ハンガリー料理は唐辛子「パプリカ」で出来ている!赤いピーマンの効能・歴史・食文化とは

執筆者: 水谷俊江 職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト
はじめに

こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。

 

日本全国探しても、3店舗しかないというハンガリー料理のレストラン。
その中でもハンガリーから食材を輸入して、伝統のハンガリー料理をそのままいただけるレストランは「PAPRIKA.HU(パプリカ ドット フ)」しかありません。

 

「PAPRIKA.HU(パプリカ ドット フ)」
住所:東京都港区高輪1-1-11 グレイス魚藍坂1F
TEL :03-6277-2037 
URL :http://www.hungaryshop.jp/paprika/index.html 

 

 

ハンガリー料理に欠かせないパプリカ

ハンガリー料理の特徴を一言でいうならば「パプリカパウダーを使った赤いお料理」。
レストランに入るや否や、目に飛び込んでくるのは唐辛子です。

 

 

なぜ唐辛子があるのか伺ったところ、これがハンガリー料理になくてはならない、赤いスパイスのパプリカでした。
ハンガリーには、パプリカが150種類以上あるそうです。

ハンガリー料理で主に使われているパプリカは、辛みのない唐辛子の一種です。

大きさから分類すると、中粒種になるそうです。
日本でいう赤いピーマンは大粒種で、ハンガリーでは「アメリカンパプリカ」と呼ばれて、区別されています。

 

 

写真はハンガリーで一番使われているパプリカパウダーです。

こちらのお店は、ハンガリー産の物を輸入して使っています。

 

ハンガリーの位置と食生活

ハンガリーの首都は、一度覚えたら忘れない名前のブタペスト。
位置は、西にオーストリアスロベニア、北にスロバキア、東にウクライナルーマニア、南にセルビア、南西にクロアチアに囲まれた内陸国です。

 

海のないハンガリーは、肉中心の食生活です。

しかもサラダを食べる習慣はありません。

 

ハンガリー人は何を食べてビタミンCを摂っているのか

ここで疑問が湧きます。

一体どこでビタミンCを補給しているのでしょうか。

その謎を解くカギは、ビタミンCが発見された時代に遡ります。

15世紀にコロンブスが発見した「唐辛子」。

辛い唐辛子を、ハンガリーでは長い間改良に改良を重ねていました。

そして16世紀に、ようやく辛くない唐辛子パプリカが誕生したのです。

ハンガリー語でパプリカと名付けられました。


ハンガリーをはじめ、東欧諸国ではパプリカを乾燥させ粉状にして、スパイスとして使うようになりました。

 

ビタミンCはパプリカから発見された

時は流れ20世紀。

ハンガリーの科学者、セントジェルジは、ハンガリーの辛くない唐辛子パプリカからビタミンCを分離することに成功し、1937年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。
初めてこの世でビタミンCの働きが明らかになったのです。

ハンガリーのスパイスであるパプリカは、ビタミンCの宝庫だったのです。
ということで、ハンガリー人はパプリカのスパイスで、ビタミンCを補給しているのです。

 

ハンガリー国民料理の「グヤーシュ」

 

こちらがハンガリー国民料理のグヤーシュです。

牛肉に、玉ねぎ、人参、ジャガイモのスープ。
赤い色はもちろんパプリカです。

 

お味はいかが?

辛くないですが、やはり唐辛子!
食べている先から、体が燃えるように熱くなり、いつの間にか汗だくになってしまいました。
胃にも優しく、血行が良くなります。

冷え性の女性には特に嬉しい一品です。

付け合わせは、ご飯かパスタを選ぶことが出来ます。
ハンガリーでは、ご飯は主食ではなく野菜の扱いなのです。

現地ではご飯と食べることはないそうですが、ここだけは日本アレンジで選択肢にあります。

 

ハンガリーではパスタにかけて食べる

パスタにかける食べ方がハンガリー風です。
そのパスタが、毎朝手作りされているという小麦粉からの手ひねりパスタなのです。

 

 

ザルで濾しているそうで、写真のような生パスタとなります。
もちもちしていて、すいとんのような食感です。

 

ハンガリーは大の親日国

ハンガリーは遠い国で、文化も全く違うのに大の親日国なのです。

日本を知らないハンガリー人はいないのそうです。


レストランのオーナーが、初めて大好きな日本を訪れたとき、日本にハンガリーレストランがないということに大ショックを受けたことで、ハンガリーからシェフを招聘して、今のお店を作ったのだとか。

レストランに留まらず、ハンガリーの文化を紹介する場も兼ねています。

 

赤ピーマンは緑ピーマンが熟したもの

さて、日本で知られているパプリカも唐辛子の仲間です。

辛味種を唐辛子、甘味種をピーマンと呼びます。

 

私の子供の頃はピーマンといえば緑色の物でした

日本でパプリカと呼ばれる、大きい肉厚の赤ピーマンは、ここ数年の物ですが、緑色のピーマンも八百屋さんで並ぶようになったのは昭和40年代以降だったそうです。

そして意外や意外!緑ピーマンと赤ピーマンは実は同じ物なのです。
緑ピーマンを収穫せず、そのまま放置しておくと赤ピーマンになります。

緑ピーマンが青臭いのは、未熟な故です。
熟した赤ピーマンは、緑ピーマンに比べてβカロチンが約2.5~3倍、ビタミンC2倍以上、ビタミンEも4倍以上含まれているのです。

 

おわりに

青っぽい味が薄れて、甘味が増す赤ピーマンパプリカ。
子供の苦手な野菜ランキングでいつも上位のピーマンです。
お母様方も、小さく切ってみたり好きな物と混ぜたりと、工夫を凝らして苦手を克服させてあげようと努力されているでしょう。 

 

少し発想を転換して、緑でなく甘い赤ピーマンを食べさせてみましょう。

子供達も苦手だった怪獣「ピーマン」が、大好きなヒーロー食材に変わるかもしれませんね。

 
 コラムニスト情報
水谷俊江
性別:女性  |   職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト

管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。

 

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