投資に勝つ心理状態とは?感情に左右されずお金を増やす「行動ファイナンス理論」後編 (1/2)
投資でお金を増やす際においても、人間は感情に左右されています。感情に流されないために必要な「行動」と「ルール」について解説します。
こんにちは、国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。
前回は「人間は常に、合理的に行動するとは限らない」という行動ファイナンスの代表的な考え方「プロスペクト理論」を紹介しました。
では、現実の投資の場面において、この考え方がどのように表れてくるのでしょうか。
投資に見られる「感情に基づく行動」
一般的に、利益が出ている場面においては、早目に利益確定に走りやすい傾向が見受けられます。
実現できている利益を逃したくない、損をしたくない(損した気分になりたくない)という心理が働いています。
逆に、含み損がある場合は、なかなか損切りすることができません。
その損失を、現実として受け入れたくない。
そのような気持から、ついには塩漬けとなり、どうにもならない状態に陥る傾向があります。
以上のことから、人間の感情に基づく行動として「利益は少しで確定してしまうのに、損失は確定する勇気がないため大きく膨らみやすい」という傾向が読み取れます。
では、このような人間の心理状態で、投資に勝つことができるのでしょうか。
人間の感情とは「逆の行動」が必要になる
言うまでもなく「利益は小さく、損失は大きく」では、勝てるはずがありません。
では、勝つためにはどうしたら良いのでしょうか。
答えは簡単。
その逆を行えば良いのです。
すなわち「利益はなるべく大きくしてから受取り、損失はなるべく早いうちに確定させる」ということです。
しかしながら、現実には、そう簡単に行うことはできません。
なぜなら「人間の感情(心理)」と、全く逆の行動をとらなければならないからです。
そこで必要になるのが、人間の感情に左右されるのを防ぐ「ルール」なのです。
例えば、このようなルールを設定してみましょう。
「利益が20%出たら、半分売って利益確定させ、残り半分はさらに値上がりを待つ。ただし、利益率が5%を切ったら自動的に売る。」
このルールに従えば、20%の利益のうち10%は確定させ、残り10%の利益が5%にまで低下したら売る。
それによって、最低15%リターンを確定できます。
もちろん、残り10%の利益がさらに伸びて、30%、40%になるかもしれません。
損失に関するルールの例を紹介します。
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投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。
■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他
■メディア実績(執筆、取材など)
・日本経済新聞 、日経ヴェリタス
・納税通信、税理士新聞
・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など
■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)
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