失敗しない不動産投資の物件選び!利回りや立地条件だけじゃなく、「建物構造」と「耐震基準」もチェックせよ
失敗しない不動産投資の物件選びのポイントを解説!つい「利回り」や「立地条件」ばかりに注目しがちですが、地震の多い昨今、建物の「造り方」や「耐震基準」の確認も必ず行うことが重要です。
こんにちは、国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。
チェックポイントは、「利回り」や「立地条件」だけじゃない!
さて今回は、不動産投資におけるチェックポイント項目として、「建物の構造」と「耐震基準」について考えてみたいと思います。
さて、投資物件を検討する際に重要なポイントとなる一つが、「建物の構造」です。
大きく分けると、次の3つに分かれます。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造
その中でも、通常、投資家から人気が高いのが「鉄筋コンクリート造(RC造)」です。
理由としては、耐用年数や減価償却、融資面で有利になる等の他に、大震災の影響から構造的に地震に強いとされているからです。
ですが、本当に木造や鉄骨造は、地震に弱いのでしょうか?
実は、そうとも言い切れないのです。
例えば、世界最古の木造建築物である法隆寺は、約1300年もの間、地震や台風、風雪に耐えて建っています。
また、五重塔は高さ30メートル以上で、ビルにすると8階~10階建に相当します。
そして、何かと注目を集める東京スカイツリーをはじめ、日本の高層ビルの多くは、鉄骨造でできています。
理由としては、高層建築物をRCで造ると、重量が重くなりすぎてしまうといった課題があるからです。
従って、「素材」と共に、「造り方」も重要な要素と言えるのです。
耐用年数や、減価償却だけにとらわれず、物件探しをする場合は、その「造り方」にも着目する必要があると言えます。
建物の耐震基準は、大きく「新耐震」と「旧耐震」に分かれます。
昭和56年6月1日以降に、建築確認申請された建物が対象となる基準です。
竣工が昭和56年6月1日以後でも、「旧耐震基準」の建物である場合も!
ただ、ここで注意が必要なのは、建築確認申請が昭和56年6月1日以前だと、昭和57年に竣工した建物であっても、
「旧耐震基準」になるという点です。
つまり、竣工が昭和56年6月1日以後であっても、「建築確認申請がいつ行われたか」が、重要なチェック項目となります。
現実に地震が起きて建物が倒壊したケースでは、「旧耐震基準」の建物の場合、「耐震診断」を行っていたかどうかが問われます。
必要な「耐震補強」をしていたかどうかは、民法717条「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」に基づき、オーナーの責任を問われる事もあるからです。
実際に阪神大震災では、平成11年に神戸地裁にて、オーナーに損害賠償を求めた判例も出ています。
市場には、まだまだ「旧耐震」の建物が流通しています。
中には魅力的な物件も多くありますが、地震の多い昨今、「旧耐震」物件を検討する際には、「耐震補強」がされているかなど、確認する必要があります。
- 建物の構造は、素材も重要だが、その造り方にも注目することが必要である。
- 旧耐震基準の物件を検討する場合は、耐震補強などの実施状況の確認も必要である。
不動産投資は、単に「利回り」や「立地条件」だけでなく、建物の「造り方」や「耐震基準」の確認も必ず行うことが重要と言えます。
|
|
投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。
■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他
■メディア実績(執筆、取材など)
・日本経済新聞 、日経ヴェリタス
・納税通信、税理士新聞
・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など
■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)
|
|