルス・ダミアニ(1007~1072年)は、ある時大変珍しい光景に仰天しました。
ベネチアのドウジェ(統領)ピエトロ・オルセオの息子と結婚した妃が、なんと黄金色のフォークとスプーンを使って食事をしていたからです。
「かかる贅沢をする者の頭上には、必ず神の怒りが下りたもうであろう」というダミアニの言葉通り、この夫妻はまもなくペストにかかって死んでしまいました。
この妃は、東ローマ帝国のロマレス3世の妹で、嫁入り道具としてフォークとスプーンを持参したのでした。
つまり、口に物を運ぶ道具として、フォークとスプーンを持参したのです。
その後、口に物を運ぶ道具としてのフォークは、コンスタンチノープルからベネチアに入り、北イタリアの諸都市に普及し、そこからフランスに入って行ったのだそうです。
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