秋の夜は「明けの明星(金星)」を観測してみて。カシオペア座から探す「北極星」の探し方

秋の天体観測のコツは「北極星」と「金星」!初心者でも簡単な、カシオペア座から探す北極星の見つけ方と、明けの明星の探し方をご紹介します。

執筆者: 宇都 正明 職業:天体観測アドバイザー・星空案内人
秋の夜長に!「北極星」と「金星」の見つけ方

秋になると夜が長くなるので、ゆっくりと星空観望を楽しむことができますね。

空気も澄んでくるこの季節は、天体観測に最適です。

 
秋の夜長に、星空を眺めてみてはいかがでしょうか。

カシオペア座から「北極星」を探す方法

カシオペア座から「北極星」を探してみましょう。

北斗七星から探すよりは少し複雑になりますが、実際の星空で見ると、そう難しいわけではありません。


下の写真を見ながら辿ってみてください。

 

 

  1. まず、カシオペア座を結ぶ外側の2線を伸ばしていきます。
  2. そこの交点(緑色の線で結んだところです)から、カシオペア座の真ん中の星を結んで、「約5倍」伸ばしていきます。
  3. そうすると、ひとつの明るい星にたどり着きます。

 

これが北極星です。


説明を聞いただけでは難しく感じるかもしれませんが、実際の星空の下では簡単に見つけられます。

ぜひ探してみてください。

カシオペア座と北斗七星

カシオペア座は秋の星座。

対して、北斗七星を含むおおぐま座は、春の星座に分類されています。

 


上の写真を見ると、ちょうどカシオペア座と北斗七星は、北極星を挟んでほぼ正反対の方向に見えることがお判りいただけると思います。


昔の船乗り達は、春~夏にかけては「北斗七星」から、秋~冬にかけては「カシオペア座」から北極星を辿ることで、方角を見定めていました。


スマートフォンのGPS機能が利用できる昨今ですが、星空からも方角を知ることができると知っておくと、万が一の時に役立つことがあるかもしれませんね。

明けの明星「金星」を見上げてみよう

秋の夜長。

秋も深まり、日の出もすっかりと遅くなってきました。

2015年秋。朝、6時頃。

 

東の方角に、明るくなりつつある空に負けじと、明るく輝く星があります。
明けの明星、金星です。

 


日本では「明けの明星」と呼ばれてますが、海外でも「モーニングスター」と呼ばれ、昔から親しまれてきた星です。

 

早起きした時は、東の空を見上げてみてください。
2015年中は、東の空に明けの明星として輝いていますので、ぜひご覧になってください。

惑星は移動する

惑星は、太陽系の仲間で、地球と同じ様に、太陽の周りを回っています。
地球と惑星の軌道の位置関係で、惑星は星座の中を動いていきます。

 

「惑星」という漢字が表す様に、「惑い星」、つまり常にその位置を変えては、人々を惑わしてきた星というわけです。

 

 

上の写真は、上記の『明けの明星「金星」』でご紹介した写真の3週間前に撮影したものです。
この時は、ちょうど金星と木星が並んでいましたが、2つの写真を比較してみると、3週間も経つと、どの惑星も、ずいぶんと位置を変えているのが判りますね。


この様に、惑星は常に星座に対して移動していき、星空の印象を変えていきます。
惑い星と呼ばれる所以です。

とはいえ、惑星は明るく輝き、とても魅力的な天体です。
もし機会があれば、公共天文台で見せてもらいましょう。

 

金星は、天文台開催の昼間の星観会で見せてもらえることも

特に金星は明るい為、昼間の一般公開でも見せてもらえることがあります。
望遠鏡で見ると、月の様に欠けた姿をしています。

 

 

おわりに

今回は、カシオペア座からの「北極星の探し方」と、この秋、明け方に輝く星「金星」についてご紹介しました。
少しばかり早く起きた日には、ぜひ、夜明けの空に輝く明けの明星を探してみてください。

 
 コラムニスト情報
宇都 正明
性別:男性  |   職業:天体観測アドバイザー・星空案内人

銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。

 

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