人間関係がうまくいかない!アスペルガー症候群の特徴とよくある事例 [医療カウンセラー解説]

人間関係がうまくいかない!大人にも多い発達障害。アスペルガー傾向の人が持つ特徴と、人間関係を壊す事例を紹介するとともに、精神障害を予防する対策ポイントを探っていきます。

執筆者: 土田くみ 職業:医療カウンセラー
はじめに

皆さん、こんにちは。医療カウンセラーの土田くみです。


さて、今回も発達障害傾向の方の具体的な対応についてお話をしていきたいと思います。

 

発達障害傾向の人の特徴

ここでおさらいをしましょう。

 

叱られることが多かった

発達障害傾向の方は、子供のころから叱られて育つことが多いのも事実です。


それは、多動であったり、また空気が読めないため、人の傷つくことをずけずけといったり、また人に合わせるのが苦手なので協調性がありません。

 

 

人に認められたいがために頑張る

しかし、一方で優等生で来ている人もいます。
それは、人に叱られるのが嫌で、プライドが高いため、ミスをしないために過剰な努力をします。

そして人に認められるまでとことん頑張ります。


上手くいけばよいのですが、人に認められなく感じると自分はこの世に必要のない人間だと思い込んだり、自信がなくなり自己価値を見出せなくなります。


そうするうちに、いつしかうつ状態になることも稀ではありません。
徒労感が人より強く感じるということもあります。

 

感情を周囲にぶつけがち

また、認められないことに腹を立て、社会のせいにしたり周りの職場や環境のせいにしたり、自分のせいだと認めるのが難しいのも特徴です。


頭では理解できる人もいますが、他人に置き換えることが難しく、かなり具体的な対応を他人から教えてもらわないと感情のコントロールが出来ないことが多いのです。

 

 

精神障害を発症するケースも

感情のコントロールが難しい場合は、専門家のカウンセリングを受けたり、自分なりに発達障害の本を読んだりして対応できる人は精神疾患を発症しませんが、自分でコントロールできない場合は、いつの間にか被害妄想にとりつかれて、統合失調症になるケースもあります。


まずは、自分の特性を知ることと、自分が発達障害傾向があるということにプライドを捨て、自分自身の自己理解と自分を認めることが一番の精神疾患にならずに済む方法なのです。


アスペルガー傾向の方の具体例を続けてお伝えします。

 

アスペルガー傾向の人が持つ特徴
家族で食事に出かけた場合

皆が揃ってないのに、先に断りもなく食べたり、また話がつまらないと途中で先に帰ってしまい、最後までいないことがある。

 

また、居てもスマホや携帯を触るなど会話に入らないことが多い。

自分の興味がない話には頷きもない。

 

些細なことで怒り出す

彼とのデートで、彼女が彼にその服似合ってないよと一言言っただけで、機嫌が悪くなり、テンションが下がることを言うなと急に怒り出すことがある。

 

屁理屈をこねまくる

あー言えばこういう、こういえばあーいうなど俗にいう屁理屈を延々とこね、自分が正しいということを証明し、決して自分からは謝ることはない。

 

相手の気持ちを想像できない

帰宅時間を妻に伝えて、夕飯もいるといって出かけるが電話の1本を忘れたり、敢えて出なかったりする。

妻に電話位ほしかったと言われると、急に切れたりする。


相手がどんな気持ちで待っているかなど、想像できないのも特徴である。

 

損得勘定で対人関係が崩壊する

最初にした約束を後から自分にこのほうが得というような約束などが入ればそちらを優先してしまい、人間関係でのひずみが出ることもある。


例えば、先にランチの約束をしていた相手はいつでもランチに応じてくれるが、後から誘われたランチの相手はめったに会えない人だとすると先の約束を断り、後の約束を優先する。


これは友人関係にとどまらず、講座やイベントなどにも同じことをしてしまい、信用を無くしてしまう。

 

執念深く記憶力が抜群

良くも悪くも執念深く、粘り強いともいえる。

 

また記憶力も抜群であるため、皆が忘れているようなことも覚えていたり、自分の興味があることを一つ見つけるとのめり込み、とことん探求し追求する。

そういう意味では研究者肌である。

 

子供のように純粋で優しい心の持ち主

一見冷たく見えるように思われるアスペルガー傾向の人に、相談をすると親身になってくれたり、困っているということをこちらが必死でアピールすると自分のことのように親切にしてくれたりする。

 

人を疑わない、純粋無垢な子供のような性格の一面もある。

 

まずは自分の持つ傾向を認識することから

以上のようにそれぞれの様々なことがありますが、そのままでは人間関係が悪化します。


悪化させないためには自分で対応を考えることがベストですが、先ずはプライドの高さ故、自分には傾向があるということを認められないことも、コミュニケーションのうまくいかない原因になります。


自分が発達障害傾向を認めるとこんなにも良かったという例を、また次回お話ししたいと思います。

 
 コラムニスト情報
土田くみ
職業:医療カウンセラー

Kumi心理カウンセリング研究所の土田くみです。
私は、医療の現場で様々な手法を用いて患者さんの心のケアに当たっております。
現在、芦屋、神戸、西明石で精神障害や発達障害、また医学界では慢性疼痛の研究をしております。
身近な街の心の医療カウンセラーとして皆さんのお役に立てたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。