うつ病の人とその家族が傷つく接し方、してない?症状を悪化させるNG対応3選

執筆者: 佐藤秀一 職業:精神保健福祉士
うつ病の人にどう接するべき?

こんにちは、精神保健福祉士の佐藤秀一です。

 

うつ病は誰でもなる可能性があります。

基本的に心の病に関しては、「絶対大丈夫」がありません。

 

「自分だけは」と豪語しても、いつのまにか「うつ」を患うこともあります。

だからこそ、予防だけではなく、その後の対応も重要になってきます。

 

今回は「うつ病の当事者への接し方」について、述べたいと思います。

 

 

治療の努力は大切にされるべき

ところで、よく「うつ病」の当事者に対して、「頑張れ」と激励することは奨励されません。

しかし、「努力する」ことはいけないことでしょうか。

 

本人の努力する姿勢を認めてあげよう

よく患者さんから、『「まじめ」と「ちゃらんぽらん」、どっちがいいか』と訊かれます。

どちらの要素も一長一短があり、すぐにどちらがいいか答えるのは難しい質問です。


ただ、病気を克服するには努力しなければなりませんし、その後も健康維持には相当なエネルギーが必要になります。

それを考えれば、基本的に努力することは必要であると言えるでしょう。

 

ですから、本人の努力する姿勢は大切にしなければなりません。

 

周囲がやってしまいがちなNG対応

では、周囲はどう接すればよいのでしょうか。

 

過剰に反応をしない

第1に「過剰」にならないことです。

普通に接することが何より重要です。

 

特に健常者は社会の厳しさを教えようとします。

これは間違った接し方の代表例と言えるでしょう。

逆に距離を置いてしまえば、当事者は孤立し、自殺の危険性が増します。

 

「普通」の「対等な」関係が求められます。

 

お説教をしない

次に説教をしないことも大切です。

 

まるで思想家のように、人間としての「生き方」や「あり方」まで説き始める健常者も少なくありません。

心の病を患うと「生き方」まで否定されることもしばしばです。

 

特に昭和の世代は「説教好き」です。

「話を聴いてあげる」と言いながら、最後は説教になっていることも少なくありません。

 

「育て方」を批判しない

最後に「育て方」を批判する健常者も多いといえるでしょう。

 

「あの時、あのように育てたから」と原因探しや犯人探しをします。

これは無意味どころか、当事者の家族を大いに傷つける行為です。

 

おわりに

「うつ病」は人生の終わりを意味するものではありません。

人生に無駄なことなど何一つなく、うつ病をよい経験として、これからの考え方を変えていけばそれでよいのです。

 

そして、本人が自ら努力することが大切です。

周囲は当事者のよき理解者として、温かい目で接してゆくことが大切です。

 
 コラムニスト情報
佐藤秀一
性別:男性  |   職業:精神保健福祉士
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