人間関係の境界線が曖昧!スポーツ選手の成長を妨げるコーチの特徴とは (1/2)

執筆者: 衣川竜也 職業:メンタルトレーナー/心理カウンセラー
コーチとアスリートの人間関係について

こんにちは、メンタルトレーナーの衣川竜也です。


今回は、スポーツ指導における、コーチとアスリートの関係にとって重要な、心理的要素について書きたいと思います。

 

コーチは、アスリートとの間に、人間関係の境界線を持つべき!

これからのスポーツ指導において、私が大切だと思っていることの一つが、「コーチがアスリートとの間に、人間関係の境界線を持っているか」という点です。

 

 

「人間関係の境界線」とは?

「人間関係の境界線」とは何かというと、自分と相手との因果関係で自分の感情や自尊心の有りようが決まるのではなく、自分の感情や自尊心の有りようは自己管理ができた上で、人と接することができる距離感を明確にするという意識です。

 

境界線が曖昧になると依存度が高まる

境界線が曖昧になるということは、人間関係での依存度が高くなってしまいます。


一般的な人間関係では、下記のような例があります。

 

  • 子供に期待をかけて、本人の意思を確認せずに、努力することや成果を出すことを求め続ける
  • 恋愛関係で、パートナーと一緒にいないと不安になり、パートナーが友人と出かけているだけで孤独感が強くなる
  • 職場で、上司が部下に対して、自分の評価を上げるために、過剰な残業を求める


これらの例はほんの一部ですが、みなさんがご自分の生活に当てはめて考えていただくと、境界線が曖昧になっている思われる人間関係を目の当たりにしたり、体験したりしていることも少なくないのではないかと思います。

 

境界線が曖昧な「母と子の関係」が、人間関係のスタート

そもそも人間は、生まれた時から、境界線が曖昧な状態から人間関係がスタートします。
それは、母と子の関係です。

 

女性は出産後に、子供を全力で愛し、守っていくために子供との境界線をほとんど持たない精神状態になります。
母親に100%依存しなければ生きていけない赤ちゃんの要求に、寝ても覚めても応えるためには、そうなるのも当然でしょう。

 

 

子供の成長と共に、境界線をはっきりさせていくべき

しかし、子供が大きくなるにつれ、自分一人でできることが増え、自己主張ができるほどに個性が強くなっていくにつれ、子供との境界線をはっきりさせていかなければなりません。

なぜなら、そうすることが「自分の考えと行動に、自信と責任を持てる心」と、「他人との境界線をしっかりと持って、人間関係を築ける心」を育てるために、大切だからです。

 

境界線が曖昧なままだと

母親が、子供の成長に伴って境界線を明確にしながら関係を築いていくことで、子供は自立した1人の人間として育っていくのです。

成長過程で、自分と母親との境界線が曖昧なままの関係性を続けていた場合、その子供は、大人になってから、他人との人間関係で「境界線を持って、適切な人間関係の距離感を保つ」ということが上手くできなくなる可能性があります。

 

 
 コラムニスト情報
衣川竜也
性別:男性  |   現在地:大阪市  |   職業:メンタルトレーナー/心理カウンセラー

大阪を拠点に活動しているメンタルトレーナーです。
主にアスリート、経営者、起業家のメンタルサポートやコンサルティングを行っています。
スポーツでの勝負、ビジネスでの決断や人間関係、マーケティングなど、全て人の心理が反映されます。
しかし、心理的な成長の取り組み、心理的な戦略はどうしても疎かになってしまいます。
私はメンタルトレーナーとして心理面からの個人や企業の成長と目的達成をサポートさせていただきます。
【ホームページ】http://axia-coaching.com/
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