鰹節・削り節の違いって?スーパーの小分けパック「かつおのふし」と、高級国産品「かつおのかれぶし」について

執筆者: 岩佐 優 職業:昆布料理研究家
はじめに

こんにちは、昆布料理研究家の岩佐優です。

今回は、鰹節と削り節の違いをご説明いたします。

 

 

削られた物は小分けパックで買おう

出来れば自分でその都度削るのが理想ではありますが、削った物を買う時は、小分けパックをお勧めします。
と言うのは、削り節は削った瞬間から酸化が進み、30分もすればかなり違います。

大きい袋入りの物は、開けた瞬間から酸素が入り、いくら冷凍庫に入れても酸化します。
ちょっと高くても、小分けパックした物の方が酸化しなくて良いですね。

 

かつおの出汁パックの原材料表示について

一般的に出汁を取るというと、出汁パックを使ったり、削った物を使ったりする方が多いと思いますが、裏を見ると「鰹節」や「削り節」等、表記が微妙に違いますよね。


実は理由が有るのです。

裏の原材料表示を見ると、「かつおのふし(国産)」とか、「かつおかれぶし」と書いてあると思います。
表示上は似ていますが、全く違うものを指しています。

 

「かつおのふし」と「かつおのかれぶし」の違い

簡単に言ってしまうと、前者の「かつおのふし(国産)」は、カツオを茹でて乾燥した物(荒節)を削った物で、製造期間は約1カ月くらいです。

 

後者の「かつおのかれぶし」は、カツオを茹でて乾燥した物に、更にカビ付けし熟成した物(枯節)を削った物です。


このカビによって、身のタンパク質が分解され、うま味成分のイノシン酸やビタミン類が生成されます。
製造時間は数ヶ月から長い物で2年以上です。 

 

売られている削り節のほとんどが「かつおのふし」

カビ付けし熟成した物と熟成していない物では、当然「うま味」の量が全く違うのですが、売っている削り節のパックは、ほとんどが前者の(荒節)です。

荒節の方が、削った時に見た目が綺麗で盛り付けに使われることも多く、安くて使いやすいお値段なので、普及しています。
ただし、旨味という点では少し物足りないかもしれません。
アミノ酸が少ない為、味にパンチはあるが、風味やまろやかさは鰹節に比べると欠ける点が挙げられます。

枯節は、お値段は高いですが、複雑で上品且つ深みのある味わいです。
原材料表示でいう「かつおのかれぶし」と書かれている方です。 

 

「かつおのふし 」だけ産地が表示されている理由
  • 「かつおのふし (国産)」

このように産地が明記してある物は、ほとんどの場合「荒節」です。

  • 「かつおのかれぶし」

このように枯節を削ったものには、産地表示が無い場合が多いのですね。

理由は、枯節は日本国内でしか作っていないため、国産なのが当たり前なのです。

 

 

おわりに

誤解の無いように書きますが、荒節がダメというのではなく、一般的に荒節がメインで普及しているため、本当の鰹節の味を知らない方が多いのです。

違いを正しく理解し、使い分けるようになって頂けたらと思い、ご紹介しました。

また、一度専門店でじっくり相談しながら購入することをお勧めします。
普段使っている物とは違う美味しさに、巡り合えるかもしれません。

 
 コラムニスト情報
岩佐 優
性別:男性  |   職業:昆布料理研究家

昆布料理研究家 岩佐優が目指すのは、
毎日の食卓に昆布料理物語を!
料理家が提案する昆布ライフ!
できるだけ始末して、料理して、
おいしくご飯を食べたいと願う全国の方々に
昆布料理の本物の料理、始末した昆布料理の真髄を提供することです。

安心して召し上がれる食材を選び、旬のものをこの今に味わい、
春夏秋冬ならではの料理を私が作っています。
昆布料理  うさぎや
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