視力が落ちた、目が涙っぽくて充血…「ぶどう膜炎」が原因かも!治療と予防方法 (1/2)
「ぶどう膜炎」の原因・治療・予防法について。きちんと処置を受ければ失明しません。治療が20年~30年になることもあるので要注意です。
こんにちは、眼科検査技師の中根千恵です。
「ぶどう膜炎」という病名を聞いたことはありますか?
あまり知られていない病名ですが、たいへん厄介な眼疾患の1つです。
今回はこの疾患についてお話をしたいと思います。
虹彩・毛様体・脈絡膜の3つの部位を合わせて「ぶどう膜」と呼びます。
そして、何かの原因でこれらの組織に炎症が起こることを「ぶどう膜炎」と言います。
この“ぶどう膜”が炎症を起こして滲出物が出たりすることで、物を見るのに1番大切である「網膜」が腫れて濁ります。
また、「硝子体」(しょうしたい)という眼球内に液体が詰まっている部位、そして角膜(黒目)と虹彩(茶目)の間にある「前房」という部位にも濁りがでます。
硝子体に詰まっている液体は、卵の白身のようにドロドロしていますが無色透明です。
前房という部位は、眼球の圧を一定に保つための「房水」が流れる出入り口です。
この「硝子体」と「前房」に濁りが出るため、視力低下などの自覚症状が表れます。
眼科医師が、診察でみると“ぶどう”のようにブツブツと房のような炎症が見えます。
ですので、「ぶどう膜炎」という病名が付けられています。
「ぶどう膜炎」になると、次のような症状が見られます。
(2)ゴミのようなものが浮いて見える
(3)電灯のまわりに虹がかかったように見える
(4)充血
(5)眼痛
(6)涙っぽい
実は、(4)~(6)は、身近な眼の病気「結膜炎」の症状によくあります。
また、(1)~(3)のような症状は緑内障発作などにもあります。
つまり、上記は一概に「ぶどう膜炎」特有の自覚症状ということではありません。
逆を言えば、眼科を受診しない限り「ぶどう膜炎」かどうかという判断は自分自身ではつかないということです。
ぶどう膜は、外観からは分からない眼の奥の部位です。
水風船を想像してみてください。
水を抜くと、しぼんでしまいますよね?
眼球も同じで、丸みを保つために「房水」という涙に似た成分が巡回しています。
「ぶどう膜炎」は、その房水の流れる出入り口である“ぶどう膜”が炎症を起こすことで、眼圧という眼球のハリを一定に保つ機能が低下して“失明”してしまいます。
しかし、適切な処置を受ければ失明することは、まずありません。
下記のような菌やウイルス等が“ぶどう膜”にアレルギー反応を起こして発生する疾患ではないかという説があります。(実証はされていません)
- 細菌
- 寄生虫
- ウイルス
- カビ(真菌)
- 結核菌
- トキソプラズマ(猫の糞を介して感染する)
ですが、小さい眼の中で起こっている病気なので、様々な全身検査を行っても原因菌を突き止めるのは困難なのが現状です。
菌やウイルスが原因なのか、別の何かが原因なのか、こればかりは眼科学会でも不明とされており、確実な答えが現在存在しないのです。
ですが、菌やウイルスを回避することで、発症の確率が若干低くなる可能性は否定できません。
☑ マメに手洗い、うがいの習慣を身に着ける。
☑ 結核の予防接種を受ける。
☑ 自宅内にカビを繁殖させないように、こまめに掃除を行い部屋中の風通しを良くする。
☑ 野良猫などに触ったら、よく手洗いを行いアルコール消毒をする。
なお、アルコールは“乾燥”して初めて菌が死滅します。
手にスプレー等したアルコール消毒液が乾いていない間は、何にも触れずに乾燥するのを待ちましょう。
細菌等は、目に付着するだけではなく体内に入り込むことでも「ぶどう膜炎」は発症する場合があります。
眼も、血管や神経が通る「身体の一部である」ことを忘れないでください。
アレルギー反応が関連している場合が多いので、「副腎皮質ホルモン」を主に用いて治療を行います。
副腎皮質ホルモンは「ステロイド」です。
これを用いるメリットとデメリットは、次の通りです。
炎症を抑え、成分は細胞の膜を通り抜けて治療に有効という特徴があります。
使用すると身体の免疫力が低下するので、風邪などの感染防止のため同時に抗生物の投与も行う場合があります。
また、原因となる“菌”が疑われている場合、3~6週間を1つの区切りとして菌を死滅する薬を用います。
再発を繰り返す場合、症状が出た時にだけ治療を行い、炎症が起きていない期間は経過観察で様子をみます。
瞳孔は暗所で開き、明所で小さくなるという動作を繰り返しています。
猫の目を想像して頂くと解かり易いかもしれません。
暗闇では大きく、明るい場所では細目になるのは人間も同じです。
これは虹彩(茶目)の開閉の動きに関連しています。
「ぶどう膜炎」になると、虹彩(茶目)と、水晶体という部位が癒着してしまい、瞳孔の開閉ができなくなります。
そのまま放置すれば、失明に繋がる危険性があります。
そこで、瞳孔を開く「散瞳点眼薬」を用いて癒着をくい止めます。
- サングラスを着用して、眩しさの軽減を
瞳孔が開きっぱなしになるので、明所では常に眩しい状態が続きます。
サングラスを使用することで、眩しさを軽減できますのでぜひ利用してください。
- 焦点が合わず見えにくい状態が続く
また、散瞳薬の影響で、眼鏡やコンタクトレンズを装用しても“遠方・近方“どこにも焦点が合わずに見えにくい状態が続きます。
見えにくい状態が続くストレスは想像以上に多大なものです。
ですが、癒着を防ぐ重要な治療ですので、気分転換などを行いながら前向きに生活をする工夫をしましょう。
- 転倒事故に注意!
また、見えにくい為に足元の段差に気付かず転倒など、思わぬ事故に繋がりかねません。
本人だけではなく、周りの方々にも理解を得て治療に専念してください。
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