「あがり」「緊張」を引き寄せて、ますますあがり症に!ネガティブな思考にハマりやすい人のあがり症克服法

「◯◯な場面ではひどく緊張するに決まってる」とネガティブに考えて、自動的に「あがり」や「緊張」状態に陥っていませんか?そんな思考パターンを持つ人向けのあがり症対策・克服方法を紹介。

執筆者: 石割美奈子 職業:臨床心理士 メンタルコーチ プロ家庭教師
あがり症の原因と克服のコツ(対象:思考パターンによる あがり・緊張 引き寄せ型の人)

こんにちは、 えむ心理研究室の石割美奈子です。


以前のコラムで、「あがり症を克服したいからメンタルを鍛えたい」という思考を持っている人は「思い込みの強い思考優先タイプ」と分類しました。

 


今回は、「思い込みの強い思考優先タイプ」の中でも、「思考パターンによる引き寄せ型」の人のあがり症対策・克服方法についてお話しします。

 

 

場面と体験の因果関係にハマりやすいために起こるあがり症

「あがり症なのはメンタルが弱いから」といった因果関係にハマりやすい、「思考パターンによる『あがり・緊張』引き寄せ型」。
このタイプの人は、「場面」と「体験」の因果関係にもハマりやすいのがキーポイントだと思われます。
「場面」と「体験」が非常に強く結びついてしまっていることが多いのです。

「◯◯な場面ではひどく緊張するに決まってる」

 

こう思っていませんか?
わかりやすいように、場面と体験が結びついてしまっている例を挙げてみましょう。

  • 「プレゼンは苦手。次のプレゼンも絶対緊張しちゃうに決まってる」
  • 「大勢の人の前で話すなんて無理。学生時代も何度も緊張で失敗したし」
  • 「合コンでまともに話せたことがない。きっと次の合コンでもあがっちゃうんだろうな」


こんな具合に、「特定の場面におけるネガティブな体験」が「◯◯なシチュエーションでは▲▲する」という思考パターンを形成しているのです。

 

 

ネガティブな「引き寄せ」の法則…自動的に「あがり」状態「緊張」状態に!

この思考パターンが出来上がってしまっていると、自動的に「あがり」状態や「緊張」状態に陥ってしまいます。
「陥る」というよりも「引き寄せる」というほうがよりフィットするかもしれません。

「あがりたくない」「緊張したくない」…けれども、場面と体験が強く結びついた思考パターンがあがりや緊張を呼び寄せてしまうのです。

「あがらないようにしよう」「緊張すると思わないようにしよう」と努力するのはちょっと待って!

このタイプの人は真面目な頑張り屋さんが多いです。
「あがると思わないようにしよう」「緊張すると思わないようにしよう」と常に努力しがちですが、気をつけたほうが良いかもしれません。
先述のとおり、このタイプの人は「場面」と「体験」による思考パターンが出来上がりやすいためです。

このタイプの人は、「あがると思わないようにしよう」と努力していたのに「また」あがってしまうと、こう思います。

  • 「あがると思わないようにしようとしていたのに、またあがってしまった…」
  • 「緊張しちゃダメと思っていたのにまた緊張してしまった…」

 

そうなると、場面と体験の結びつきがさらに凝固し、強化されてしまいかねません。

 

 

「思考パターンによる引き寄せ型」の人は、場面と体験の結びつきを解こうとして、逆に「またダメだった」という場面と体験が重なってしまうとネガティブ体験を積み重ねることになってしまいます。
すると、ますますあがり症が発生しやすくなるのです。

次の機会からは「あがらないようにしよう」「緊張すると思わないようにしよう」という思いすらも「あがり」「緊張」を喚起しがちになってしまいます。

「思考パターンによる引き寄せ型」の人のあがり症対策・克服方法

では次に、どのように改善・対処していったら良いか考えてみましょう。

「自己否定癖」をストップ!ありのままの自分を受け入れて

今この記事を読んでくださっている方の中で、「自分はこのタイプに当てはまるかも…」と感じておられる方は、「そんなネガティブな思い込み&引き寄せ状態にハマってしまった自分はもうダメだ!」なんて思っているのではないでしょうか。

