「セクハラされた!」性的いやがらせの訴えがあったとき、会社が行うべき対応と再発防止策
「セクハラされた!」と訴えがあった際、企業(職場)が行うべき対策方法は?発生時の対応事例と再発予防の方法を考えていきましょう。
前回、セクシャルハラスメント(以下、「セクハラ」)の定義、種類などについて説明しました。
引き続き今回は、企業が実施しなければならないセクハラ対策について、具体的な対応策を挙げてお話させていただきます。
セクハラの予防、実際に発生した場合の対応などについて、企業側は何をどこまで実施しなければならないのでしょうか。
前回も紹介しました厚生労働省の指針「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」(平成24年10月1日施行)において、具体的に例示されています。
- 就業規則等に方針を規定し、セクハラの内容と併せて周知・啓発する。
- セクハラの内容及び方針を周知・啓発するための研修、講習等を実施する。
- 就業規則等に性的な言動を行った者に対する懲戒規定を定め、周知・啓発する。
- 相談に対応する担当者を定める。
- 外部機関に相談対応を委託する。
セクハラが現実に生じている場合だけでなく、その発生の恐れがある場合や、セクハラに該当するか否か微妙な場合であっても、相談に対応し、適切な対応を行うようにすること
- 相談内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門が連携出来る仕組みを構築する。
- 相談窓口の担当者が、予め作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応する。
- 相談窓口の担当者、人事部門等が、相談者及びセクハラの行為者の双方から事実関係を確認する。
また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分に出来ない場合には、第三者からも事実関係を聴取する。
- 就業規則等の規定に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずる。
さらに内容や状況に応じて、被害者と行為者間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪等の措置を講ずる。
- セクハラに関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施する。
- プライバシー保護のために必要な事項をマニュアルに定め、当該マニュアルに基づき相談対応をする。
- 相談窓口の担当者に、プライバシー保護のための研修を行う。
- 就業規則等において、セクハラに関し相談をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、解雇等の不利益な取り扱いをされない旨を規定し、周知・啓発をする。
今回お話したように、事業主には、セクハラに対しての方針の周知・徹底、相談窓口等の社内体制の構築などが求められていますが、一番重要なのは、社員、特に管理職層への教育です。
現在の法令では、相手が「セクハラを受けた」と感じると、その行為は「セクハラ」となります。
自分はそのような気持ちではなかったとしても、受け取る側の気持ちは違うこともあるです。
どのような言葉や行為がセクハラとなるのか、統一した尺度での教育・研修が、セクハラの発生を防ぐ上での第一歩となります。
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やなぎだ労務管理オフィス、社会保険労務士の柳田 真(やなぎだ まこと)です。メンタルヘルス対策を重点業務としています。
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一般社団法人産業保健法務研修センター認定 メンタルヘルス法務主任者
【代表者経歴】
東京都社会保険労務士会 総務・財務委員会委員
東京都社会保険労務士会港支部 総務委員長
東京都社会保険労務士会 無料電話相談(社労士110番)担当
一般社団法人産業保健法務研修センター 正会員
港区役所 国民年金係相談窓口担当
足立年金事務所 厚生年金適用調査課
柏労働基準監督署 就業規則・36協定点検指導員
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