こんにちは、就職コンサルタントの藤田美智です。

前回、興味を持てるブランドは、一般消費財だけではなく、企業が使う生産財や企業向けサービスにもありますという話をしました。

シェア（市場占有率）の高い商品を持つ生産財メーカーや、企業向けサービス提供会社には、オリジナリティの高い商品があります。
そのオリジナリティに興味を持ち、調べを進めていくに従って、そのブランドが好きになり就職先候補となっていくというパターンですね。

さて今回は皆さんに、好きなブランドを持つ会社で働くイメージを、具体的な事例でご紹介しましょう。

消費財メーカーであれ、生産財メーカーであれ、サービス提供会社であれ、あなたが興味を持ち、好きになったブランドを持つ会社で働くことになれば、どのような仕事を担当することになっても成功する就職に近付くことになります。

ポテトチップスで有名なC社。
幼い頃から、このポテチが大好きなXさん。
ここで大切なことは、Xさんは単にポテチが好きなのではなく「C社のポテチ」が好きであるということです。
これが、大切な「こだわり」ということです。

Xさんは、C社への入社を志望し、入社試験を受け内定を獲得。
入社後は、営業担当として日々やりがいをもって仕事を続けています。
企業という組織において、所属部門が変わる異動は、ある意味避けては通れないものです。

しかしC社における仕事は、どのような仕事でも、Cブランドの価値を高めるための仕事です。

Xさんは今後どのような仕事の担当になっても、やりがいを失うことなく楽しく仕事をしていくことが出来るでしょう。

なにせ、大好きなCポテチを作っている会社の仕事なのですから。

上手く説明が出来ないそうなのですが、Yさんが身に着けるジーンズはL社製の物だけです。
そう、これまでも、この先もずっと、Lジーンズなのです。

そんなYさんに、Lブランドが好きになったきっかけを尋ねたところ「何度も繰り返し見た映画の主人公が穿いていたジーンズが、Lでした。けれど、ずっと穿き続けていると、愛着が沸いてくるのですね、このLというブランドに…」ということでした。

自分がやりたいという仕事が特に無かったYさんは、入社後は管理部門で、間接的にではありますがLブランドを高める仕事にやりがいを感じながら働いています。
Yさんもまた、単にジーンズが好きなのではなく、Lブランドのジーンズが大好きなのです。

最近の建築物を見ていて、多様化するデザインが、街の景観をどんどん変えていることに気付く方は多いでしょう。
その外装、内装で良く見かける素材。
金属の板を自由自在に曲げたり、小さな穴を規則的に無数に開けたりして、多様化するデザインを演出している事例に気付いたというZさん。

金属板を自由自在に曲げ、そして自由自在に穴を開ける加工技術。
どのような機械が、このような加工を可能にするのかということに興味を持ちました。

色々と調べてみると、このような加工を可能にする機械の、世界シェアNo.1の企業A社が日本にあったのでした。
ライバル企業はドイツの会社ですが、そのドイツの会社をシェアでは大きく引き離しています。
そう、A社には他を圧倒するオリジナリティがあるのです。

Zさんは、こうした金属加工を可能にする機械メーカーに興味を持ち、調べを進めていくうちに、Aブランドが大好きになって入社を決意したのでした。

元々ロボットに興味があり、メカ系が大好きなZさん。
入社後は、Aブランド機械メーカーで、営業の仕事に日々やりがいを感じて働いています。

ポテトチップス、ジーンズ、金属板加工機械、ポテチとジーンズは消費財、金属板加工機械は生産財。
それぞれのブランドが活躍するフィールドは異なりますが、この事例で取り上げた3名は、いずれも入社した会社のブランドが大好きで入った人達です。

正直に打ち明ければ、今担当している仕事よりも、別の仕事をやりたいと思いつつ、現在は仕事をしているかもしれません。
しかし、配属は希望した部門、想像していた仕事の担当となる保障はありませんし、その後に配置換えとなる異動も良くある話です。

この3名は、何よりも大好きなブランドを持つ会社で働いているので、そのブランド価値をさらに高める仕事にやりがいを感じ、日々楽しく働けているのです。