不動産投資の出口戦略とは?アパートやマンション経営を考えている人へ

不動産投資で失敗しないためには、物件を購入するときに、売却や建て替えのことも考えておくべき。投資不動産の精算をどのように行うのが良いのか、マンションや一戸建てといった投資対象別に、収益を高める「不動産投資の出口戦略」を解説。

執筆者: 荒川雄一 職業:国際フィナンシャルコンサルタント
失敗しない不動産投資!物件購入時に「出口戦略」を考えるべき

こんにちは、国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。

さて、不動産投資は、有価証券などに比べ、一般的に投資期間が長くなりますが、とはいえ、どこかで売却することも考えておかなければなりません。

そこで今回は、その際の「出口戦略」について考えてみたいと思います。

 

 

不動産投資の出口戦略とは?

不動産投資における出口戦略とは、「投資不動産の精算」をどのように行うかということです。
所有している不動産を売却することにより、利益を確定させたり、場合によっては損失を確定することで「出口」が決まります。

 

老朽化したとき、売却する?建て替える?

木造住宅、鉄筋コンクリートであっても、いずれは老朽化します。
その時、またはその前にどうするのか、物件購入時にしっかり考えておくことが重要です。

 

投資対象別!収支を高めるためには、どんな戦略が有効?

建物が老朽化し使えなくなった場合には、建物を建て替える、駐車場にするなど、新たな選択をする必要があります。
それでは、投資対象別に代表的な出口戦略の方法を見ていきましょう。

区分所有(マンション1室等)

区分所有の場合、マンション自体には多くの所有者がいるため、それぞれの経済状況も異なり、建替え等が事実上困難なケースが多くあります。

反面、鉄筋コンクリート造は耐用年数も長く、建替えが必要になるまでには、相当の時間があります。
従って、なるべく保有期間中のインカムゲイン(家賃収入)で、投資金額の回収をしておきたいところです。
そうすれば、仮に購入時より安い金額で売却する場合でも、収支ではプラスを維持することができます。

一戸建

出口戦略を考える上で、比較的柔軟に対応できるのが一戸建です。
独立した土地に建物が建っているため、更地にして駐車場にしたり、建替え等も、自分の意思で決断する事ができます。

入居者も複数人いないため、退去を機会に売却、建て替え、駐車場へ転換など柔軟に対応ができ、資産性も土地、建物と個別に評価することができます。

売却する場合、一般の住宅を求める層がターゲットとなるため、比較的市場は安定しています。
反面、売却時の住宅市況をよく見極めることが、収支を高める鍵と言えるでしょう。


マンション・アパート一棟

一棟物のマンション・アパートは共同住宅のため、建替えの際は基本的に入居者全員の退去が必要になります。

退去交渉の際に入居者の抵抗にあう事もあり、最終的にはお金で解決するケースがほとんどです。
従って、建替えを行う場合は、その採算性をよく検討する必要があります。

通常は利回り物件のまま売却を行うのが、一般的な「出口戦略」と言えます。
その為には、物件価値を維持する為の「定期的なメンテナンス」は必須です。

基本的に、利回り物件として、満室状態で売却を行うことができれば、収支を高めることができます。

不動産投資も「トータルリターン」で考える

不動産投資も、有価証券投資などと同じく、トータルリターンで考える必要があります。

 

建物自体は、減価償却資産のため、原則、年数とともに劣化し、価値は下がっていきます。

従って、土地の価格が上がらなければ、購入した不動産の価値は、将来下がることが想定されます。

その際に重要になるのが、「トータルリターン」の考え方です。

例えば…

5,000万円でネット利回り5%のアパートを購入したとしましょう。

購入時の想定保有年数は、10年とします。

すると、10年間に受け取る手取り家賃は、
5,000万円×5%=年間家賃250万円×10年=家賃総額2,500万円
となります。
※ここでは、税金などは考慮していません。

従って、投下資本5,000万円の50%を、10年間で回収できたことになります。
ただ、10年後に土地の価格はほとんど変わらず建物が劣化したことにより、仮に4,000万円でしか売却できなかったとします。


その際のトータルリターンは、以下のようになります。

 

家賃総額 2,500万円 + 売却額 4,000万円 - 購入額 5,000万円 = 収益 1,500万円


現在はバブル当時と違い、将来の不動産価格の値下がりリスクも考慮したうえで、「出口戦略」を考えておくことが重要なポイントです。

不動産投資の出口戦略まとめ
  • 不動産投資の出口戦略とは、「投資不動産の精算方法」を考えることである
  • 投資する対象物件により、「出口」の考え方も変わってくる
  • 「出口戦略」は購入時に、トータルリターンを意識しながら考えておくことが重要である


投資物件を購入する前に、対象物件の出口戦略の傾向・保有期間・売却のタイミング等の“出口”を意識することが、不動産投資のリスクヘッジにもつながるといえるでしょう。

 コラムニスト情報
荒川雄一
性別:男性  |   職業:国際フィナンシャルコンサルタント

投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。

■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他

■メディア実績(執筆、取材など)
 ・日本経済新聞 、日経ヴェリタス 
 ・納税通信、税理士新聞
 ・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
 ・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など

■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)