子犬の成長レクチャー!生まれたてから生後4か月頃まで解説
子犬は、生まれてから驚異的なスピードで成長します。お家に迎えるまでの間、どのように大きくなっていくのか、4つの段階に分けて紹介(生まれてすぐ・感覚器官が整ってきた頃・離乳期・社会科期)。その時期の注意点なども解説。
犬の妊娠期間は、約63日、小型犬では60日くらいで出産することも普通です。
母犬のお腹の中ではっきりとした胎児になるのは35日頃ですから、その後生まれてくるまで、1か月程度で成長してしまうのです。
考えると、ものすごい成長スピードです。
その後生まれてからも、赤ちゃん犬は、驚異的な成長を見せます。
仔犬をお迎えする時期は、だいたい生後2か月くらいのことが多いですね。
今回は、犬が生まれてからの様子をお知らせしたいと思います。
はじめに、生まれてすぐの頃についてお話しましょう。
目は見えず、耳も聞こえない状態
生まれたての赤ちゃんは、目も見えず、耳もふさがっています。
鼻で匂いはかぎますが、母親とミルクの匂いによく反応します。
また、触られることにも敏感です。
毛が濡れていたり、寒かったりすると、不愉快に感じてしきりに鳴きます。
赤ちゃんは、健康で生まれて、お腹がいっぱい、暖かいところで寝ていればおとなしいものです。
本能的に母親を探す
犬の赤ちゃんは、本能的に母親を探しますが、赤ちゃんの鼻には、暖かいものを探す赤外線センサーのしくみが備わっているのだそうです。
冬ならば、暖かい母親は探しやすいのですが、室温の高い時期でも母親のお腹に向かっていくのが不思議でした。
赤ちゃんは広い場所に置くと、クルクルと円運動をします。
これは、巣穴で、まっすぐに這っていきますと、出口より出てしまい、戻れなくなって危険だからなのでしょう。
赤ちゃんは数十センチ先に母親を感じれば、必死になって這いつくばっていきます。
まだ足が柔らかいので、体を動かすのにも相当な体力を使います。
産室を親子が寝られる程度に狭く感じる大きさにするのは、子犬が母親から離れすぎないように配慮しているのです。(大型犬は産仔数が多い場合があり広めです)
赤ちゃんの体は、柔らかくてよく曲がります。
サークルなどを使用した産室では、網のメから、飛び出したり、頭だけはさまったりして危ないので、たいていは段ボールで囲いを作ります。
母犬がまたげるくらいの柵を入口につけてやります。
生まれてしばらくの間は子犬は、ミルクを飲んでは母親がお尻をなめて排泄し、しっかりと眠ります。
小型犬では、1日に5g~30g増えていきます。
中型犬では20g~40g、大型犬ですと50g~70gも増えたりします。
この時期、人がやるべきことは?
