【不動産投資の指標】利回りだけでなく「ROI(投資回収率)」も判断材料にしよう

不動産投資の際には、利回り(ネットとグロス)だけでなく「ROI(投資回収率)」も判断の指標に入れ、投資した自己資金の回収期間を意識しましょう。

執筆者: 荒川雄一 職業:国際フィナンシャルコンサルタント
投資すべき?しないべき?不動産投資の指標

こんにちは!
国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。

さて、一般的に投資をするときには、その対象に投資すべきかどうか、判断するための指標が良く用いられます。
今回は、不動産投資の指標について、考えてみたいと思います。

 

 

1.不動産投資における指標とは?

以前のコラムでもご紹介しましたが、不動産投資で最もよく用いられる指標は、「利回り」です。


「利回り」には、投資(購入)した金額に対しての家賃収入を表す「表面利回り(グロス)」と、そこから維持コストを差し引いて算出する「実質利回り(ネット)」の2通りの算出方法があります。

例えば、年間家賃100万円、維持コスト30万円、物件価格1000万円の場合は、以下の通りです。

(表面利回り)
年間家賃100万円 ÷ 物件価格1000万円 = 10%
(実質利回り)
(年間家賃100万円-維持コスト30万円) ÷ 物件価格1000万円 = 7%


通常、不動産会社などの広告では、表面利回りがよく使われています。
というのも、上記のように「利回り」を高く表記できるからです。
ただし、投資する側からは、“実質利回り”を重視する必要があるのは、言うまでもありません。

不動産投資には、利回り以外にも、様々な指標があります。

指標を用いることで、例えば2つの物件を比較した時に、

  • AとBでは、どちらの利回りが良いか
  • AとBでは、どちらが投下した資金の回収が早いか
  • AとBでは、どちらがキャッシュフローが良いか


など、物件を検討する際の重要な判断材料とすることができるからです。

今回は、その中でも重要な指標の一つ、「ROI」を取り上げてみましょう。

2.重要な指標「ROI(投資回収率)」とは?

株式投資などをされている方は、「ROI」という指標をよくご存知だと思います。
「ROI」とは「Return On  Investment」の略で、日本語に訳せば「投資収益(回収)率」を表します。

つまり、投じた自己資金が、年間何%回収できるかを示したものです。
数式で表せば、年間回収金額 ÷ 投資金額 × 100 = ROI となります。

ただ、不動産投資の場合、ローンを組むケースが多いため、賃料から経費を引いて、ローン返済額を除いた年間のキャッシュフローで見るのが一般的です。

※これをCCR(Cash On Cash Return)という言い方をする場合もあります。

 

例えば、上記の例で、1000万円の物件、年間家賃100万円、維持コスト30万円に対して、頭金を50万円出して購入し、年間のローン返済額が60万円だったとします。

その時の「ROI」は、(年間家賃100-維持コスト30-ローン返済60)÷頭金50×100=20% となります。
つまり、50万円投資をして、年間のキャッシュフローとして手元に10万円残ったため、「ROI」は20%ということです。

この数字が高ければ高い程、投資した自己資金の回収期間は短くなります。
回収期間が短ければ回収した資金で、次の投資が行えるため、効率的に不動産投資を行うことが可能となります。

ただし、要注意点もあります

それは、初期投下資金(頭金)を低く抑えた場合、大半は「借入(ローン)」で、借金を背負うことになる点です。

金利が低くて、資金回収率が良ければ、非常に効率よく投資ができるわけですが、金利上昇局面においては、「調達金利(借入金利)」のコストが大きく膨らみ、場合によっては、家賃で返済ができなくなるケースなどもあります。

一般的に、他人のお金を利用して、投下資本の利益率を高めることを「レバレッジをかける」と言いますが、過度に利益率を求めて借金額を増やすと、金利情勢などによって「お金」がまわらなくなるので、頭金と借入金の割合をよく検討することが必要なのです。

現在は、最低金利の状態が続いていますが、不動産投資は中長期に行うものなので、あまりレバレッジはかけ過ぎずに、できれば物件価格の3割程度の頭金は用意して、投資に臨まれたほうが安全性は高いと言えるでしょう。

「利回り」だけでなく「ROI」などの指標も判断材料にしよう
  • 利回り以外にも、重要な指標として「ROI」を理解しておこう
  • 利回りが高い物件に、頭金を抑えて投資すれば「ROI」を高めることができる
  • ただし、頭金を抑える(レバレッジを高める)と、金利上昇局面で返済ができない状況も考えられるため、自己資金と借り入れのバランスが重要である。


不動産投資を行う際には、「利回り」だけでなく「ROI」などの指標もよく理解したうえで、投資判断するようにしましょう。

 コラムニスト情報
荒川雄一
性別:男性  |   職業:国際フィナンシャルコンサルタント

投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。

■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他

■メディア実績(執筆、取材など)
 ・日本経済新聞 、日経ヴェリタス 
 ・納税通信、税理士新聞
 ・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
 ・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など

■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)