落語「目黒のさんま」ゆかりの茶屋坂を歩いてみよう!東京都内お散歩コース (2/2)
江戸時代、この茶屋坂は江戸から目黒に入る幹道の一つで、九十九折の坂道は富士の眺めの良いところだったことから、この地で休憩を取ったようです。
そしてこの坂の上に百姓、彦四郎が開いた茶屋があり、家光や吉宗らが立ち寄り、特に家光が「爺、爺」と彦四郎を呼んだことから「爺々ヶ茶屋」と呼ばれるようになったのです。
以来、将軍が立ち寄った際には銀1枚を与えるのが恒例となったそうです。
驚いたことに、この爺々ヶ茶屋の子孫の方がこの坂下に在住されていて居るそうで、目黒2丁目の島村家で、代々彦四郎を襲名していたとのことですが、現在は止めたそうです。
茶屋坂の頂上へ
そして更に坂道を上がるとこの辺りが茶屋坂の頂上となり、このあたりに「爺々ヶ茶屋」があったものだと思われます。
新茶屋坂
この坂下の道路が「新茶屋坂」というそうで、この道路を北上すると恵比寿方面となります。
この坂下との高低差の景色から、いかにこの茶屋坂が高いところにあったのかが現在でも感じることが出来ます。
したがって江戸時代には富士が望めたというのも、あながち嘘ではなさそうです。
事実、安藤広重も『名所江戸百景』のなかに「目黒爺々が茶屋」を描いているので、眺めの良い景勝地であったのは間違いないようです。
おわりに
落語で名高い「目黒のさんま」ですが、その舞台はリアルとバーチャルがバランスよく配合されたスポットで、秋の日和にでも散策するのも良いかもしれませんね。
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