薬剤師おすすめ!二日酔いの不快な症状に効く漢方薬4種
お酒を飲み過ぎた翌日の様々な体調不良に効く漢方薬を紹介。胸やけ・胃のむかつき・胃もたれといった胃腸系の悩みだけでなく、口の渇き、頭痛、むくみ、下痢、グルグル鳴るお腹などの、二日酔いによる症状も和らげたり解消したりすることができます。
こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。
今夜はパーッとお酒を飲もうか。
それとも、明日のことを考えてセーブするべきか。
たまには大丈夫かなと思って飲んで、翌朝になって後悔することもしばしば。
自分のアルコールの解毒能力を超えて飲み過ぎたために二日酔いになるのは当然のこととして、その日の体調・お酒の種類や飲み方・飲むペースによっても翌日に影響することがありますね。
また、翌日に起こる体調不良の症状は人によって異なります。
- 口の渇き、頭痛、むくみ
- 胸やけ、胃のむかつき
- 胃もたれ
- 下痢、お腹のグルグル音が気になる、など
今回は、お酒を飲んだ翌日の不快な症状を和らげたい場合にお勧めの漢方薬をご紹介します。
二日酔いに伴う症状で「口の渇き」「口の中の不快感」があります。
飲んだお酒の水分量に比べて、尿の量が少ないと感じたときは要注意です。
暑い日や運動の後にもノドの渇きがありますが、お酒を飲んだ翌日の渇きはちょっと違います。
むくみ(皮下の水分)や下痢(腸内の水分)などの余分な水は存在するのに、一方で、体を潤すのに必要な水が足りていなくて喉が渇いています。
体内の水分が枯渇しているわけではないので、水分を飲もうとしても体はあまり受け付けず、たくさん飲もうとしても飲めませんし、無理に飲んでも、口の中をすすいでも、なかなか渇きは改善しません。
「五苓散」は体内の「水」を調整する漢方薬です。
必要な水分は足りず、不必要な水は偏在する。
このバランスを整え、その上で余分な水を尿として出します。
「五苓散」を服用すると、尿がたくさん出始めるとともに、口の渇きがなくなり、頭痛も治まってくるというような効き方をします。
また、「五苓散」は水の関係している不調に使えるので、お酒の翌日にむくみやすい人や、水っぽい下痢をしてしまう人にも適します。
アルコール度数の高いお酒を飲む人は要注意です。
寒か熱かの性質で言えば、お酒は熱性の飲み物です。
血管を拡げ、血流を早くし、体が温まります。
ですが、度が過ぎれば熱を持ち、赤くなり、炎症があれば悪化させます。
それにより、胃の粘膜はダメージを受けやすい状態になります。
胃の炎症によって、胸やけ、むかつき、悪心が起こります。
「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」の効果・効能
「黄連解毒湯」は、熱をとる薬であり、熱くなるのを冷まして、炎症を抑えてくれる漢方薬です。
予防的に使っても効果があります。
お酒を飲むとき、美味しいものを目の前にしてつい食べ過ぎてしまう。
特に甘いものや油ものを食べ過ぎてしまう人は要注意です。
さらに夜遅い時間に飲む人は、胃の中のモノを消化する前に寝てしまうので、翌朝もまだ胃が重くて、ゲップがでたり、膨満感があったりしてスッキリしません。
「平胃散」は、胃腸の働きを高めて、食べ過ぎによる胃もたれや消化不良を改善します。
体調があまり良くないときや、ストレスを抱えているとき、飲み会が続いているときは、胃腸の働きが悪くなっているかもしれないので注意が必要です。
消化の悪いものを食べたり、冷たいもの飲んだり、その量がいつもより多いと、さらに胃腸の働きが弱ります。
そんなときにビールや、氷の入ったお酒(酎ハイなど)をたくさん飲むと、消化管からの水分の吸収が追い付きません。
その結果、翌日、胃の方は傷つき、つかえ感や膨満感、胃の不快感があり、腸の方は、中に残っている水分で冷えるので、軟便や下痢になります。
ガスと水分でお腹のグルグルが気になります。
「半夏瀉心湯」は、胃の熱を冷ます生薬と、腸の冷えを温める生薬が含まれているので、お酒の翌日の下痢に適しています。
2つの漢方処方を組み合わせた薬も!
「五苓散」と「黄連解毒湯」は、両方の症状があるときは、両方服用しても構いません。
例えば、大正漢方胃腸薬〈内服液〉は、「五苓散」と「黄連解毒湯」を組み合わせたドリンク剤です。
五苓散 × 平胃散
また「五苓散」と「平胃散」を合わせた「胃苓湯」(いれいとう)という漢方薬もあります。
症状に合わせてお選びください。
今回、翌日の体調不良を和らげる漢方薬をご紹介しましたが、必ずしも効果を保証するものではなく、ましてやお酒を飲み過ぎても大丈夫と言っているわけではありません。
できることなら薬に頼らなくてよいようにセーブして頂きたいと思います。
漢方薬は体質によって合わないこともありますので、心配な方は購入前に専門家にお尋ねください。
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