子どもの一生に影響する、基本的信頼感の作り方とは?優しく健やかな大人に成長させる育て方

執筆者: 益満 成美 職業:カウンセラー•心理学講師
はじめに

こんにちは、カウンセラー・心理学講師の益満成美です。


以前、心療内科のカウンセラーをしていました。

小さな子どもから大人まで、たくさんの方と関わって分かったことがあります。
それは、人は何歳になっても、子ども時代の影響を大きく受け続けている、ということです。

 


特に、7歳くらいまでの間に、親や周囲の大人との関わりで無意識に取り込んだ価値観が、その後の生き方や人間関係に大きな影響を与えていると実感しました。
この時期の子どもの心の育ち方を知っておきましょう。

大切な我が子の心に、人生を幸せに生きるためのギフトを届けることができます。

今回は、3歳までの子どもの心と接し方を、心の発達の観点からご紹介します。

 

情緒安定に最も大切な土台作り

最初に、赤ちゃんが生まれた時から持っている「空っぽの2つの袋」についてお話します。


この世に生まれた時、右手と左手に1つずつ、見えない空っぽの袋を持っているとイメージして下さい。

その袋には、人が健やかに生きていくための、宝物を詰めてあげる必要があります。
それではまず、赤ちゃんが最初に必要とする宝物を、片方の袋に詰めてあげることにしましょう。

 

この袋には「基本的信頼感」という名前がついています。

基本的信頼感とは、人を愛し、信頼する心のこと。

生まれたばかりの赤ちゃんから育ち始めています。


 

基本的信頼感の作られ方

赤ちゃんは、泣いたり、笑ったりしながら感情を表現し、お母さんや周囲の人がそれに応えてくれることで、人を信頼するようになります。


気持ちに応えてもらいながら、愛情を注がれた赤ちゃんは、自分の存在が受け入れられていると実感し、人や社会を信頼できるようになるのです


ここで培われる基本的信頼感は、心の深い所に入り、その後の人生を幸せに生きるための土台となります。

 

基本的信頼感の育て方

基本的信頼感を育てるポイントは、親や大人の都合に合わせるのではなく、赤ちゃんが望むように世話をしたり、スキンシップや声掛けで愛情を伝えることです。
そうは言っても、忙しいお母さんが、赤ちゃんの要求にずっと応えるのは難しいですよね。

時間のある時は、できるだけ赤ちゃんの気持ちに応えて、コミュニケーションを取りましょう。

それができない時には「ちょっと待っていてね」と声を掛けたり、姿を見せておく工夫ができると良いですね。

また「待っていてくれてありがとう」と声を掛け、分かりやすい大きな笑顔で包んであげると、安心感を与えることができます。


赤ちゃんが、見捨てられたと言う恐怖や不安を感じないことが大切です。

その安心感が情緒を安定させ、人と関わる力の土台を育てます。

 

 

意志の芽生え

自分を取り巻く世界や人を信頼する力が育った赤ちゃんの心に、やがて意志が芽生え始めます。

個人差はありますが、1歳半くらいから、自分の周囲を知るための行動がスタート。

その時に、お母さんや保育園の先生など、自分を守ってくれる大切な人の眼差しがあることが重要です。
怖い時、不安な時、どうして良いか分からない時。

子どもは、その眼差しを確認して、愛情に包まれ、守られている安心感を体験するのです。

この安心感を何度も体験しながら、子どもは自分の意志にはっきりと目覚めます。

そして、第1次反抗期を迎えることになるのです。

 

おわりに

後編では、赤ちゃんの殻を脱いで、意志のある子どもへと変化する「第1次反抗期」の子どもへの接し方についてお話します。


思春期の親子関係や、心の健康とも関わりの深い、大切な時期の話となります。
ぜひ、引き続きご覧になって下さいね。

 
 コラムニスト情報
益満 成美
性別:女性  |   現在地:鹿児島市  |   職業:カウンセラー•心理学講師

カウンセリングサロンRainbow代表
カウンセラー・心理学講師の益満成美です。

鹿児島でカウンセリング、子育て相談、発達支援などの活動を通して、親子の心と未来が輝く毎日を応援しています。

【ブログ】
元大学の先生が教える「親子の未来が輝く子育て•発達心理学」
http://s.ameblo.jp/naruminoru1224/