「発達障害(アスペルガー)」傾向の大人へ。遅刻や言い訳、長文メールをしたくなったら
アスペルガー傾向の人や発達障害傾向の人は人間関係が苦手。仕事や友人関係などで起きやすいトラブルの具体的な対処方法を紹介。
皆さん、こんにちは。医療カウンセラーの土田くみです。
前回は、発達障害傾向(特にアスペルガー)の方の傾向をお伝えしました。
それがあるがゆえに、対人コミュニケーションが上手くいかない理由になっていることもお分かりいただけたかと思います。
一番の対処方法は、自分が発達障害傾向であるということを認めてしまうことです。
それで、かなり人との距離感が理解できますので、失敗することも減り、スムーズにコミュニケーションが取れるようになります。
それでは、具体的にはどのようにするとよいのかをお話します。
プライベートでは、前もって友人などに自分の特性を話し、約束の時間より少し遅く来てもらうように伝えましょう。
そうすることで、相手を待たさずに済みます。
このようにすれば、友人に迷惑をかけることもありません。
仕事では、自分が相手に合わす必要があります。
特性があるからといって、お客様があなたに合わすのはおかしい話です。
そういう場合は、自分がお客様と約束をした時間よりも1時間前に約束をしたということにします。
自分の手帳や携帯には、約束の時間を書くのではなく、1時間前の時間を書いておきます。
会社の会議の時間なども前倒しで記入をしておくと、結局はちょうど良い時間になります。
また、以前にも触れましたが、集中力が切れることが多いので、理解のある上司を見つけて、自分の特性を理解してもらう努力もすることが大切です。
「言い訳をしても状況は変わらない」と自分で自分のことを客観的に見ることができると、人との衝突が避けられます。
そして、言いたくてムズムズしてきたら「あー自分は言い訳をしたいんだ、誰かに聞いてもらいたいんだ、正当化したいんだ」と自分に言ってあげるようにします。
どうしても言い訳したいなら、一言添えて
それでもどうしてもムズムズして仕方がない場合は、一言相手に添えて話をするようにしましょう。
「言い訳だとわかっているのですが、一言聞いていただいてもいいですか?」と添えたうえで話をしてみてください。
そうすれば相手にも嫌な思いをさせないで済み、また自分の気持ちもすっきりします。
こうすることで、コミュニケーションもスムーズにいきます。
アスペルガー傾向の方は、すべてを言わないとすっきりしないということが多いため、結論からは言いません。
すっきりしない理由は、「こうなんです」と一言でいうのも苦手なのですが、ついつい長い文章でうち、相手を疲れさせてしまうことがあります。
そんな時に、読む側に立ち、「もし自分が忙しい時にこの情報は自分に必要だろうか?」と置き換えて読む側の気持ちを取り入れます。
文章が長くなった時には、「最後に長文になりすみません」と入れるか、または「最初に長文になるので、お時間があるときに読んでいただければ幸いです」と付け加えると読んでもらえるようになります。
出欠確認メールが届き、すぐに返信をしないといけない場合もありますよね。
そのようなとき、行けないなら、行けない理由をたらたらと書くのは良くありません。
「行けなくて申し訳ありません」
まずはこれだけを打ち、「理由を丁寧に説明させていただきたいので、以下の文はお時間のある時にお読みいただければ嬉しいです」と返信をしましょう。
そうすることで、相手への信用が増します。
ただ断るだけでなく、後で理由をきちんと説明をする、しかし相手に負担を強いないことが仕事でもプライベートでも、アスペルガー傾向の方の特性の良さが出ます。
普通なら気づかないことも丁寧に書いてくれるので、とても周りは助かるのです。
このように自分がアスペルガー傾向にあると自覚があれば、とても親切な人ということになり、自分自身もすっきりとします。
ですが、時には丁寧なのは良いのですが、文章をこれ以上は削れないかを確認し、少しでも短い文にすることを心がけると良いと思います。
「自分が発達障害傾向であると認めることが一番だ」と話してきましたが、時には自分自身対応をし過ぎてしんどくなることもあります。
そういう時は、自分を肯定してあげてください。
- 「あーこのこだわりは自分の特性から来ているからしかたない。たまには自己中だと思われてもいいや」
- 「空気が読めないのは自分の特性だから、たまには空気が読めない自分でもいいことにしよう」
こんな風に自分でバランスをとることも大切です。
そうすることで、自分への理解が深まり、社会に適応する力が訓練されます。
以上のように特性を認めて対応をすることで、周りともうまくやっていけ、自分との付き合い方も変わってきます。
次回は、発達障害といえども人それぞれで場面場面感じ方や対応が違うことをお伝えしていきたいと思います。
少しでも他者理解と自己理解の融合を目指し、バランスのよいコミュニケーション力をつけることで、より良い対人関係が築けます。
それが、結果として生きやすくなることに繋がると言えるでしょう。
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Kumi心理カウンセリング研究所の土田くみです。
私は、医療の現場で様々な手法を用いて患者さんの心のケアに当たっております。
現在、芦屋、神戸、西明石で精神障害や発達障害、また医学界では慢性疼痛の研究をしております。
身近な街の心の医療カウンセラーとして皆さんのお役に立てたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
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