「怒られると泣いてしまう」心理は?すぐに泣く、涙が出る時の対処方法
職場や会社で仕事について怒られると、勝手に涙が出てくる。泣いてしまう。そんな困った癖は、社会人として改善していきたいですね。
こんにちは。心理カウンセラーの小日向るり子です。
最近、特に若い女性に「怒られるとすぐに泣いてしまう。同情を引きたい訳ではないのに恥ずかしい」という悩みが増えています。
今回は、こうした言動が起きてしまう心の仕組みと解消方法をお伝えしたいと思います。
感情の発散は、すべてストレス発散行為とイコールです。
ですので「泣く」という行為も一種のストレス発散行為です。
赤ちゃんや幼児にストレスがないのは泣くことで感情を発散させているからです。
一般的に、人は痛みを感じると泣くと思われていますが、実際には「痛み」そのものではなく、それが持続することのストレスを発散させたくて泣くのです。
幼児が注射で泣くのも痛いからではなく、泣くことで恐怖や不安を発散させているのです。
ただ、感情発散のうち「泣く」という行為は「怒る」と同じくらい、状況によってはそれ以上に受け止める相手を動揺させたり、不快な気分にさせてしまう行為でもあります。
ですのでやはり、そういった状況においては、相手を不快にさせる行為は大人として修正していかなければなりません。
涙が勝手に出てくる、泣きたくて泣いているわけではない。
自分自身では自覚していないのですが、泣いてはいけないときにしばしば泣いてしまう深層心理には、「構って欲しい」という甘えの構造がある方が多いようです。
これは、幼少期に親から充分な愛情を受けて育ってこなかった人によく見られる精神構造です。
赤ちゃんや幼い子供は感情の赴くままに泣きますよね。
親は、本来子供のそうしたわがままなありのままの状態を無条件で受け入れてくれる唯一の存在です。
子供はそうした「あるがまま」を受け入れられたという体験を経て、自分の気持ちだけでなく他人の気持ちも考えられる大人の精神に成長していきます。
しかし、この「あるがままの自分」を受け入れてもらうという経験を充分に得られずに育つと、未消化の感情が心の奥底に残ってしまいます。
こうした成育歴に、几帳面気質やメランコリック気質といった気質的なものが加わると、少しの失敗でパニックになったり自分を責めてしまい、それが「泣く」という未消化の感情の表出行動につながってしまうのです。
こうした自分の内面に残っている感情を見つめなおすことは根本的解決に大切なことですが、だからといってそれを同じ社会で働く同士や関係性が深くない他人に理解してもらおうというのは自分勝手ですよね。
自分と向き合うことは長期的視点で行い、現状でできる「泣かない努力」はしていくことが大切です。
泣いてしまう時の心理は、自分の内面に意識が向きすぎている、つまり自意識過剰状態です。
ですので、泣きそうになったら「泣いちゃダメ」と強く思わないことがコツです。強く思うということは、自意識を強く意識するということになりますので逆効果です。
泣きそうな時ほど「今すべきこと」に意識を向けましょう。
仕事のことで怒られている時は「次に自分はどう行動したらいいか」を考えるのです。
すでに出てきた涙があるのでしたら、トイレに行って上を向いて深呼吸。
それからハンカチを少し濡らして頬に当てて顔のほてりを取る、そして迷惑をかけた人に謝罪するなど、やることはいくつかあるはずです。
自分の感情に振り回されているとどんどん涙が出てきてしまいます。
泣いてはいけないときは、感情ではなく「次の行動」に意識を向けるようにしてください。
泣くのは状況が落ち着いてから行えばいいのでしょう。
人間の行動心理として、ネガティブな時は下を向く、楽しい時は上を向くという特性があります。
これを利用して、辛いことがあった日ほど上を向いて深呼吸することも有効です。
こうした行動療法もぜひ取り入れて、少しずつ「すぐに泣く自分」から卒業していきましょう。
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カウンセリングスペース「フィールマインド」代表カウンセラー。
15年間の出版社勤務の傍ら、ボランティアでNPO自殺予防ダイヤルの電話相談員をはじめたことがカウンセラーを志すきっかけとなりました。
退職後は派遣やアルバイトで働きながら(社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラーの資格を取得し、その後公的機関のセクハラ相談員を経て自身の会社「フィールマインド」を設立しました。
フィールマインドサイト:http://feel-mind.net/index.html
関係(恋愛・職場・友人)/ 恋愛関係 / メンタル疾患 / 性に関する悩み/ のご相談を得意としています。
エキサイトお悩み相談室登録カウンセラー:http://counselor.excite.co.jp/
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