おすすめは煮込み料理!キャベツの栄養を効率よく摂る調理方法
こんにちは、野菜ソムリエの我妻飛鳥です。
今回は、山形県の置賜地域で生産される、寒中野菜のキャベツについてご紹介します。
置賜地方では山形県内でも比較的雪が多く、冬場の野菜はそれほど多く生産されておりません。
しかし、この雪と寒さを活用して生産を行う「寒中野菜」の取り組みが行われています。
「寒中野菜」は、11月~12月の積雪前に作物をいったん収穫、寄せておき、そのまま貯蔵・保管されてから極寒期に出荷される高糖度の野菜です。
キャベツは雪の下で気温が氷点下になると、葉のアミノ酸が糖分に変わり、甘みと旨みがぐっと増します。
その糖度は一般のキャベツの倍以上あり、10~11度前後になります。
米沢青果生産者組合 寒中野菜部会では、10年ほど前から寒中野菜の生産に取り組み、いまでは「寒中はくさい」「寒中ねぎ」「寒中キャベツ」の3種類が、高糖度野菜として商標登録されています。
大根やじゃがいもなども、雪の下から収穫されたものは甘みが増して美味しいと注目を集めていますね。
キャベツは古代ギリシャ人も食用とした最古の野菜の一つで、世界的にも一般的に食されている野菜と言えます。
ブロッコリーやカリフラワーも仲間です。
原産はヨーロッパですが、もともとの野生種はケールのような不結球タイプのものでした。
これをケルト人がヨーロッパに広め、現在のような丸い形の結球タイプが生まれたと言われています。
日本へ入ったのは18世紀初頭の江戸時代。
当時はオランダ人が長崎に持ち込んだため、オランダ菜と呼ばれて観賞用に栽培されていました。
食用として広まったのは幕末以降のようです。
今では日本の野菜の生産量で150万トン、大根に次ぐ二位となっています。
ビタミンCやカルシウムなどを含み、胃酸の分泌を抑えます。
消化管のがん予防によいとされるビタミンUは、キャベツ特有の栄養素。
糖質は葉菜類の中で最も多いとされています。
また、キャベツはアミノ酸のうまみ成分グルタミン酸を多く含み、特に寒玉に分類される寒中キャベツは煮崩れしにくいので煮込み料理におすすめです。
煮込むことによってうまみ成分が引き出され、美味しくいただけます。
外葉の緑部分には葉酸やβカロチンも含むので、油との相性がよく、炒めものにおすすめ。
逆に芯の部分にはビタミンCが豊富に含まれているので、汁ごといただけるスープやシチューがお勧めです。
ビタミンCやビタミンEと食べ合わせると、なお効率よく身体に作用します。
上手に使い分けたいものですね。
寒中キャベツの出荷もそろそろ終盤に近づいています。
寒さが生かされて得られるこの野菜のおいしさ、一度生で食べてその甘みを感じていただきたいと思います。
見つけたらぜひ手に取ってみてください。
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