目に優しいコンタクトの種類は?ソフトとハード、1dayと2week…各特徴や使用感など
眼科検査技師が解説!ソフトコンタクトとハードコンタクト、1dayと2weekなどコンタクトレンズの種類を紹介。またケア方法や使用感、各特徴も解説しています。
こんにちは、眼科検査技師の中根千恵です。
近年、さまざまなメーカーからコンタクトレンズが発売されています。
コンタクトのタイプも、ハードやソフト、1日使い捨てタイプや2週間交換タイプなどある中で、どれを選ぶべきか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
今回は、どのコンタクトレンズが目に優しいのかご説明します。
さまざまなメーカーからコンタクトレンズが発売されています。
それを大きく分けると、2種類あります。
- ハードコンタクト
- ソフトコンタクト
近年は、ハードコンタクトレンズを使用する方は激減しました。
理由としては、次のことが挙げられます。
- ハードコンタクトレンズに使い捨ては無い
- 消毒や洗浄の手間が面倒
- 洗浄などを怠るとカビが繁殖する
- 長年ハードコンタクトレンズを使用していると「眼瞼下垂」になるリスクが高い
瞼が垂れ下がる症状です。
このせいで目尻にシワが寄り、老けて見えることから、美容整形外科で「眼瞼下垂」の手術を受ける方もいます。
自費診療です。
ハードコンタクトレンズ使用経験者なら分かると思いますが、ハードレンズを外す際に目尻を指で下に引っ張ります。
そして、上まぶたの淵にハードコンタクトレンズを引っ掛けて外します。
この行為を長年行うと、次のようなことが起こりがちなのです。
- 目尻を毎日、下へ引っ張る
- そのせいで目尻及び、まぶたの皮膚が伸びていく
- 伸びた瞼の皮膚が眼球を覆い隠すように垂れ下がる
齢を重ねると、ハードレンズ使用者に関わらず、上瞼(うわまぶた)はある程度垂れ下がります。
ですが、眼球の半分以上が眼瞼下垂により隠れてしまうと問題です。
上瞼が垂れ下がることにより、視野が狭まります。
さらに重篤の場合は、自力で目を見開くことも困難になります。
そうなると視野が狭くなるだけではなく、物を見ることができなくなります。
生活困難なほどの眼瞼下垂は、眼科で手術を受けることができます。
健康保険適用です。
ハードコンタクトレンズにもメリットがある
ですが、ハードコンタクトレンズは悪いことばかりではありません。
次の症状の改善には、ハードコンタクトレンズが使われます。
角膜とは、黒目のことです。
角膜の表面がデコボコしていると「乱視」の症状が出ます。
そのデコボコの形の角膜を、硬いハードコンタクトレンズで覆うことで角膜乱視は改善されます。
円錐角膜というのは、その名の通り角膜が円錐の形になっており、黒目の先が尖っています。
角膜には痛みを感じる神経もあるため、「円錐角膜」の方はソフトコンタクトもハードコンタクトも装用すると痛みを伴います。
尖った先端部位に当たってしまうからです。
円錐角膜の患者は、眼鏡でも矯正は困難です。
ですので、「円錐角膜」専用、医療用ハードコンタクトレンズがあります。
健康保険適用です。
眼鏡もコンタクトも嫌!
そういう方々が「オルソケラトロジー」のレンズを使用しています。
このハードコンタクトレンズは通常のハードコンタクトレンズより直径が大きく、角膜全てを覆います。
慣れるまで違和感、痛みを感じる場合もあります。
オルソケラトロジー用レンズの使用方法は、就寝前に装着して起床したら外します。
オルソケラトロジーの効果は持続しません。
毎晩、装用することで、朝から夜まで一時的に視力を良好にします。
なお、オルソケラトロジーを長年使用しても根本的な治癒には至りません。
オルソケラトロジー使用者の多くは子どもです。
LASIK(レーシック)手術を子どもに行うことは禁止されています。
ですので、子どもの頃はオルソケラトロジー、大人になってからレーシック手術を受ける方々も多くいます。
※レーシック、オルソケラトロジーは自費診療です。
冒頭でもお伝えしましたが、さまざまなメーカーからいろいろなソフトコンタクトレンズが発売されています。
ですが、種類は限られています。
☑ コンベ(使い捨てではないタイプ)
☑ ディスポ(使い捨てタイプ)
近年、コンベの使用者は減り、ディスポが主流になっています。
ディスポの種類はたくさんあります。
- 1日使い捨て(1day)
- 2週間タイプ(2week)
- マンスウエア(1ヶ月使用可能)
- 1週間連続装用
- カラーコンタクト(コンベ/ディスポ)
就寝する際は外します。
また、お風呂・プールなどでの装用は、感染症のリスクが高いので禁止です。
就寝時でも外す必要はなく、装用したまま寝ることもできます。
