人前で話すとき緊張して失敗ばかり…「ど忘れ・セリフを噛むのが怖い」という人のあがり症対策

プレゼンや発表などで、人前でスピーチするとき「ど忘れしたり、せりふを噛んだりするのが怖い」と思っているあがり症の人は、「成果重視型」タイプかもしれません。自分に自信を持つことを恐れなければ、あがり症は克服できます。

執筆者: 石割美奈子 職業:臨床心理士 メンタルコーチ プロ家庭教師
「成果重視型」のあがり症さんの特徴と対策

こんにちは、 えむ心理研究室の石割美奈子です。

 

プレゼンや発表など、人前に出て話をしたりしなければならないときに、次のようなことが気になる方もいらっしゃると思います。

 

  • 「頭が真っ白になって何もしゃべれなくなるのが心配」
  • 「大事なせりふを噛んだり、とちったりしてしまったらどうしよう」
  • 「原稿は良いものができたけど、発表する自分が緊張しては意味がない」


このような方は、あがり症の中でも他者からの印象を優先し、かつ成果を気にする傾向のある「成果重視型のあがり症」と言えるかもしれません。

 

 

今回は、この「成果重視型」のあがり症さんのあがり症対策を考えてみたいと思います。

 

 

特徴1. 「自信がない」けど「自信家さん」

成果重視型のあがり症さんは、「あがり」や「過緊張」のために「自分に自信がない」とおっしゃる方が多いです。

ですが、実はかなりの「自信家さん」も大勢いらっしゃいます。


「自信家さん」というよりも「もっと自信を持っても全然おかしくない人」、あるいは「実は自信を持っているのに、その自信に自覚がない(もしくは自覚したくない)人」と言ったほうがフィットするかもしれません。

自信を持つことを恐れている理由は?

このタイプの人は、一度自信を持ってしまうと、万が一、自分もしくは他者からの評価が下がったときに立ち直れないと思い込んでいるケースが多いです。
「自分に自信がある」と思ってしまうことを恐れ、避けている節すらあります。

 

 

こんな人は、成果重視型のあがり症予備軍かも!?

なお、いくら成果を出して、それを他者から褒められても、謙遜ではなく本気で「いえいえ、自分など全然ダメなんです」と否定する人は、成果重視型のあがり症予備軍になり得ます。

 

特徴2. 十分に「デキる人」なのに「達成感」が少ない

このタイプの人は、勉強も仕事もかなりデキる人である場合が多いです。
ですが、前述のとおり「自信を持つことへの恐れ」から、「達成感」を抱く体験は皆無に等しいことが少なくありません。

 

達成感が少ないのは、あえて目標をガン上げするから

達成感が少ない理由は、最初に掲げた目標にたどり着く直前に、さらに目標をガン上げする傾向があるからです。

そうすれば、目標を達成するという感覚は永遠につかめません。
不思議な傾向なのですが、おそらく自信を持つことへの恐怖から発生している性質である可能性が高いと思います。

 

失敗体験を“あがり症”のせいにする

あがり症に関しても、例えば次のように考える傾向があります。

 

ほとんど成功したと言えるプレゼンができたにもかかわらず…

⇒「緊張してしまって何度もせりふを噛んでしまったから失敗だ」


発表はちゃんと済んで契約も成立したのに…

⇒「緊張せずにもっと良い提案ができていれば、さらに好条件で契約できたはず」


このように、成功体験やうまくいった体験を、あえて目標をガン上げして失敗体験にしてしまうのです。

このタイプの人が自信を持つのを恐れて、人前で話したときの成功体験を失敗体験にする場合は、あがり症のせいにすることが多いです。

ですので、必然的に「自分があがり症である」という思い込みは増していきます。

 

「成果重視型」さんのあがり症対策

成果重視型のあがり症さん向けのあがり症対策として効果的なのは、次の5点です。

 

  1. 「自分は成果を出している」としっかり自分で認めてあげる
  2. 「一度の失敗や軽いミスで評価がガクッと下がることなんてない」と自分に言い聞かせる
  3. 目標到達の直前でさらに目標をガン上げするのは、自信を持つことへの恐怖である可能性があると考える
  4. なぜ「自信を持つことを恐れるのか」を洞察する
  5. 自信を持つことを恐れない

 

 

おわりに

あなたはもっと評価されていい人です。

他者からだけでなく、あなた自身から。
あなた自身の心と向き合うことを恐れずに、頑張ってください!

 
 コラムニスト情報
石割美奈子
性別:女性  |   職業:臨床心理士 メンタルコーチ プロ家庭教師

えむ心理研究室室長、臨床心理士の石割美奈子と申します!よろしくお願い致します。

スポーツトレーナー、メンタルコーチ、心理相談員の経験を経てさらに心理学を深く学ぶ必要性を感じ、東京国際大学大学院臨床心理学研究科(博士課程前期)を修了。
臨床心理士の資格を得て、心理カウンセラー、メンタルコーチ、スポーツメンタルトレーナー(テニス・バレーボール等)、およびプロ家庭教師として活動しております。

2013年、心理学・教育学・スポーツ科学の統合的な研究と専門性を活かしたメンタルサポートをポリシーとする「えむ心理研究室」を立ち上げました。


【臨床心理士および「家庭教師カウンセラー」として】
心理カウンセラーとしては、精神分析を専門としており、主にカフェにてカジュアルなかカウンセリングを提供しています。
訪問心理療法、オンライン相談も承っております。

また、全国でも珍しい【臨床心理士でありプロ家庭教師でもある「家庭教師カウンセラー」】として、ご近所から遠方にお住いの方まで、幅広く学習支援と心理的な支援を同時にさせて頂いております。

得意な相談内容は以下のとおりです。

・不登校・ひきこもりの方と親御さんの支援
・発達の特性を持つ方と親御さんの支援
・夫婦関係の改善支援
・親子関係の改善支援
・精神分析的リワーク(復職支援)
・職場の人間関係の改善支援

日常生活ではなかなか得られない、心理的な洞察を深める和やかな相談時間をお約束します。

日本では「カウンセリング」というとまだまだ抵抗のある方も多いかと存じますが、より充実した日々を送るためのツールのひとつととらえて頂ければ光栄です。
どうぞお気軽にご相談ください。


【メンタルコーチとして】
スポーツ選手の方、
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コミュニケーションに課題を感じる方を対象に、
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勝利のために、夢を叶えるために、より良い対人関係のために。

精神分析を主軸とした自己洞察やイメージトレーニング、ロールプレイングなどを通じて一緒にがんばってまいります




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