ビジネス契約書って絶対必要?不祥事リスクを回避するコンプライアンスのすすめ
こんにちは、ビジネス法務コーディネーター®行政書士の大森靖之です。
このコラムに目を通していただいている方は、契約書をよく目にしたり、ハンコを押しているものと思います。
もし、「ビジネスにおいて、契約書は重要だ」と思われているのなら、ご自身が経営されるビジネス、またはご自身が所属する組織のビジネスが、次のステージに向かっているのではないかと推測します。
ビジネスが軌道に乗れば乗るほど、取引相手の会社の規模が大きくなればなるほど、たくさんの契約書が送られてくるようになると思います。
「創業した当初は、こんなに契約書、契約書とうるさく言われなかったのに、最近はうんざり」と、相談の中で、ある経営者はおっしゃっていました。
なぜ、「契約書、契約書」になるのでしょうか?
「コンプライアンス」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
「企業が、法律や企業倫理を遵守して経営を行う」という意味です。
特に大手企業は、一度法令違反や不祥事を起こしてしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
また、法令違反や不祥事に対する社会からの目が一段と厳しくなってきていて、社員のみならず取引先をも含めて法令違反や不祥事が起こらないように管理する必要性に迫られています。
その一環で、各取引先に対しても法令や倫理を守るように契約書で縛るようになってきているというのが、理由の一つであろうと思われます。
話は変わりますが、先ほどの経営者より、「相手から送られてくる契約書は、売主のウチが不利な内容になっています。ウチから買主に契約書を出しちゃダメなのですか?何か決まりがあるのですか?」という質問を受けました。
結論から言えば、「どちらが契約書を出すか」についての明確なルールはありません。
その経営者の方には、「内容の整った自社の専用フォーマット(雛形)を作り、相手が大手企業であっても物怖じすることなく出せばよいのではないでしょうか」とアドバイスしました。
「互いの信頼関係があるのだからわざわざ契約書は結ばない」という「暗黙の了解」で済ませた時代があったかもしれませんが、状況は一変しました。
コンプライアンスが求められる現在では、たとえ中小零細企業であっても、内容の整った自社の専用フォーマット(雛形)を用意して、きっちりと契約を締結していくべきでしょう。
特に大手企業からは「コンプライアンス体制の整った会社だ。安心して発注できる」とポジティブに評価され、その後の大きな取引につながること事例が多くなってきているように思います。
よりビジネスを発展させていくためには、コンプライアンスへの理解、コンプライアンス体制の強化は、避けては通れない道になってきています。
「コンプライアンス」と聞くと、別の世界の出来事のように感じるかもしれません。
しかし、それを積極的に学び取り入れることが、自身が経営されるビジネスまたはご自身が所属する組織のビジネスを発展させる手がかりとなることもあるということを、頭の片隅にでも記憶しておいていただければと思います。
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