この時期は人はそれほど手助けの必要はないものの、赤ちゃん犬を毎日、触ることは大切です。
人の手の感触を教えておくのと同時に、違う感じの地面に置くことが良いストレス経験になるのです。
赤ちゃん犬は、毎日体重を計り、成長に問題がないかどうか確認します。
生後12日を過ぎた頃、少しずつ耳の穴や目が開き始めます。
個体差がありますが、目は生後2週間前後に見えるようになることが多いです。
ゆっくりと開いたり、片目ずつ開いたりします。
初めは明るさだけがわかり、徐々に見えてくるようです。
耳も、同じような時期に聞こえるようになります。
遅い子でも生後19日くらいには、目が見えて、耳も聞こえるものです。
この時期は、初めての事にたくさんあうため、仔犬は少々怖がりな状態になります。
変わった音がしただけで、キャンキャン鳴いて、母親のそばに逃げていきます。
色々な物事をどんどん学習できるようになったのですね。
よちよち歩きできるようになる
足もしっかりとしてきて、よちよちと歩くようになります。
そろそろ母親がまたいでいた柵などは取り外します。
暖かな場所から、少し離れて外へ行き、自力で排泄をするようになっていきます。
母犬と飼い主の信頼関係ができていれば、仔犬は早く人に慣れていきます。
人間の赤ちゃんと同じく、離乳期がやってきます。
目が見えて歩けるようになれば、もう母親の食事に興味を示します。
歯が生えるのは、生後22日頃からが多いのですが、生後20日前後より、少しずつ離乳を開始します。
初めはプレーンヨーグルトをなめさせたり、チキンの生ささみのペーストなどを食べさせたりします。
そしてパピーフードをペースト状にしたものなどを口を開けて、少量入れてやります。
たいていは喜んで飲み込みます。
こうして毎日、固さや量を調節して与えていくのです。
歯が生えてくれば、ふやかしただけのドッグフードも食べられるようになっていきます。
きょうだいが同じような成長具合になるよう、気を配る
きょうだいが同じようなサイズで、元気でしたら、離乳食を皿に入れてまとめて与えることもあります。
ですが、サイズにばらつきがあり、弱い子がいる場合も多く、個別に与えないと小さい仔犬が上手く食べられないことがあります。
仔犬たちは、きょうだいで、遊び、母親ともじゃれて犬同士の付き合い方などを学んでいきます。
ブリーダーは、同じような成長具合になるように注意して見守っています。
母犬が、授乳を嫌がるようになってくる
母犬はだんだんと母性本能が薄れてきます。
仔犬の歯が強くなり、ミルクを飲む時に噛んだりしますから、授乳を嫌がるようになってきます。
このくらいになりますと、赤ちゃんの頃のように寝そべってミルクを与えるのではなく、立ったまま与えますから、
仔犬は立ち上がり、前足で支えたりしながら必死におっぱいに吸いついていきます。
逃げる母親を追いかけて、仔犬の足腰が鍛えられていきます。
仔犬はだいたい生後42日くらいで離乳しても、その後の成長は問題ないと思います。
ずっと母親につけたままで、いつまでもミルクを飲ませていますとかえって依存心の強いわがままな犬になってしまう場合があります。
離乳が完了してから、また母犬といっしょに遊ばせれば良いのです。
未熟児や正常な発育をしていない子犬には、もう少し母乳を飲ませたり、人工子犬用ミルクを与えます。
小さかった仔犬は生まれた時に200gだとしたら、生後40日で約1キロ前後になります。
何と5倍にもなっているのです。(犬種によって違います)
生後1か月から、4か月くらいまで、仔犬の心と体の成長は著しいものがあります。
この時期を「仔犬の社会科期」と呼ぶことが多いようです。
この期間にできるだけたくさんの人との触れ合い、色々な生活音に馴らすことが大切です。
仔犬のしつけ自体は、ブリーダーのところで既に始まっているものです。
人の手や足をむやみに噛まない、人の歩く前に出ない、ダメ等の制止など。
ですが、新しいご家庭では、また初めからしつけ直す必要があるのです。
環境が変わり、声かけの仕方も違いますから、仔犬の性格に合わせて教えてあげましょう。
犬はたいていの環境に慣れることができます。
なかなか覚えられない仔犬もいるでしょうが、とにかく根気よく何度も教えることがコツです。
ワクチン接種を忘れずに!
仔犬の頃はまだ胃腸などが未熟で、成犬がかからない病気などにもかかりやすくなっています。
獣医さんで、きちんとワクチン接種をしてください。
目がキラキラした元気な子犬を選ぼう
仔犬をお迎えする際は、目がキラキラしており、元気な様子の子を選びましょう。
初めて会う時にじっとして固まっているのは、知らない人に警戒しているだけです。
時間が経てば、遊び出すでしょう。
生まれてからの成長がとても早い仔犬時期について、犬を飼育する方の参考になれば幸いです。
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犬のブリーダーをしています。動物に囲まれて生活していて毎日、多忙ですが、
色々な発見があり楽しいです。ペットに関してのご相談お受けいたします。
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