マンション・アパート経営で毎月かかる経費「管理費」と「修繕積立金」とは

不動産投資の利回りに影響を与えるコスト(経費)について解説。今回は、毎月かかる日常的な経費である「管理費」と「修繕積立金」を取り上げます。積立金が相場に比べて安い物件は、一見お得に見えますが、後々ツケが回って来るケースもあるので要注意!

執筆者: 荒川雄一 職業:国際フィナンシャルコンサルタント
不動産投資にかかるコストとは?(その1)

こんにちは、国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。

 

さて今回は、不動産投資にかかるコスト(経費)について考えてみたいと思います。
収益物件の購入を検討する際、ついつい利回りや物件価格に目を奪われがちですが、物件を維持するためには、必ず必要になるコストがあります。

 

不動産の維持コストの種類

不動産の維持コストとしては、「毎月かかる日常的な経費」や「臨時の経費」、そして「税金」などがあります。

 

毎月の経費
  • 管理費
  • 修繕積立金など

 

臨時または定期的な経費
  • 退去時のリフォーム費用
  • エアコンや給湯器などの修繕・交換費用
  • 火災保険料など

 

税金
  • 固定資産税
  • 都市計画税など

 

次に、毎月かかる日常的な経費について、より具体的に見ていきましょう。

 

毎月かかる日常的な経費
(1)管理費

管理費とは、建物の管理会社などに毎月支払う建物のメンテナンス費用です。

 

分譲マンションなどの区分所有者となった場合には、日常の清掃業務や消防設備・エレベーターの点検、共有部分の水道光熱費、また、管理人の人件費などのために必要な経費です。

ワンルームマンションを購入し、賃貸するようなケースが、該当します。

 

また、一棟のマンションやアパートに投資した場合には、その「物件管理(プロパティマネジメント)」を依頼した会社への支払いなどがこれにあたります。

(2)修繕積立金

修繕積立金とは、将来の修繕工事に備えた積立金のことです。

分譲マンションの場合には、毎月積立金を各区分所有者から集め、将来の大規模修繕などに備えます。

 

 

修繕積立金が安すぎる物件には、要注意!

注意しなければならないのは、近隣相場に比べ、極端に低く設定された修繕積立金の場合です。

 

将来的に「積立金の増額」や「追加の負担金」を求められるケースも

なぜ、積立金を低く設定するのでしょうか?

それは、投資用マンションの場合、利回りを高く見せるためです。

 

投資における実質利回りは、家賃収入から管理費や修繕積立金を差し引いた金額で算出するため、修繕積立金の額が小さければ利回りも高く表記することができるからです。

 

しかしながら、低く設定されたままの積立金では、大規模修繕に必要な金額を賄いきれないため、将来的には積立金の増額や、修繕時に追加で負担金を求められるケースもあるので、注意が必要です。

 

次の二つの物件、どっちを選ぶ?

例えば、管理費と修繕積立金の合計が、毎月2万円の物件が、2つあったとしましょう。

  • 物件A 管理費13,000円 修繕積立金  7,000円  計2万円
  • 物件B 管理費  7,000円 修繕積立金13,000円  計2万円


さて、オーナーにとっては、どちらの物件が良いのでしょうか?

管理費は、原則管理会社が受け取る毎月の維持コストです。
それに対して、修繕積立金は、将来のコストのための積立です。


従って、毎月の「管理品質」に大きな違いがないのであれば、物件Bを選んだ方が将来のコストに対する備えがあるということになります。

 

一棟のマンション・アパートを保有するオーナーは、どう備えるべき?

また、一棟のマンション・アパートを保有するオーナーの場合には、自分自身で、将来の修繕費を用意しなければなりません。


保有後、10年~15年経過すると、外壁や屋根の補修、配管設備の取り換えなど、数百万円単位で経費がかかります。
何の準備もしていないと、修繕費を用意できず、「物件の価値」を維持できなくなるケースもよく見かけます。

 

理想的な修繕費の準備方法は?

理想的な修繕費の準備の方法は、分譲マンションのように、強制的に積み立てを行うことです。
例えば、月100万円家賃収入があるような場合には、そのうちの5%の5万円を、毎月修繕準備口座などに入れて、積立を行っておくのです。


そうすれば、大規模修繕を行うときにも、その資金を計画的に用意することが可能となります。

 

 

まとめ
  • 不動産投資後の維持コストの中身を知っておく
  • 毎月かかる管理費と修繕積立金の違いをよく理解する
  • 修繕積立金は、物件の維持に必要なため、計画的に準備する


次回は、残りの不動産の維持コスト「臨時の経費」や「税金」などについて解説します。

 コラムニスト情報
荒川雄一
性別:男性  |   職業:国際フィナンシャルコンサルタント

投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。

■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他

■メディア実績(執筆、取材など)
 ・日本経済新聞 、日経ヴェリタス 
 ・納税通信、税理士新聞
 ・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
 ・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など

■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)