怖~い「金縛り」の原因と対処法。霊か睡眠障害かの見分け方も伝授!

執筆者: 高野絵梨香
眠っている最中、身体が動かない…

ふと目覚めたとき、意識はハッキリしているのに身体が動かない「金縛り」。

人によっては人影が見えたり声が聞こえるなど、心霊現象として名高いこの症状ですが、原因の殆どは睡眠障害の1つです。

 

この苦しい金縛り、予防・対処する方法はないのでしょうか?

 

 

金縛りのメカニズムとは
金縛りはなぜ起こるの?

一言で述べると、睡眠中、身体が眠っている状態であるにもかかわらず、脳は起きており、脳からの命令に筋肉が反応しない状態が「金縛り」です。

 

睡眠学上では「睡眠麻痺」と呼ばれており、日本人の約8割が経験したことのある、非常に一般的な睡眠障害の一種です。

 

金縛りは眠りが浅い「レム睡眠」時に起きます。

このとき、脳は比較的働いているものの筋肉は弛緩しており、動かない状態です。

にもかかわらず脳から「動け」と命令が来るものですから、動かない身体に苦しさを感じてしまうのです。

 

金縛り時に幻聴・幻覚を見るのはなぜ?

金縛り中によく人影や声、不可思議な幻覚を見るという証言も多くあります。

しかしこれも霊の仕業などではなく、脳が起きているのに身体は動かないというアンバランスな状態を誤魔化すため、脳が作り上げた現象です。

 

幽体離脱のような感覚や、激しい物音などは脳が生み出した夢の一部と考えられます。

 

 

金縛りの原因になり得るもの
睡眠リズムの乱れ

夜勤のある仕事をしている方、時差のある旅行をよく体験する方などは、睡眠と覚醒のリズムが乱れやすくなり、レム睡眠中に覚醒してしまうことが多くあるようです。

 

精神的ストレス

強いストレスで寝付きが悪く、途中でよく目が覚めるような状態を繰り返していると、やはり睡眠リズムを乱してしまうので金縛りに遭いやすくなります。

 

また、躁うつ病や精神安定剤の副作用で起きる可能性も示唆されています。

 

疲労が溜まっている

旅行中や徹夜明けなど、不規則な生活はもちろんのこと、アウトドアで肉体がぐったりと疲れている場合も、金縛りに遭う確率が上がります。

 

寝る前に神経を高ぶらせた

カフェインやスマホ、刺激的な内容を脳へインプットすると、 脳が興奮して金縛りに遭いやすくなります。

 

寝具の関係

枕の高さや布団の重さ、湿度などは、睡眠の質を低下させてしまい、金縛りに遭いやすい環境へと繋がります。

 

体勢の関係 

仰向けは、レム睡眠を起こしやすい体勢でもあります。

 

金縛りの解き方
動かしやすい部分から少しずつ動かす

例えば足先や指先など、先端部分で動かしやすいところからチャレンジしてみましょう。

1度動けば金縛りは解けます。

 

左右を見回す

瞳が開く場合は眼球を動かすことで脳が「動く」と判断し、金縛りが解ける可能性が高くなります。

 

深呼吸をする

目も開かないし身体も少しも動かないという場合も、呼吸は出来るはずです。

深呼吸をすることで神経がリラックスし、金縛りが解除されることがあります。

 

冷静に客観的になる

今、金縛りに遭っているということを冷静に受け止め、強く「動け、起きたい」と念じることで、脳は寝ぼけて混乱している状態から回復し、いつものように身体を動く状態へ覚醒することがあります。

 

諦めて寝る

金縛りに遭っている時間は長くて数分程度。

別にそのままにしておいても害は無いと発想を転換させ、諦めて眠ってしまうのも手です。

 

霊現象との見分け方

ずばり、心霊現象との見分け方は「物理的に何かが起きて、金縛り後もそれが残っている」がポイント。

 

例えば物理的に窓が開いた、カーテンが開いた、ドアが開いた、何かが壊れたなど。

音や影、感触のみであれば脳の作りだした幻覚幻聴ですが、物理的に証拠に残るものがある場合、そこで初めて霊や人的仕業という考えが浮かびます。

 

 

おわりに

金縛りは霊現象でも何でもなく、よくある睡眠時の現象です。

 

金縛り中に起きることは99%幻覚・幻聴ですので、怖がることなくリラックスすることで金縛り状態から早く抜け出すことが出来ます。

 
 

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