一人暮らしや夜型生活のペットにおすすめ!フクロモモンガの生態と飼い方

執筆者: 堀内フローラ 職業:ブリーダー、ペットガイド
とても愛くるしい小動物、フクロモモンガをご存知ですか?

ファンの間では『ふくももちゃん』と呼ばれて親しまれている、とても人気者の小動物です。

 

 

原産地はオーストラリア、ニューギニアの森

野生のフクロモモンガは、樹上生活をしています。

 

体の大きさ

体の大きさは13~14cm程度、尾が長く全長は27cmくらいになります。

体重は120~180gほどで、オスよりメスのほうがやや大きいです。

 

小動物には珍しい長寿

寿命は15年くらいと、小型ながら長生きします。

 

体毛の色

ノーマルはグレーと黒の縞の模様ですが、白、クリーム色、パイドなど色変わりの品種も出ています。

 

マーキングの習性がある

オス、メスともに臭腺があり、縄張り内にこすりつけてマーキングします。

メスは発情期になると、おしっこをあちこちにつけるようになります。

オスは複数のメス・子供のハーレムを作ります。

家族同士は大変仲が良いのですが、他の群れや小さな動物には敵対心が強く、追い払って縄張りを守ります。

 

オーストラリアの動物に多く見られる、有袋類である

モモンガとよく似た姿で膜を広げて滑空するため、フクロモモンガと名前が付けられています。

ですが実は、カンガルーやコアラなどと同じく有袋類です。

 


赤ちゃんは未熟なまま生まれ、母親のお腹の袋にもぐりしばらく出てきません。
生後3週を過ぎると少しずつ出てくるようになります。

目が開けば行動範囲も広がり、枝を歩いたり普通のえさも食べるようになります。


だいたい65日くらいで離乳します。

人が飼育する場合は、慣らすために生後1ヶ月ほどで親から離して、人工保育にて育てることが多いです。


フクロモモンガベビーの飼育は難しいので、完全に離乳したフクロモモンガをお迎えしたほうが良いかと思います。

 

フクロモモンガ、飼い方の基本
夜行性だから、日中留守がちでも安心

フクロモモンガは夜行性です。

昼間は巣箱の中で眠っており、夕方になると出てきて活動します。

 

1人暮らしの方など、夜でないとお世話ができないという人に向いています。

 

嗅覚が鋭く、飼い主のことも臭いで記憶する

香水、香辛料、化粧品、たばこなどの強い臭いが付いてしまうと、あなたが飼い主だと分からなくなってしまうこともあります。

 

付いてしまった臭いは、なるべく消してからお世話したほうが良いかと思います。

 

樹上生活気分が味わえるようなゲージが理想

 

木の上で暮らしていましたので、巣箱や木の枝等を取り付けられる、大き目のゲージに入れるようにします。

高さがあれば、なお良いでしょう。

リス用のゲージが適しています。


ハンモックやポケット状のものにも喜んで入ります。

 

雑食性なので、色々な種類のえさを与えましょう

フクロモモンガの好物は、生きた昆虫です。

ペット用えさとして売られている、ミールワーム、コオロギ、デュビアなどが良いでしょう。

 

野生の昆虫は寄生虫や細菌が付いている場合があるので、避けたほうが懸命です。

 

果物なら、南国のよく熟したものを好みます。

小さく刻んでえさ入れにいれ、与えてください。
フクロモモンガ用のペレットフードも利用できます。


昆虫用や小動物用ゼリーは、たんぱく質が多い高栄養のものを使用しましょう。
ナッツ類は太りやすいのでごく少量にとどめたり、冬場だけにするなどしましょう。

大切に育てるための、飼育の注意点
最後まで面倒を見てあげられますか?

フクロモモンガは、小さいのにとても長生きしてくれます。

犬や猫以上に生きる子も多いのです。

見た目の可愛さなどで衝動的に飼う前に、一度よく考えてみてください。

細かい室温調整を、毎日してあげられますか? 
フクロモモンガは寒さに弱く、18度~28度くらいが適温

 

人が快適な室温なら問題ないのですが、夏冬はエアコンなどで室温を調節しなくてはなりません。
留守の間に熱中症などになってしまっては大変です。

 

時間をかけながら、ゆっくりと慣らしていけますか?

縄張り意識が強く、個体によってはなかなかなついてくれない場合もあります。

 

手でなでようとすると、大きな声でギュルギュルと鳴いて驚かされます。

人を覚えますから、特定の人にしか馴れてくれないこともあります。


小さな子供さんがいる場合は、ベビーのうちから人に育てられた人懐こいおとなしいフクロモモンガを探すようにしましょう。

 

毎月来る発情期、こまめなお掃除などができますか?
オス、メスとペアにしますと、比較的簡単に交尾・妊娠に至ります

 

フクロモモンガは生後1年を過ぎたくらいで大人になります。

そして、毎月のように発情期を迎えます。

 

発情期にはマーキング行動が盛んになります。

特にオスは頭部等の臭腺から分泌液を出し臭い付けをしますが、人によっては臭く感じるかもしれません。

そして「ワン、ワン!」と子犬のように鳴きます。

 


ゲージや巣箱のお掃除が大切になりますが、臭いで情報交換をしているフクロモモンガにとっては、あまりにも綺麗にお掃除されてしまうと、不安になりストレスから病気にもなりかねません。

少し臭いを残すように掃除していきましょう。

 

ちなみにトイレのしつけはできません。

部屋に放す場合に注意したいこと

ゲージから出し、安全な部屋で遊んであげると良いコミュニケーションがとれるでしょう。

 

爪が鋭く、服やカーペットに引っかかってしまいます。

尖った爪先だけを切りますが、暴れる場合はお店や獣医さんに頼むと良いでしょう。


部屋に放す場合、体が小さいので見失わないように気をつけてください。
どこでも器用に登りますので、高いところにある物も安全チェックを忘れないようにしましょう。

 

おわりに

なかなか散歩には行けないけれど、室内で遊ぶ時間はたくさん取れるという方には、ぴったりなペットになります。

ペットショップなどで、見かけたら、ぜひ見せてもらいましょう。


その際は、夕方でないとご機嫌斜めかも知れません。

 
 コラムニスト情報
堀内フローラ
性別:女性  |   職業:ブリーダー、ペットガイド

犬のブリーダーをしています。動物に囲まれて生活していて毎日、多忙ですが、
色々な発見があり楽しいです。ペットに関してのご相談お受けいたします。