考え方の癖、ついてない?うつ病治療に効果的な「認知行動療法」とは (1/2)
うつ病やパニック障害、不安など精神疾患でお悩みの方は、「認知行動療法」に基づく心理カウンセリングが効果的かも。考え方を変えるとメンタル不調も改善されていくかもしれません。
こんにちは、心理カウンセラー藤田洋子です。
心理学を勉強すると、必ずと言っていいほど「認知行動療法」を学びます。
認知行動療法は 物事の受け取り方や捉え方を修正して、落ち込みや気分の改善、行動の改善を目的とした治療法です。
心理療法の中でも、特にうつ病の治療に効果があると言われています。
では 具体的にどのような治療法なのかを見ていきましょう。
認知行動療法の特徴
認知行動療法は、アメリカの臨床心理学者のアルバート・エリスが提唱した「理論療法」というものが基になっています。
その考え方とは、「人の悩みというものは、出来事そのものが原因ではなく、その人の出来事に対する認知、思考から生じている」といる理論です。
認知とは、出来事や物事、人に対してどのような認識や考え方によって、どのような判断をしているかという過程です。
その受け取り方、捉え方がどうであるかが認知です。
否定的な感情が起こる時、人は過去や成育歴、他人のせいなどと、外側に問題があると考えます。
また、自分のせいだと自責の念に駆られることも多くなります。
ですが、過去や成育歴、他人や自分のせいにしても、問題が長引くだけであり、責任追及をしているだけでは解決しません。
そこで、「今現在の認知や思考」にどのようなものがあるのかということに着目します。
そういう意味で、認知行動療法は、問題解決思考型であり、教育的な要素がある療法なのです。
人の認知は、出来事があり、自動思考と呼ばれる自然に出てくる考えがあり、それによって感情が出てきます。
この自動思考が認知であり、認知を変えればその後の感情も変わってくるのです。
カウンセリングでは、認知行動療法を使い、クライアントが事実をどのように認識しているかを見ていきます。
そして、それは事実に沿った考え方であるかどうかを、カウンセラーと共に検証していきます。
認知行動療法には、「ホームワーク」という家での課題があります。
その課題について、面談で一緒に話し合うという作業をしていきます。
この課題では、クライアントがどのような受け取り方や捉え方をして、どのような考え方があるかというのを、クライアント自身で向き合う事が出来ます。
例えば、仕事で「私はいつも上司に怒られる」といった思いがあるとします。
上司の前に立つとまた怒られるのではないかと緊張し、自分が否定されたような気持ちになります。
また、上司は私のことが嫌いなんだと思っています。
このような思いで仕事を続けていくのは、苦しくて辛いものです。
「私はいつも上司に怒られる」という思いは、事実でしょうか?
「いつも」とは、毎日、どんな時もという事です。
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