高齢者を無期雇用するメリットは?助成金・対象・申請方法

平成28年度より「高年齢者雇用安定助成金」に新設された「高年齢者無期雇用転換コース」。助成金や対象労働者、申請方法を紹介。

執筆者: HRプラス社会保険労務士法人
高齢者を無期雇用した場合のメリットは?

こんにちは。さとう社会保険労務士事務所の一安裕美です。

 

高年齢者の雇用環境の整備を行った企業に対しても各種助成金が受給できることは、既にご存知の方も多いと思います。

「高年齢者雇用安定助成金」というものです。

 

今回は、平成28年度、新たに設けられた「高年齢者無期雇用転換コース」をご紹介したいと思います。

 

 

どんな助成内容なの?

この助成金は、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を、無期雇用の労働者へ転換させた事業主に支給されるものです。

対象となる有期契約労働者

次の1から5までのすべてに該当する有期契約労働者が対象となります。

 

1. 転換日(=有期契約から無期契約に変更となった日)において、雇用される期間が6ヶ月以上で50歳以上、かつ定年年齢未満である。


2. 労働契約法第18条に基づき、労働者からの申込によって無期雇用労働者に転換した者ではないこと。
※有期労働契約が、繰り返し更新されて5年を超えたときは、労働者の申込により、期間の定めのない労働契約に転換できるというもの


3. 無期雇用の労働者として雇用することを前提として、雇入れられたものでないこと

 

4. 転換日の前日から過去3年以内に、この助成金を申請する事業主の事業主に無期契約労働者として雇用されたことがない者であること

 

5. 支給申請日に、本人の都合による離職以外の離職をしていないこと

 

いくら助成してもらえるの?

対象となる労働者1人あたり、「50万円(中小企業事業主以外は40万円)」が支給されます。
※ただし人数に上限があり、1支給申請年度で1適用事業所あたり10人までとなります。

申請方法は?

この助成金は、各都道府県の支部高齢・障害者業務課が窓口となります。

支部の窓口にあらかじめ「無期雇用転換計画書」を提出し、その後高齢・障害・求職者雇用支援機構本部から認定を受けます。

 

認定後、有期雇用者を無期雇用に転換し、6ヶ月間賃金を支給した日の翌日から2ヶ月以内に支給申請書と添付書類を各都道府県の支部に提出をします。

 

助成金を受給できない事業主

この助成金に限ったことではありませんが、次のような事業主は支給の対象となりません。

 

  • 過去3年以内に助成金を不正受給した事業主。
  • 過去の労働保険料を納入していない事業主。
  • 過去1年間に労働関係法令違反がある事業主、など。

 

おわりに

この助成金のポイントは、対象となる有期契約労働者の年齢が、「50歳」以上と比較的若い年齢層である点ではないでしょうか。

定年が65歳の事業所で、50歳の人材を雇い入れた場合、あと15年も活躍してもらえます。

 

  • 最近の売手市場で、なかなか良い人材が集まらない。
  • 若年層を一から教育・訓練することに時間や費用を割けない。

 

こんなお悩みをお持ちの会社は、少し年齢層の高い人材の活用を検討されてはいかがでしょう。

 
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