[忙しい人の冬至の過ごし方]にんじん、れんこん…「ん」のつく食べ物を食べる"運盛り"って? -冬至の意味と由来
かぼちゃと柚子湯、あずき粥などで健康を祈る冬至。にんじん、なんきん、れんこんなど、「ん」が2個つく食べ物を食べる「運盛り」にも注目です。
こんにちは、「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」主宰・日本茶アドバイザーの柳澤ゆり子です。
今回は冬至の「運盛り」に関わるエトセトラをまとめてみました。
1年の中で昼が一番短く(夜が一番長く)なる日、毎年12月22日頃が「冬至」です。
冬至の日は、日照時間が短いため、太陽のパワーが最も弱まる日と考えられますが、翌日からは、日に日に日が長くなる事から「太陽が生まれ変わる日」とも考えられています。
この冬至を特別視するのは日本だけの考えではなく、世界中にお祭りがみられ、太陽の復活祭などと呼ばれているようです。
この太陽の復活を祝う冬至祭がクリスマスの始まりとする説もあります。
古代ヨーロッパには「ユール」と呼ばれるお祭りがあり、太陽の死と復活のお祭だったとか。
興味をもたれた方は詳しく調べて見てください、興味深いですね。
この日(冬至)を境に、日に日に日が長くなり太陽が生まれ変わる日とも言われる冬至は、これを境に「運気が上向く」とも考えられており、『一陽来復』と呼ばれます。
「一陽来復」には、 冬が終わり春がやってくること、 悪いことが続いた後で幸運に向かうこと、 新しい年がやってくることといった意味があります。
また「一陽」には、陰が極まれば陽と転ずるという意味が、「来復」には、太陽の力が回復するという意味があります。
この日に頂く行事食としては「冬至粥」が有名ですね。
小豆を入れた小豆粥のことです。
小豆の赤は太陽を意味し、厄除けになると考えられているためです。
地域によっては「いとこ煮」も頂くでしょうか。
これは、かぼちゃ(なんきん)と小豆を一緒に煮て頂くものです。
ビタミン豊富なかぼちゃは夏の野菜ですが保存が効くので、厳しい冬がやってくる前に頂き、かぜに負けない栄養を蓄える意味があります。
また、小豆は昔から赤い色が邪気を払うものとされ、季節の変わり目毎に我々日本人は小豆を摂取してきました。
お祝いの際に頂くお赤飯も、邪気を祓い良き運を取り込もうとする習慣です。
冬至の習慣として「ゆず湯」もあります。
こちらも、柚子に含まれるビタミンを補給して冬に備える為のものであるとともに、運を取り込む前には香りの強いもので厄を払う必要があると考えられています。
菖蒲湯と同じ考え方ですね。
さて、皆さんは「運盛り」という言葉を聞いた事がありますか?
これは「ん」のつく物を食すことによって「運」を体内に取り込むというものです。
「ん」には、「いろはにほへと」も「ん」で終わるので、一周回ってまた「い」から始まるという意味もあり一陽来復に通じるものです。
「ん」が1つより、2つ付くものはより良いとされています
例えば、なんきん(南瓜)、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、なんばん(唐辛子)など。
- 「なんきん」と「にんじん」
βカロテンが多く含まれ、これが体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を強くすることによって風邪の予防に役立ちます。
また、βカロテンには優れた抗酸化作用があるので、コレステロールが血管壁に沈着するの防ぎ、動脈硬化や脳卒中を予防してくれるそうです。
- 「れんこん」と「きんかん」
ビタミンCが豊富に含まれていて、風邪予防に役立ちます。
- 「かんてん」
水溶性食物繊維としてコレステロールの排泄を促進することによって脳卒中の予防に役立つそうです。
たとえばこんなものを。
にんじん、ゆず、なんばん、なんてん(柄の手ぬぐい)です。
小豆粥を煮たり、柚子湯を用意するのが難しい場合には、簡単に柚子まんじゅうを頂くと言うのもありですね。
柚子茶だって良いかも知れません。
「ん」のつく根菜類をたっぷり入れてけんちん汁や豚汁も良いですね。
ここにうどん(うんどん)を入れたら最強でしょうか。
取り入れやすいものでビタミンを摂取したり、「ん」のつくものを飾ったりして、冬至を運盛りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
|
|
|
|