バリ・ヒンドゥー教のお正月祭「ニュピ」!当日の過ごし方と、観光客も守るべきルールとは
こんにちは、バリ島現地ライターのKIKOです。
バリ島は島民の約90%がバリ・ヒンドゥー教徒で、独自の暦に従って、毎日どこかでお祭りや宗教儀式が行われています。
お祭りといっても縁日のように屋台が出るようなものではなく、地元の人が伝統的な民族衣装を着て神様にお祈りをしたり、伝統舞踊やガムラン演奏が披露されるなど、独特な雰囲気のものです。
その中でも最も神聖な日と言われるのが「ニュピ」であり、バリ島全体が静寂と闇に包まれる特別な一日となっています。
バリ島にはウク暦とサカ暦という独特の2つの暦があり、ニュピはサカ暦の新年にあたります。
この日は外出・労働・灯火の使用・動物の殺生が全て禁止されており、バリ・ヒンドゥー教徒だけでなく、観光客も含めバリ島にいる人全員にこのルールが適用されます。
航空機の発着も禁止されますので、空港も閉鎖され、海港も閉鎖、レストランや商店の他、観光のオプショナルツアーなども全て中止となります。
ニュピの当日には、バンジャールという地域コミュニティが、誰も外に出ていないか監視を行います。
ニュピは、地獄の神「ヤマ」に追い払われた悪霊達がバリ島に逃れてくるため、その悪霊が去るのを静かに待つ日だと言い伝えられています。
その為、この日は家の中で静かに瞑想をし、平和への祈りを捧げる日とされているのです。
ニュピの日には外出が出来ないため、観光やアクティビティは出来ませんが、島中が闇に包まれますから、普段は光に霞んで見えない素晴らしい星空を眺めることが出来ます。
そのため、バリ島旅行のリピーターにはわざとニュピの日を選んで来る人も多く、ネオンの輝く現代の夜から解き放たれた開放感は、一見の価値があります。
しかしバリ島は観光地という土地柄、ホテルやヴィラなどの宿泊施設は特例とされており、レストランなどでも飲食物の供給が行われています。
ニュピ当日でもプールやスパなどの施設も利用することが出来ますが、電気の使用など一部制限がありますので、予め宿泊施設に詳細を確認しておくと良いでしょう。
バリ島に住むバリ・ヒンドゥー教徒以外のインドネシア人や外国人の中には、ニュピを家で過ごす人もいれば、こうした機会を利用してホテルやヴィラに宿泊する人達もいます。
というのも、自宅でこっそり電気をつけていたり、大きな音を立ててしまうと、たちまち見回りのバンジャールから注意されてしまうため、あえてのんびりするためにホテルに宿泊するという方法もあるのです。
ニュピは、サカ暦というバリ島独自の暦に沿って行われますので、毎年行われる日にちが違います。
大体3~4月頃に行われますが、ニュピを楽しみたい人もそうでない人も、バリ島旅行を考えている人は、ニュピのスケジュールを確認しておいた方が良いでしょう。
|
|
フリーランスライター / 通訳 / 翻訳
留学と旅行で世界各地を回り、辿り着いたのはインドネシア・バリ島。
医学情報サービス会社で企画原稿のライティングを経験、
Webコンサルティング会社でインターネット広告ライティングを担当し
現在はコピーライティング、ポータルサイトのライティング、ウェブメディアのコラムなどを執筆。
|
|