十五夜だけじゃない!「十三夜(栗名月)」っていつ?読み方や意味、食べ物など (1/2)

十五夜の後にもお月見はあります。「十三夜(栗名月)」2016年の日付、お供え、食べ物など秋の歳時記知識を紹介。

執筆者: 柳澤ゆり子 職業:日本茶サロン主宰/日本茶アドバイザー/煎茶道師範
十三夜のお月見の楽しみ方

こんにちは、「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」主宰・日本茶アドバイザーの柳澤ゆり子です。

 

秋のお楽しみイベントのひとつに「お月見」があります。

お団子を食べてススキを飾って…と、この辺までは皆さん周知の事なのですが、「十五夜」の他に「十三夜」のお月見がある事はご存知でしたか?


今回は「十三夜」についてお話したいと思います。

 

 

十三夜(じゅうさんや)とは?
十五夜の約一カ月後にやってくる

十三夜とは、旧暦の9月13日のお月見の事を指します。

これは、中秋の名月(十五夜)の約一カ月後にやってくることもあり、「後(のち)の月」とも呼ばれます。


この旧暦9月13日は、毎年新暦の同じ日とは限りません。

2017年はたまたま11月1日ですが、年によって日にちが違います。

旧暦って難しいですよね。

 

少し欠けた月を愛でる

しかしながら、十五夜に次いで美しい月だと言われ、昔より大切にされてきた十三夜のお月見も、ぜひ楽しみたいものです。
完璧なまん丸ではなく、少し欠けた月の美しさを愛でる感覚は、日本人らしい美意識ではないかと感じます。

 

 

十三夜は日本特有の風習

十五夜の風習は中国から伝わったものですが、十三夜の風習は日本オリジナルのものです。

 

十五夜は芋名月、十三夜は栗名月

そんな十三夜の頃は、栗や豆の収穫の時期に重なる事から、別名「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、お月さまへのお供えにも栗や豆をお供えします。

 

片や十五夜の方は、「芋名月」と呼ばれます。

 

 

片見月はダメ?
「十五夜と十三夜、両方お月見しないと縁起が悪い」と忌み嫌われていたとか

江戸時代、十五夜もしくは十三夜、どちらかのお月見しかしないのは「片見月」と呼ばれ、縁起が悪いとされていました。

 

これは、宴会好きの江戸時代の人々が何かにかこつけて騒ぐ為の口実とも、十五夜は季節柄天気の悪い事が多かったからとも言われているようです。

ご興味の湧いた方は調べてみてくださいね。

 

江戸時代の人は、見る場所にもこだわった!

ついでに、場所も「同じ場所で見ないとダメ」だとも言われていたようですよ。

せっかくなら二度お月見を楽しんだ方が楽しみも増えますので、今年はぜひ十三夜も楽しんでみましょう。

 

なぜ月見団子をお供えするの?

お月さまと似て丸い形をしたお団子は、月が満ちている姿を模しているとされます。
それは、収穫への感謝や祈りといった意味に加え、家族の健康や幸福・物事が実を結ぶといったことも表しています。

月見団子をお供えするのは、お月さまと同じく丸い形の月見団子をお供えし、そのお団子を食べることで、健康で幸せになれると考えられているからです。

 

月見団子の並べ方

一般的に十五夜にはお団子を15個、十三夜には13個お供えします。

どう重ねるかと言うと、13個の場合には9個・3個・1個という方もいますが、9個・4個の2段とする説が多い様です。


正式には「三方」と呼ばれる白木でできた折敷に台がついたものに、和紙(お習字の半紙など)を敷き、その上にお団子を並べます。

ですが、一般的に家庭にあるものではないので、お盆やお皿で代用して良いと思います。

 

 

お団子はお供えしてから召し上がれ♪

また、お月見団子は買ってきてただ単に食べてしまうのではなく、短い時間でも良いのでお月さまにお供えして、その後にご家族の皆さんと美味しくお召し上がりくださいね。

月見団子以外にも、可愛いお菓子がたくさん!

うさぎのお菓子や月をイメージしたお菓子に加え、栗が出回る時期なので美味しい栗のお菓子もたくさん出まわります。

 

 

お月見限定で売られるお菓子を探すのも楽しいですし、各店渾身の栗きんとんを食べ比べするのも、この時期の楽しみですね。

 


なお、うさぎが餅を搗いているというのは日本での考え方であり、中国では不老不死の薬草を混ぜているのだとか。

この辺は国によってどう伝承が違うのか興味深く、調べてみたいところですね。

 

 
 コラムニスト情報
柳澤ゆり子
職業:日本茶サロン主宰/日本茶アドバイザー/煎茶道師範

自宅サロンにて「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」及び「風呂敷塾」主宰。
身近な日本茶や和菓子・風呂敷から、四季のある日本で暮らす幸せを再認識して頂けたら♡と思い「美味しく楽しく美しく♪」をモットーに活動中。

煎茶道師範としても(まだまだ駆け出しではありますが)お稽古をさせて頂いております。ふろしき研究会所属。

ブログ:柳澤櫻園の『和の茶論(サロン)』かまくら http://wanosalon7.exblog.jp