月の写真、綺麗な撮り方は?皆既月食やクレーターも映す撮影方法のポイント (1/2)
今回は、月の撮影についてです。
月を撮影するには様々な方法がありますが、今回は、望遠レンズとカメラ三脚を用いた固定撮影法での撮影について、ご説明します。
必要なものは、200mm程度の望遠レンズと、カメラ三脚です。
リモコンやレリーズなどもあった方が撮影しやすくなりますが、必須ではありません。
望遠レンズは、一般的なキットレンズの55mm-250mm F4-5.6の様なレンズでも十分です。
もちろん、より良い望遠レンズをお持ちなら、そちらをお使いください。
月は、大きいようで、やはり小さいものです。
少しでも長めの望遠レンズで撮るに越したことはありません。
それでも、200mmもあれば、小さいながらも、ちゃんと月のクレーターまで写せますので、ご安心ください。
フジXC55-230mmレンズ 230mmF6.7にて撮影
200mm望遠レンズ程度なら、手持ちでも撮影することが可能です。
しかし、手ブレ防止や、後ほど説明するレタッチ方法なども含めて考えると、やはりカメラ三脚を使った方が確実です。
ピントは、望遠レンズとカメラによっては、中央重点測光を用いることで、AFでのピント・露出でも可能な場合もあります。
上手く行かない場合は、MFにして、ライブビューを用いて、月の欠け際がシャープに見える様に、ピントを調整してみてください。
シャッターは、リモコンがあれば、そちらを使うとブレ防止に役立ちますが、もし無ければ、セルフタイマー機能を使って撮影しましょう。
シャッターボタンを押した時のブレを防ぐことが出来ます。
露出は、オートでは、ややオーバー気味になることが多い様です。
撮影した画像をチェックして、月のクレーターや海と呼ばれる薄暗い模様が写っているかどうかで判断してみてください。
もし、露出オーバーで月が白とびしている場合は、露出時間を短くするか、露出をマイナス補正して撮影します。
できれば、1カットだけではなく、なるべく多く撮影しておくと、後のレタッチで見映えのするように仕上げられます。
さて、天体写真のレタッチ処理の基本として、コンポジット合成を行うのが一般的です。
コンポジット合成とは、同じ被写体を複数回撮影し、位置合わせを行って合成する処理です。
合成というと、合成写真の様で抵抗があるかもしれませんが、科学写真では、『積算』と呼ばれるまっとうな技術です。
カメラの中には、「マルチショットNR(ノイズリダクション)」等の名称で、ノイズ低減に同様の手法が実装されているものもあります。
さて、コンポジット合成ですが、フリーソフトの「Avi Stack」を使って行ってみましょう。
IDLは科学技術計算でよく使われるデータ分析用プログラミング言語です。
AviStackが起動してきます。
ツールバーのアイコンを押して、画像を選択します。
後は自動的にコンポジット合成を行って、合成後の画像をpng形式で、自動保存してくれます。
ただし、PCのスペックにも依りますが、デジタルカメラの多画素画像では、数十分~1時間ほどの時間がかかり、かなり待たされます。
予め、同じ大きさにトリミングしておくと、コンポジット合成処理にかかる時間が大幅に短くなります。
なお、手持ちで、あまりにも大きく回転していたりすると、ソフト側で合成が上手くいかないケースがあります。
カメラ三脚での撮影を推奨します。
http://www.avistack.de/download.html
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銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。
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