専門家が解説!効果的な「カルシウムサプリメント」の選び方

本当に効果的な市販サプリメントはどれ?安全なカルシウムサプリメントの選び方と、一緒に摂るべき栄養素を、サプリ大国アメリカのホリスティック栄養士が解説。

執筆者: InnerHarmonyNutr 職業:ホリスティック栄養士/エネルギーワーカー/翻訳業
カルシウムサプリメントの選び方&効果的な飲み方

カルシウムは、骨格の形成に必要なだけでなく、心臓の鼓動の調整、筋肉の収縮、神経インパルスの伝達、細胞間の接着、ホルモンの分泌、血液の凝固、蛋白質の代謝など、さまざまな重要な役割を果たします。

 

カルシウムのサプリメントは、サプリメントの中でも非常に高い人気があります。

ですが、カルシウムのサプリメントには様々な種類があり、好ましくない種類のサプリメントを摂取したり、サプリメントの摂取方法を誤ったりすると、健康に悪影響を及ぼすことになりかねません。

 

主なカルシウムサプリメントの種類
炭酸カルシウム

石、石灰岩、海生動物(魚や貝など)の殻や骨、卵の殻などに含まれている成分です。

 

豊富に存在し、安価で生産できるため、最も一般的に出回っているサプリメントの種類ではありますが、バイオアベイラビリティは非常に低く、体内に吸収するには多くの胃酸が必要です。

 

※バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)… 服用した薬のうち、どれだけの量が全身に循環するのかを示す指標。

リン酸カルシウム

牛乳に含まれているカルシウムです。

サプリメントとしては一般的ではなく、バイオアベイラビリティもあまり高くありません。

クエン酸カルシウム/クエン酸リンゴ酸(CCM)カルシウム

カルシウムに、クエン酸や、クエン酸とリンゴ酸を配合して、バイオアベイラビリティを向上させたものです(炭酸カルシウムの2~2.5倍)。

 

酸性であるため、吸収にはさほど胃酸を必要としません。

また、水溶性ですが、カルシウムの元素濃度はあまり高くありません。

乳酸カルシウム

熟成チーズやベーキングパウダーに含まれているカルシウムです。

バイオアベイラビリティは、クエン酸カルシウムと同程度です。

 

オロチン酸カルシウム

カルシウムにオロチン酸を配合したもので、非常に高いバイオアベイラビリティを特長とします。

 

カルシウムサプリメントの危険性

最も一般的な形態である炭酸カルシウムは、関節や血管の石灰化を引き起こす危険があると示唆されており、骨を強化する代わりに、関節炎や心臓発作の原因を作ってしまう可能性があります。

 

さらに、このカルシウムは、腎結石や胆石の原因になるほか、カルシウムサプリメントの中で最も高いレベルの鉛を含有しています。

 

このため、カルシウムのサプリメントとしては、腎結石や胆石を防ぐ働きがある「クエン酸カルシウム」や「クエン酸リンゴ酸カルシウム」、あるいはバイオアベイラビリティが最も高い、「オロチン酸カルシウム」の方が好ましいと言えるでしょう。

一緒に摂取すべき栄養素は?
体内のミネラルバランスを崩さないために

カルシウムのサプリメントを摂取する場合は、次のようなサプリメント、またはこれらを多く含む食品も同時に摂取する必要があります。

 

ビタミンD3K2マグネシウムシリカ(ケイ酸化合物)

 

これらのビタミンやミネラルが不足していると、いくらカルシウムを摂取しても無駄になってしまうばかりか、体内のミネラルのアンバランスを招きます。

 

カルシウムの石灰化を防ぐには

また、カルシウムの石灰化を防ぐには、十分な「脂溶性ビタミン(A、D、E、K2)」が必要です。

 

サプリメントは、あくまでも手助けをしてくれるもの
自然な食品から摂取するのが理想的

以上のように、カルシウムのサプリメントには注意が必要なため、カルシウムは自然な食品(魚、海藻類、緑黄野菜、胡麻、ヒマラヤ岩塩など)から摂取するのが理想的です。

 

 

食品には酵素、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれているため消化、吸収されやすく、バイオアベイラビリティも高くなります。

 

ただし、一般にカルシウムの宝庫と考えられている市販の牛乳は、殺菌処理によって炭酸カルシウムと同様の石灰化をもたらすほか、花粉症などのアレルギーの悪化、性ホルモンのアンバランスの原因となるという説もあります。

 

おわりに

サプリメントはあくまでも補助食品であり、自然の食品に勝るものはありません。

カルシウムのサプリメントは、食品からの摂取だけではどうしても難しい場合にのみ、頼るようにしてください。

 
 コラムニスト情報
InnerHarmonyNutr
性別:女性  |   職業:ホリスティック栄養士/エネルギーワーカー/翻訳業

本業の飜訳をするかたわら、ホリスティック栄養士/エネルギーワーカーとして、スピリチュアル性を重視しながら健康の改善と維持を目指すためのお手伝いをさせていただいています。特に、糖尿病の予防と改善、健康的な体重維持のサポートに力を入れています。2014年からはほぼ不食でも生きられるようになりましたが、ときには食を楽しむことを選択し、2つのブログではヘルシーなグルテンフリーのゆるべじレシピの紹介や、健康情報を発信しています。現在、『グルテンフリーガイド』のキンドル版をアマゾンで発売中です。

ホームページ (レシピ):www.InnerHarmonyNutrition.jp (日本語)
ブログ (健康情報):ameblo.jp/innerharmonynutrition (日本語)
フェイスブック:www.facebook.com/InnerHarmonyNutritionJp (日本語)

ホームページ (レシピ):www.InnerHarmonyNutrition.jp (英語)
フェイスブック:www.facebook.com/InnerHarmonyNutrition (英語)

 

 健康・医療のコラム