社会保険労務士試験、チャレンジしない方が良い3つの理由!資格があると転職・独立に有利じゃないの?

社会保険労務士の試験は、本気で資格を取得したい人以外は挑戦しない方がいいでしょう。試験に合格して資格を取った筆者が、3つの理由を解説。時間の無駄遣いにならないか、考えてみて。

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
社会保険労務士試験、本気で取得したい人以外は挑戦しない方がいい理由

節約アドバイザーのヨースケ城山です。

 

8月最後の日曜日に行われた社会保険労務士の試験も終わりました。

受験生のみなさん、お疲れさまでした。

 

私自身は過去の合格者で、合格率7.0%の時にこの資格を取りました。

過去2年間の合格率を見ても、2.6%、4.4%と年々難関化しています。

このように、合格率だけ見ても困難なのはわかりますが、試験方式自体にも問題点が含まれているように私は思います。

 

今回は、「本気で取得したい人以外は、社会保険労務士試験にチャレンジしない方がよい理由」をご紹介したいと思います。

 

社会保険労務士とは?

社会保険労務士は、企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲にわたります。

 

 

理由1 勉強した者が報われるとは限らない?!
社会保険労務士試験の合格の基準は?

合格基準については、国民に分かりやすい簡易なものとすることが望ましいとの考えから、「出題形式(選択式40問、択一式70問)、過去の合格基準の動向及び他の試験制度の現状」を考慮し、平成12年度より、次の条件が合格基準点と定められました。

 

  • 選択式試験

総得点 40点中28点以上  各科目 5点中 3点以上

 

  • 択一式試験

総得点 70点中49点以上  各科目 10点中 4点以上


こちらに試験の難易度に応じて加点・減点が加えられ(点数補正)、実際の年度の合格基準が毎年11月に発表されます。

 

どんなに高得点でも、1科目でも合格基準点を満たしていないと不合格

ここで注目してもらいたいのが、上記の基準点の中の「各科目」という文言。
選択式では8科目、択一式では7科目、この全てで合格基準点以上を求められます。
どんなに高得点でも、1科目でも合格基準点を満たしていないと不合格です。

 

最後の最後に合否を分けるのは運?!

では、まんべんなく各科目勉強してきた人なら合格するのではとお思いでしょうが、実は最後の最後に合否を分けるのは運なのです。

そんな事例として、平成29年度試験のある問題を見てみましょう。

平成29年度の労務管理その他の労働に関する一般常識の選択式には、こんな問題が出題されました。
選択式は、穴埋め式の問題です。

 

Q.平成28年10月末現在の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(厚生労働省)」をみると、国籍別に最も多い外国人労働者は中国であり、(     )、フィリピンがそれに続いている。

A.①ネパール ②ブラジル ③ベトナム ④ペルー


みなさんでしたら、①~④のうち、どれを選びますか?

もう勘しかないですよね。

ちなみに、この辺は社会保険労務士のテキストには載っていないレベルの問題です。

一般常識でも、なかなか勉強しないですよね。

正解は、③ベトナム です。

イメージ的には、②のブラジルを選ぶ方が多いのではないかと思います。

 

 


実際に、「外国人雇用状況」の届出状況まとめを見てみると、次のように公表されていました。

 

国籍別では、中国が最も多く344,658人(外国人労働者全体の31.8%)。

次いでベトナム172,018人(同15.9%)、フィリピン127,518人(同11.8%)の順。

対前年伸び率は、ベトナム(56.4%)、ネパール(35.1%)が高い。


ですが、この「外国人雇用状況」の届出状況まとめを読んでいなくても、受験日当日の日本経済新聞 電子版には、上の問題のヒントとなるような記事が載っていたのです。

それは、『居酒屋、救世主はベトナム人 勤勉・親日的で主力』という見出しの記事で、ある飲食店のアルバイトの約28%がベトナム人で、とても優秀だと紹介されています。

ちなみに、ネパール人は6%、中国人は1%でした。

 