1週間連続装用のソフトコンタクトレンズであれば、1週間ずっと外す必要がありません。
このタイプは、例えば遠征で登山など、どうしてもコンタクトレンズを変える状況ではない場合に使用することが望ましいでしょう。
「取り外しが面倒」という理由のみで使用を続けると、重篤な疾患になる可能性が高いので、よほどの理由がない限りお勧めできません。
また、この連続装用レンズは、医療現場で「メディカル・ユース」と呼ばれ、使用されることがあります。
例えば…
- 白内障手術の傷口が開いてしまった
- 角膜に大きな傷ができた
つまり、眼の絆創膏として使用される場合もあるのです。
毎日、交換して新品のレンズを使用することで、細菌等の感染予防になります。
「1dayは値段が高い」
そういう声を聞きますが、2weekタイプやマンスウエアのレンズには洗浄液が欠かせませんので、その値段も考慮して考えてみましょう。
確かに、その洗浄液の値段を考慮しても、1dayタイプの方が価格としては若干高くつきますが、目の安全を考えるとやはり1dayタイプがお勧めです。
朝、装用して夜中まで使用する。
そういう方々は多いかと思います。
ですが、終日装用ソフトコンタクトレンズの使用時間目安は、「8時間〜長くても12,13時間」を推奨しています。
長時間装用すると、後々に後遺症が出ます。
角膜内皮細胞の減少理由はいろいろありますが、「コンタクトレンズの長時間装用」も原因の1つと言われています。
角膜内皮細胞が減少すると、レーシック手術や白内障手術を受ける際に大きなリスクが伴います。
1dayタイプのレンズは、「終日、1日のみの使用」を前提として生産されています。
ですので、1度外したらフニャフニャになってしまいます。
それを無理やり眼に装用すると、本来の度数(見え方)が悪くなったり、レンズが曇ったりします。
また、1日だけの使用を目的として生産されているため、耐久性がありません。
そのため、1dayタイプを何度も使用すると破けやすくなってしまいます。
コンタクトレンズを外す際に破けてしまい、破片が眼球内に取り残されて眼科に駆け込む方々も多くいます。
コンタクトレンズは、ペースメーカーと同じ扱いです。
使用法は必ず守りましょう。
ハードレンズ・1dayタイプ以外のソフトコンタクトレンズを使用している方も、使用法を正しく守れば、目の負担は軽減できます。
- ハード、ソフトレンズに関わらず毎日必ず洗浄する
- ソフトレンズは表、裏それぞれ擦り洗いをする
- ケース内の洗浄液は毎日入れ替える
- ケースは2〜3週間ごとに新しくする
- 装用時間を守る
コンタクトレンズにも寿命があります。
ソフトレンズ、ハードレンズとも2〜3年が限度と言われています。
また、ハードレンズとソフトコンタクトでは大きな違いがあります。
装用した際に痛みを感じたら、使用を中止して速やかに眼科を受診しましょう。
ハードレンズの長所は、眼に傷や炎症がある場合、激痛で装用が困難になります。
つまり、重篤な状態になる前に気付くことができます。
ソフトコンタクト
連続装用レンズの項目でもご説明したとおり、ソフトコンタクトレンズは眼の絆創膏のような役割をします。
ソフトコンタクトレンズを装用した直後、違和感や痛みがあっても数分で症状が緩和します。
ですので、眼に傷があっても気にせず使い続けてしまいがちです。
「あまりの痛み・充血で装用できない」
そうなったときには既に重篤な状態になっている場合があります。
装用した際に違和感や痛みがあったら、すぐに使用を中止して眼科を受診してください。
コンタクトレンズ障害です。
角膜(黒目)は、物を見るのに大切な部位です。
ガラスに傷がつくと光が乱反射したり、ガラスが曇ってしまうと向こう側が見えなくなってしまいますよね?
角膜もガラスと同じです。
しかも、放置すると傷が一生消えない場合もあります。
「コンタクトレンズ障害」を甘く考えていると、大変なことになります。
度数が入ってなく、医師の処方箋なしで購入可能なカラーコンタクトレンズが販売されています。
眼科では扱っていないこれらのレンズを軽い気持ちで使うのは、眼に重篤な症状が及ぶ可能性が高く、大変危険です。
例えば、カラーコンタクトレンズの色素が溶け出したといった事例も報告されています。
カラーコンタクトレンズを使用したい場合は、必ず眼科を受診して処方箋を貰いましょう。
●関連コラム
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多くの方々にとって身近な「コンタクトレンズ」。
便利な反面、使用方法を守らないと危険なことがたくさんあります。
眼科医師の指導を守り、快適なコンタクトレンズ生活を送ってくださいね。
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