こんにちは、鍼灸師の西野雅也です。

前回は、花粉症をテーマに2回ほどお伝えしてきました。

今回は他にもある、春に起こりやすい症状についてお話します。

東洋医学では、春は『肝の臓』の気が盛んになる季節と言われています。

東洋医学の「肝の臓」というのは、西洋医学の「肝臓」とイコールではありません。

肝の臓には様々な働きがあります。

代表的なのは、「疏泄（そせつ）」と言われる働きです。

• 疏「流れる、通す」
• 泄「もれる」（発散の意）

春はこの疏泄作用を失調しやすい季節です。

また、ストレスによっても、疏泄作用は失調します。

春は、草木が芽吹く季節です。

冬の間閉じこもっていた陽の気が、徐々に盛んになりだします。

陽の気というのは、暖かい気と捉えて下さい。

暖かい気は、上へと昇ります。

暖房をつけても天井ばかりが暖まって、足元は寒いという経験、よくありますね。

春になると、どんどん上へ昇りやすくなります。

社会人であれば年度末、新年度でドタバタする時期です。
学生さんも、卒業、入試、新学期と、環境が大きく変わる時期でもあります。

ピリピリと緊張感をもって生活している時期ですし、ストレスも多いと思います。

これらが代表的な春の特徴です。

• 頭痛
• 肩こり
• イライラ
• 耳鳴り
• 不眠
• めまい

上記の条件が重なることで、花粉症をはじめ、様々な症状が起こってきます。

年中悩まされる症状も、特に春になると悪化する、という方も多いのではないでしょうか。

なぜなら、気の上昇の作用を受けるからです。
頭痛や耳鳴り・めまいなどは、肝の失調、肝と関連のある経絡の失調により起こります。

東洋医学の古典には、次のように春の養生法が書かれています。

心身の緊張、ストレスが、病気を引き起こしやすいのです。

「弛緩」を意識せよということです。

ダラダラと散歩してお花見に行くなどが、一番手軽でいいですね。

こういう時間を意識的に作ることが大切です。

ゆるめるからこそ、いざという時に緊張、集中ができるものです。