【大人の発達障害・アスペルガー】人間関係や夫婦関係がうまくいかない!カウンセリング事例
発達障害傾向がある大人の事例。社員の離職率が高い会社の社長。夫の行動にイライラする妻。カウンセリングでストレスの原因を知り、生きづらさを克服する手がかりを探ります。
皆さん、こんにちは。医療カウンセラーの土田くみです。
これまで、発達障害傾向の方の特性や特徴についてお話ししてきました。
「人それぞれ違うこと」、また「発達障害傾向の方がストレスが比較的少なく働くための仕事の選び方」などを取り上げましたが、今回は具体的な成功例や失敗例をご紹介したいと思います。
会社の社長であるAさんの悩みは、スタッフが辞めてしまい、ころころ変わるということでした。
そのため、「どこか自分に問題があるのではないか?」と考え始めてカウンセリングに来られました。
私は、Aさんに「スタッフへの対応をどうしているか?」と、こと細かく問診をしていきました。
その中でAさんは、いかに自分がスタッフを振り回しているかということに気づいたのです。
コロコロ気が変わって、スタッフを翻弄!
Aさんの会社は、販売業を営んでいます。
直感が強く、また創造性もあるAさん。
しかし、ご自身でもおっしゃっていましたが、常に新しいものを求めるところがありました。
例えば、「今度はこの会社の商品を使うから、注文をしておいて」とスタッフに言います。
ところが、その言った一日後にはAさんの気が変わり、次の日スタッフに、「やはりこっちの会社の商品にするから昨日のは取り消しておいて」と指示。
このようなことが、毎日のように続くわけです。
そういうことをしてばかりいると、どうでしょうか?
スタッフは、社長の思うように動きます。
ですが、毎日のように社長の言うことがころころ変わると、それだけスタッフの手間がかかり、また取引先への心労も絶えないかもしれません。
それをAさんは気づかずにいました。
スタッフの皆さんに「自分のこの行動をどう思っているか?負担になってたのでなないか?」を尋ねた上で、まずは謝りました。
そして、「今後も、私はころころ気持ちが変わると思うから、注文はすぐにしなくてよいからね」と伝え、1日置いてから注文をしてもらうように変えたのです。
そうすることで、スタッフとの信頼関係も高まり、辞めるスタッフを減らすこともできました。
このAさんの例は、「自分がもしかして原因では?」と思い至ったことが、まずは素晴らしいのです。
せっかく才能があり能力のあるAさん、ご自分のスタッフが頻繁に辞めていくことに、非常にストレスを感じておられました。
ご自分の行動を振り返ることで、気づけたわけです。
主婦のBさんは、夫に不満があり、ストレスを抱えているということでした。
「どうすれば夫が思うように動いてくれるのか?」ということを相談するために来られました。
離婚も考えたけれども、一度離婚を経験されており、お子さんもできたので、今度は離婚をせずに何とか結婚生活を継続させたいというお話でした。
まず、ご主人のどんな行動にストレスを感じるのかをお聞きしました。
例えば、「仕事の帰りに食パンを買ってきてほしい」と頼んだら、自分が買ってきてほしい食パンと違うという出来事があったそうです。
具体的には、銘柄と枚数が違ったとのこと。
ご主人に文句を言うと「5枚切りか6枚切りかなんて、どっちでもいいだろう」と言われて腹が立ち、喧嘩になったというのです。
Bさんは、「毎日夫も食べているのだから、5枚切れだとわかるはず」と主張したと言います。
また、ご主人のお風呂に入る時間がまちまちで、決まらないことに対しても、不満を持っていらっしゃいました。
Bさんの言う時間に入ってほしいのに、テレビを見ていたりして、すぐにお風呂に入ってくれない、イライラするとのことです。
私は、Bさんにこうお聞きしました。
「もし、あなたがとても楽しみにしているテレビ番組があり、その途中でお風呂に入ってほしいと言われたら入りますか?」
答えは、「いえ、入りません。終わってから入ります」でした。
そのような話をするうちに、Bさんは「自分が夫を思い通りにしたいんだ」という事実に気づくことができました。
イライラしていた原因は、「自分の思うままに動いてくれない腹立たしさ」からのストレスだと腑に落ちたのです。
また、自分の特性として「思い立ったらすぐに行動に移してほしい」と思うところがあることも理解しました。
これまでを振り返って、もう少し温和になる必要性を感じた結果、ご主人に買い物を頼むときは、次のようなことを心がけるようにしました。
- 買ってきてほしいものを具体的に言う
- 相手の気持ちになって考える
これにより、トラブルを回避できるようになったそうです。
こんな風に、ストレスはご自身の発達障害傾向からくるものもたくさんあります。
まずは、自分のストレスがどのようなものかを確認して、これまでを振り返るという行為が、解決策になることもあるかもしれません。
次回も引き続き、自分の生きづらさをどうして解決していくかを、具体的にお話していきたいと思います。
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Kumi心理カウンセリング研究所の土田くみです。
私は、医療の現場で様々な手法を用いて患者さんの心のケアに当たっております。
現在、芦屋、神戸、西明石で精神障害や発達障害、また医学界では慢性疼痛の研究をしております。
身近な街の心の医療カウンセラーとして皆さんのお役に立てたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
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