寒くなったら湯豆腐はいかが?昆布だし、薬味、美味しい水で作るヘルシーレシピの歴史
こんにちは、昆布料理研究家の岩佐 優です。
楽しく食事をとる。
家族で揃ってご飯を食べる、幸せなひと時。
そんな時間を作り出すのは、日々の美味しい食事です。
涼しくなってくると、「湯豆腐」の美味しい季節です。
昆布を敷いた鍋に、お豆腐と水を入れて火にかけて…。
ところでかつお出汁でも椎茸出汁でもなく、なぜ「昆布」なのでしょう?
それが、今回のテーマです。
諸説あるようですが、豆腐が大陸より伝えられたのは奈良・平安時代。
当初は、僧侶や貴族など、少数の特権階級が食べるものだったようです。
本格的に庶民が口に出来るようになったのが江戸時代、この時代になると、当時の料理本「豆腐百珍」や「守貞漫稿」では、湯豆腐が紹介されています。
湯豆腐の起源は、京都南禅寺の精進料理とされています。
お肉を食べない僧侶にとって、豆腐は大切なタンパク源。
皆さんもご存知の通り、精進料理は殺生を禁じられているいるため、出汁は鰹や煮干しではなく昆布・椎茸・大豆などを使います。
なぜ「昆布」なんだろう?と思った答えはここにありました。
現代においても、和食文化は精進料理からとても大きな影響を受けているのですね。
湯豆腐は、とてもシンプルな料理です。
大豆の味、水の味、昆布出汁の味。
どれも、素材の美味しさが決定的に重要です。
これらの素材の味は、とても繊細で優しいものです。
しかし、こういう繊細な物の中に、奥深い世界を感じられる日本人の感覚は、世界に誇れるのではないでしょうか。
関東では昆布・豆腐・白身魚・葱・醤油に浸した九条ねぎを薬味とし、そして鰹節を入れます。
なぜ湯豆腐を作ると、寄せ鍋や水炊きのような、何だか分からない物が出来上がるのか。
鱈とか春菊とか白菜やら白滝、他にも色々入れています。
関西では、あまり具を入れないのです。
京都では醤油をベースにした出汁でいただきます。
そして大阪。是非、皆さんに紹介したいお店があります。
天六にある、上川南店。
入口看板の「湯どうふ・二合銚子」の文字があります。
まず最初に感じるのは、山椒の香と厚めのおぼろが浮かんだこぶ出汁が絶品だということ。
これなら絶対、一丁豆腐がお勧めです。
次に「鉢巻」。
大きめのお銚子(2合銚子)にはしっかり赤い鉢巻が締めておられ、前述の湯豆腐様の「山椒の香とおぼろ昆布が浮かんだ昆布出汁」の価値感を、さらに高める絶対感をお持ちになっているのです。
変わり種の湯豆腐としては、「じゃがいも入り湯豆腐」などはお勧めです。
皮を剥いて輪切りにし、じゃがいもを鍋に入れ豆腐と共に食す。
薬味が決め手です。
これからいよいよ、湯豆腐の出番が多くなりますね。
美味しい湯豆腐で、体も心も温まりましょう。
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