参考情報 2017/8/27 6:30 日本経済新聞 電子版

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20237500S7A820C1H11A00/

※本来は日経MJの8月23日の記事ですが、日本経済新聞 電子版には上記の時間で掲載されました。


この記事を読んだ方なら、迷わず正解の「③ ベトナム」を選んだことでしょう。

ただ、この記事は、日経電子版の有料会員向けの記事でしたので、読んだ方はそれほど多くはないかもしれません。

ですが、選択式では、この1点が勝負を左右するのです。

合格基準点が各科目 5点中 3点以上なので、2点で終わる人が相当数います。

(救済で”2点で合格”という年もあります)

猛烈に勉強してきて基本的な知識がパーフェクトであっても、5点満点は難しく、運よく記事を見たかどうかで合否が左右されることもある世界なのです。

 

理由2 時間の無駄遣いになる可能性大。家庭崩壊の危険も!
試験合格のためには、猛勉強が必要。

社会保険労務士試験の合格のために必要な勉強時間の目安は、1,000時間~1,500時間と言われています。

1年間で1,000時間捻出するとしたら、1日3時間ほどの計算になります。
普通の会社員ではとてもこうはいかないので、平日各1時間、土日各7時間位でしょうか?

 

年間1,000時間勉強したら、家族サービスは無理!

これで、年間1,000時間は捻出できます。

ですが、土日は全てつぶれます。

平日も大変です。
家族サービスなんて全くできません。

もう子供が大きくなっているという条件ならよいのですが、当然夏休みにどこかに連れていくことなんて不可能です。

試験は、夏休み終盤に行われるのですから…。

 

合格しなかった場合、実生活に役立つ知識は約3割…

そこまでして合格しなかったとしたら、本当に時間の無駄使いです。

試験に合格するには膨大な量の勉強が必要ですが、合格しなかったら、実生活に役立つ知識は約3割です。

ただの年金、労働問題に詳しい人にしかすぎません。

それなら、自分の年金の事や社会保険を調べた方がよっぽど役に立ちます。

また、毎年受験する方もいますが、業務に必要がないならそんなに無理する必要はないと思います。

趣味でやっているんだという方は別ですが、「時間の使い方を考えた方が良いですよ」とみなさんには伝えたいです。

 

理由3 資格を取得しても、それほどメリットがない…
社会保険労務士の資格は、実はあまり役に立たない!

「転職に有利、独立に必須の資格」と資格講座のパンフレットには書いてあります。

ところが、実際、ほとんどの人にとってはあまり役には立ちません。

アクセサリーに過ぎないのです。

 

「転職に有利」はウソ

私は会社を辞めて無職で挑戦して合格しましたが、その後の転職活動では全然有利にはならなかったです。

それは、40歳になっていたためと、実務経験がなかったからです。

こんなに再就職が大変だと思いませんでした。

100社ほど応募して、それでも社会保険労務士の資格を生かした仕事には就けませんでした。
これが現実です。

 

転職市場では、未経験なら30歳までという暗黙のルールがあります。

それを自信過剰な私は無視して再就職の転職活動を行った結果が、社会保険労務士にはなれませんでした。

再就職まで1年という無職期間を経て、貯金もだいぶ減りました。

今、このコラムを読んでいるみなさんには、同じような思いはしてほしくないと強く思っています。

 

リスクのある独立、本当にしますか?

独立も考えましたが、逆に社会保険に詳しくなってくると会社員の方が有利ということに気がつきます。

家庭がある人は、リスクをとっての独立は現実的ではないのです。
独立してうまくいっている人は、1割にも満たないと思います。

それほどメリットのある資格ではないのです。

 

 

チャレンジするなら、「1年だけ」と決めて取り組んでみては?

今回は、チャレンジしない方が良い理由について自分自身の例でご紹介しましたが、試験に合格して有資格者にならなくても、勉強したことは実生活で少しは役に立ちます。

やるなら1年だけと決めて取り組むなど、有意義な時間を過ごしていただきたいと思います。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売。
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売

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