契約書の作り方は「取引先に対する愚痴・不満」から!自分で契約書を作る時のコツ
こんにちは、ビジネス法務コーディネーター®行政書士の大森靖之です。
近ごろ、契約書に対する企業の意識の高まりを感じることが多くなっています。
取引の引き合い段階だというのに、いきなり契約、具体的には秘密保持契約書(NDA)などの締結を求められることはないでしょうか?
これは10年ほど前までは、あまり一般的ではありませんでした。
その背景には、続出する企業不祥事によるコンプライアンス意識の高まりや、民法改正に向けた動きなどが考えられます。
加えて、近年は、マイナンバー(社会保障・税番号制度)などの新しい制度が続々と開始され、企業経営においてビジネス法務という分野は、避けて通れなくなってきています。
このような時代の変化に伴い、以前は信頼関係に基づいた口約束で済ませていた相手でも、今後はきちんと契約書を締結していきたいと考える企業が多くなってきています。
しかし、契約書の作成に慣れていない企業の場合、いざ契約書を作ろうとしたときに「何をどのように考え、文章に落とし込んでいったらよいのか?」について悩まれるケースも多いようです。
このようなご相談があった時には、「まずは取引先に対する“愚痴”を洗いざらい挙げてみるところから始めてください」とアドバイスします。
そうすると、例えばこのような「愚痴」が挙げられてきます。
- 指定の支払い期日を守らない
- 請求書を出すと値切られる
- (著作権などの)権利はこちらにあるはずなのに、勝手に使われてしまっている
こうして「愚痴」を集めてみると、契約書の「あらすじ」が見えてくるのではないでしょうか?
改修案件がいまだにフロッピーディスクで送られてくる…
さらに、この「愚痴」を集める作業は、社内のすべての部門を巻き込んでやって方がよいと重ねてアドバイスします。
経営者は経営者の、営業部門は営業部門の、技術部門は技術部門の、製造部門は製造部門のそれぞれの「愚痴」があります。
その過程で社内のコミュニケーションが活発になり、業務改善につながることもあります。
私は、ここでいう「愚痴」とは、「現実と理想とのギャップ」と考えています。
契約書を作成する際には、いかに理想のお客様になっていただくかということをゴールに作成されてはいかがでしょうか?
その際、自社の利益のみ追及する内容になることだけは、避けたいものです。
契約書は自社と取引先とのローカルルールが書かれた「ルールブック」とはいえ、取引先に理解してもらえなければ機能しませんし、その前にハンコを押してもらえません。
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