親子で行う「終活」5つのポイント。生前整理やエンディングノートの始め方
親に終活を始めてほしいけれど、どうきっかけを作る?いきなり断捨離やエンディングノートを渡すのではなく、親子や家族で終活を進めていきましょう。
「終活のきっかけとしてエンディングングノートをすすめるといいですよ」という話はよく聞きます。
でも、これが有効なのは、本人に終活をする気持ちがある時だけ。
全く終活なんて考えていなかった親に、いきなりエンディングノートを渡したら、怒ってしまったなんてことも。
どこかで「終活をしたほうがいい」ことはわかっていても、なかなか向き合う気持ちにならないという方もいるのです。
では、親に終活を始めてもらうきっかけは、どうやって作ればいいのでしょうか。
当たり前のように考えられている終活ですが、シニア世代で実際に行っている人は、2割程度だと言われています。言い方を変えれば、8割は終活をしていないことになります。
では、8割の方は、全く終活に興味がないのかというとそんなこともなく、「いつかはやろう」と考えているものの、なかなか始められないという方が多数なのです。
子ども世代は、親の終活に何を望んでいるのでしょうか。
子どもが望む親の終活でやってほしい内容は、主に次の5つが挙げられます。
- 終末期医療の希望
- 生前整理
- いざという時の連絡リスト
- 財産の管理
- お葬式、お墓の希望
まずは、親世代が「終活」を意識する機会を作ることが大切です。
ある程度の年齢になれば、体調に不安を持っている方は少なくありません。
中には心配をかけまいと、通院していることを子どもには黙っている場合もあります。
わざわざ自分から話すつもりはなくても、子どもから聞かれれば話してくれることが多いものです。
「急に体調を崩した時に心配だから」と、持病やかかりつけ医、薬、そして、もう少し踏みこめそうなら、保険証の保管場所や医療保険について聞いておきます。
また、電話の近くには、緊急連絡先として、身内の携帯番号を明示しておいてもらいましょう。
- 「ここに手すりをつけたほうがいいんじゃない?」
- 「もし地震があったら、この荷物はこわいね」
キレイ好きだったはずの親が、気が付いたら物を溜め込んでたというのはよくある話。
どうせ使わないものは早めに処分してほしいというのが、子どもの気持ちではないでしょうか。
ですが、親だって物をため込むには理由があるはずなのです。
溜め込んだことを咎めるのではなく、より暮らしやすく、安全に生活するための提案として荷物の整理を促します。
親の交友関係は、案外知らないものです。
お正月に帰省した時に、親に来た年賀状を見せてもらうと、現在つながっている人が見えてきます。
その流れで、「そういえば、●●さんとは今も会うの?」など、親の交友関係の話を聞いておきましょう。
離れて住んでいる場合には、近くに住んでいる親の友人が頼りになることもあるのです。
芸能人や身近な人に不幸が会った場合に、さりげなく「私はこうしたい」という話をしてみましょう。
子どもが自分の希望を話すことで、自然と親が「自分はどうしたいか」という話に流れやすくなります。
財産に関すること、延命治療については、終活でぜひ押さえておきたいポイントです。
ですが一方、こじらせやすい項目でもあります。
なかなか答えを出せないものは、焦らないこと。
無理に答えを出させようとするよりも、親が前向きに話をできるチャンスを伺ったほうがスムーズに話ができます。
生前整理をスムーズに行うコツ
否定をする言葉は使わないこと。
また、一気に片付けようとすると、頑なになっていきます。
「これ懐かしいね」「まだ、とってあったんだ」など、溜めてあったものに共感しつつ、少しずつ荷物を開けていくようにします。
そのうえで、写真に残したり、リサイクル、納得できる範囲で処分を促すなどの妥協点を見つけていきます。
親子で語り合うきっかけにすることで、整理が嫌な作業ではなくなっていきます。
きっかけづくりをして、親が終活に興味を持つようになったら、そこでエンディングノートをプレゼントしましょう。
勘違いしてはいけないのは、終活は「死」の準備ではなく、今、抱えている不安や問題と向き合うこと。
それにより、これからの人生を、より気楽に楽しく生きるための中間整理なのです。
親にスムーズに終活をしてほしい場合は、まずは親の現状や生活、気持ちに寄り添うことを大切に。
子どもが親を知ることから、終活は始まるのです。
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