サビ残、社畜つらすぎる!「残業が当たり前」の職場環境でも出来るメンタルヘルス対策
心理カウンセラー解説!月80~100時間を超える残業により過労死や自殺者が増加していることから、長時間労働やサービス残業対策が本格化!社員と会社両方で改善していきましょう。
こんにちは、心理カウンセラーの宮本章太郎です。
政府が「働き方改革」としてこれまでの働き方に対する見直しを進めてます。
長時間労働や過労死が社会問題になっているように、従来の働き方や労働条件といった仕事のあり方そのものを改めて考え直してみる必要があると思います。
政府が打ち出している働き方改革の方針としては、非正規社員の正規雇用化や労働賃金の見直しなど、労働条件に関わる表面的な課題が主ですが、人間関係を始めとした実際の職場環境の改善を優先しなければ、いくら労働条件だけ優遇したところで、今までの勤務状況は何も変わらないでしょう。
つまり、環境の改善ではない「条件のみの改革」では、「長時間労働の是正」といった働き方改革が掲げる理想の形には繋がらないということです。
過労死の問題が度々ニュースにもなっているように、その原因の一つとして考えられる「残業時間」という曖昧な概念の意識改革に取り組んで行く必要があります。
働き方改革の中でも大きな課題になっており、長時間労働や過労死を防ぐ観点から、残業時間を減らして早めの帰宅を促す取り組みが進められてはいます。
あの電通でさえ、過労死事件を受け、10時には消灯し、深夜残業を禁止となりました。
ですが、業種によってはもちろん、雇用形態や資産など、規模によっても企業ごとに条件が違いますから、単純に残業を減らすことが企業や労働者にとってメリットになるとは限りません。
基本給が低く残業代で稼いでいる人は、残業が禁止になれば暮らしていけないという声もあります。
しかしながら、残業がメンタルに及ぼす影響については、デメリットが大きいと言えます。
まず規定の勤務時間を超えての労働(いわゆる残業)は、心に悩みを抱えてる状態で言えば、物事にメリハリがないのと同じ状態と言えます。
つまり、過去に終わった問題であってもいつまでも忘れられず、ずっと同じ悩みを抱え続けてるような状態です。
このような状態で仕事を続けていても、ただダラダラと時間を過ごしてるだけになり、いくら残業をしたところで仕事が捗るどころか、効率の低下に繋がります。
⇒ 肉体と脳疲労により、ミスやモチベーション低下が起きやすくなる。
⇒ 上記が続くとメンタル面への影響から効率が悪くなる。
⇒ やがてはうつ病などの精神疾患を患う。
⇒ 退職へと追いやられる。
また、企業側にとっても非効率化した、いわゆる問題社員を抱えることとなり、成果を上げられなくても残業代などの賃金は払い続けなければなりません。
残業代が支払われない場合は、社員のモチベーション低下に直結するほか、労基への通告などリスクも出てきます。
最終的にそういった社員との雇用契約の解消といった事態にもなれば、企業体質を疑われて、全体的な企業イメージの低下にも繋がりかねません。
今はSNSやネットで職場環境はすぐにシェアされてしまいます。
社員のメンタル面への影響やモチベーション維持のためにも、なるべく残業せずに済むような労働環境を整えたり、残業をしないことへの罪悪感がないよう、意識的に働きかける取り組みが必要です。
もちろん、余暇の過ごし方についても、働き方改革の一環として大切なことです。
せっかくの休日に業務連絡をしたり仕事を持ち帰るなど、常に仕事のことで頭がいっぱいの状態では、残業をしてるのと同じで、やはりメンタルへのデメリットになるのは言うまでもありません。
このように、しっかり休暇を与えず、福利厚生の行き届いていない企業のもとで働く社員にとっては、社会貢献や働く意義が見いだせず、モチベーションの低下を招くばかりか、精神的に病んでしまい、先程お話したような双方にとってのデメリットになってしまうわけです。
残業は禁止になったが仕事量は減っていないという嘆きも多いようです。
企業としては、労働条件や形だけの取り組みではなく、従業員の福利厚生や長時間労働の是正に真摯に取り組まなければなりません。
労働者を使い捨てするような「ブラック企業化」の要因になりますので、気を付けたいものです。
労働者側が自身で出来る対策としては、仕事と休暇でしっかりメリハリをつけて休むことです。
休暇中に仕事のメールを見たり、送ったりするのはよくありません。
また、休日出勤や残業を強いるなど、劣悪な労働環境で過労死の危険を感じるようであれば、決して泣き寝入りをせず、行政が設置する相談窓口などに労働相談するように心がけてください。
「長い時間働く = 一生懸命仕事をしている」と考える風潮がまだ残っている職場もあるかもしれません。
残業は、短期的であればメリットがあるかもしれません。
残業代が入り、業務も消化できます。
ですが、長期的に見ると、今回お話ししたように、デメリットの方がはるかに大きいです。
業種や職種によっては、どうしても残業が発生することもあるでしょう。
その場合も仕事を終わらせて早く帰り、オフの時間を大切にすることをお勧めします。
それが、あなたのためでもあり、ひいては会社のためにもなるのです。
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