どの企業も欲しがる共通能力とは?就活生が面接で自己PRすべき「想像力」の重要性
こんにちは、人事戦略コンサルタントの藤田美智です。
前回のコラムでは、「企業が求める人材像に惑わされないように」という話をしました。
今回は、それに関連し、どの企業においても歓迎される「能力」についてお話ししたいと思います。
高速道路の中央道で、何年か前に、トンネルの天板が落下するという事故がありました。
記憶に留めている方も多いことでしょう。
ところが最近、同じ会社の管理する東名道で、今度はトンネルの照明器具が落下するという事態が発生しました。
ともに、大惨事に繋がるような危険な話です。
この二つの話を考えてみると、道路の管理会社に欠如している「能力」が浮かび上がってきます。
その欠けている能力とは、「想像力」です。
落下した天板を吊り下げていた部品が金属疲労を起こすとともに、取り付けていた箇所のコンクリートが経年劣化して、もろくなっていたことは、天板落下後の調査で明らかになっていました。
新聞記事には、照明器具を今年度中に交換予定だったとありますが、天板落下事故は2012年ですから、すでに3年も経過しているのに、この有様なのです。
想像力のかけらもないと言わざるを得ません。
人の命を預かっているという想像ができないのです。
企業は、もう一つの〈ソウゾウリョク〉である「創造力」を持つ人材の発掘に、これまで非常に力点を置いてきましたが、これからは「想像力」を持つ人材の開発に迫られることになります。
東芝は不適切な会計処理の問題が発覚し、窮地に追い込まれています。
関係者は、何年か前のオリンパスにおける問題の推移を見ていないわけはありません。
想像力が欠如しているのです。
企業において、新たな取り組みは、発展のために欠かすことはできません。
企業が成長する過程において、新しい事業、新しい組織、新しい販促策等、新たな取り組みに、企業は「創造力」を駆使して取り組みます。
しかし、その取り組んだ結果がもたらす余波の隅々にまで「想像力」を巡らすことを怠ると、大きなリスクを背負い込むことになります。
私のイメージする「想像力」とは、「実際のデータと経験に基づいて描かれる仮定と推論を導く能力」とでも言いましょうか。
企業でいうと管理部門において、その能力は大いに評価されることとなります。
例を挙げて説明しましょう。
研究開発部門が、創造力を発揮して、画期的ともいえる新素材を開発し、新商品を発売することになりました。
新商品の「名称」「発売時期」「価格」「売上」「販売促進」「原料調達」「原価」「利益」「製造」「物流」等をどうするのか、これが各部門の管理畑にいる担当者が「想像力」を大いに発揮させて実現していく仕事になるわけです。
そのために、人員を増やすといっても、そう簡単に人材の採用ができるわけでもありませんし、ましてや現行の人員、現行の設備を活用することが原則などという条件がついたりすることもあります。
ある意味、企業の仕事とは、与えられた条件と環境の変化を読み取りながら、必要事項の優先順位付けを変化させ続けていくことなのです。
その判断の基となるのが「想像力」であり、常に仮定と推論を繰り返しながら、現実の課題に向き合っていかなければならないのです。
「常に変わり続ける環境に対応するために、発生する問題に対して気遣いのできる力」と換言することもできます。
企業という組織にとって、目的を達成するための部門間衝突は避けられません。
想像力を発揮し、部門間の摩擦を最小限にとどめ、目標実現に向けて、さまざまなリスクを事前に排除していかなければならないのです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という話がありますよね。
突飛な話がこじつけのように続くので、笑い話のように扱われることもありますが、企業がリスクを事前に排除しビジネスを成功させるためには、その程度の想像力は駆使する必要が充分にあります。
「想像力」があれば、少しでも可能性のある障壁をリスクの大小で優先順位付けし、事前に排除することができます。
皆さんの持つ「想像力」。
面接でアピールしない手はありません。
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こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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