その「ダメな自分を否定する癖」を断ち切っていきましょう。

ありのままの自分を受け入れること。
それこそが、第一歩です。

自責の念がさらなる「あがり」「緊張」に

基本的に、あがり症の人は「自信の持ち方」に課題があります。

  • 「ネガティブなことばかり思っている自分はダメだ」
  • 「失敗ばかりする自分はダメだ」

 

そんな「自責の念」はさらに「あがり」「緊張」を引き寄せがちです。

 

自分を自分でゆるしてあげよう

言い方はよくないかもしれませんが、この「思考パターンによる引き寄せ型」の人は自分をゆるすことが下手な人です。
ですから、毎回大してあがってもいないのに「あがってしまったから失敗した」「ドキドキしてきた、もっとあがってきちゃったらどうしよう」といった自分をゆるすことができずに余計あがり、緊張し、場面と失敗体験の結びつきを強めて自滅してしまうのです。

 

あがることも、緊張することも、悪いことじゃない!

あがっちゃダメ、緊張したくない、という思いを一度捨てましょう。
「あがってもいいよ」「緊張しても大丈夫だよ」と言ってくれるもうひとり自分を、自分の中に作るイメージを持ってみてください。

 
 コラムニスト情報
石割美奈子
性別:女性  |   職業:臨床心理士 メンタルコーチ プロ家庭教師

えむ心理研究室室長、臨床心理士の石割美奈子と申します!よろしくお願い致します。

スポーツトレーナー、メンタルコーチ、心理相談員の経験を経てさらに心理学を深く学ぶ必要性を感じ、東京国際大学大学院臨床心理学研究科(博士課程前期)を修了。
臨床心理士の資格を得て、心理カウンセラー、メンタルコーチ、スポーツメンタルトレーナー(テニス・バレーボール等)、およびプロ家庭教師として活動しております。

2013年、心理学・教育学・スポーツ科学の統合的な研究と専門性を活かしたメンタルサポートをポリシーとする「えむ心理研究室」を立ち上げました。


【臨床心理士および「家庭教師カウンセラー」として】
心理カウンセラーとしては、精神分析を専門としており、主にカフェにてカジュアルなかカウンセリングを提供しています。
訪問心理療法、オンライン相談も承っております。

また、全国でも珍しい【臨床心理士でありプロ家庭教師でもある「家庭教師カウンセラー」】として、ご近所から遠方にお住いの方まで、幅広く学習支援と心理的な支援を同時にさせて頂いております。

得意な相談内容は以下のとおりです。

・不登校・ひきこもりの方と親御さんの支援
・発達の特性を持つ方と親御さんの支援
・夫婦関係の改善支援
・親子関係の改善支援
・精神分析的リワーク(復職支援)
・職場の人間関係の改善支援

日常生活ではなかなか得られない、心理的な洞察を深める和やかな相談時間をお約束します。

日本では「カウンセリング」というとまだまだ抵抗のある方も多いかと存じますが、より充実した日々を送るためのツールのひとつととらえて頂ければ光栄です。
どうぞお気軽にご相談ください。


【メンタルコーチとして】
スポーツ選手の方、
難関校合格を目指す大学受験生さん、
コミュニケーションに課題を感じる方を対象に、
メンタルコーチングをさせて頂いております。

勝利のために、夢を叶えるために、より良い対人関係のために。

精神分析を主軸とした自己洞察やイメージトレーニング、ロールプレイングなどを通じて一緒にがんばってまいります




コラムlatteでは心理学関連の記事を担当させていただきます。
ご覧くださった皆様にひとつでも参考にしていただける部分があるような、皆様の役に立つ記事を書き続けてまいります!


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